2007年9月10日月曜日

9月10日(月)生徒と携帯電話

生徒と携帯電話
1.本校は生徒が携帯電話を保持することを禁止している。校内で保持していることが分かれば一時預かりする内規となっており、勿論校内での発信や受信などは厳禁である。
2. ところが生徒の実態は大きく異なり、またこの内規が今日的に「如何なものか?」という問題意識は着任当時から有していた。私は阪和線の我孫子町駅を朝夕利用させて貰っているが、当然多くの生徒を目にする。朝はそれほどでもないが、夕刻部活を終えた生徒の中には携帯電話を取り出して、道すがらどこかに電話している様子を目にすることがある。恐らく家に「今から帰る」のかえるコールか友人への電話か様々であろう。私の顔を見つけると慌てて隠すか電話を切って急いでかばんに入れる。高校生はそうでもないが、中学生は見るからに体を小さくし「悪いところ見られた。困ったー。」と言う様子が手にとるように分かるのだ。
3.相当高い比率で生徒は携帯を保持していると私は見ている。当日体調が悪くても学校に来る生徒もいるだろうし、保護者も気にして電話してくるもともあるだろう。大体一昔前は携帯を持っていたら変人みたいに見られていたように感じるが、今や「私は携帯を持っていません!」など、宣言みたいに言う人が逆に変人に思われる時代になった。
4.生徒に携帯の保持を認めてはどうかと、4月校長就任以来、生指部には言ってはいたが、その後この話は棚置き状態のところに、今回、生徒生活指導部長の方から話が出てきた。大きな根拠となったのは「生徒の通学途中の様々な被害」である。酔った男の乗るバイクに自転車通学途中の男生徒が出会いがしら、ぶつかる事故にあった。またある男生徒は見知らぬ大人から突然顔面を強打され逃げ去られた。ある女生徒は電車内で痴漢にあい、最も近い事例は不審者に女生徒が学校近くまで追いかえられ、恐怖感が消えず、結局保護者に学校に来てもらい当日は下校の措置をとった。この女生徒は携帯で学校や保護者に助けを求めようと考えたが、その時は保持していなかった。
5.この種の話は本校のみの話ではなくて新聞を見ればどこかでおきている日常の光景なのである。通学途中の安全は今や昔日のように行かず、何らかの積極的対応を必要としている時代になっているのである。生徒には「携帯は不要」だと簡単に片付ける今日的社会情勢ではなくなった。「生徒の通学途中の安全を守らねばならない。」
6.なかなか幅の広い生徒生活部長が、遂に問題提起を始めたのである。了とする。こうでなければならない。「正規の校内手続きを踏んで携帯電話の取り扱い内規」を定めるように公式に指示した。本日の校務運営委員会で議論し方向を定め、13日の職員会議でオーソライズをする。18日に解禁の予定。生徒には当然認める代わりに授業中の音声受信など厳しい違反罰則は当然である。「自由を得る」とうことは「責任も取る」と言うことを生徒には徹底して欲しいと念押しした。段々と難しい世の中になってくる。