2007年10月17日水曜日

10月16日(火)NHKテレビ

1.授業参観
 ・10月2日  英語   1-L2 3限  「受動態」
 ・10月16日 世界史B 2-1  3限  「クリミア戦争と東方問題」
・ 前回以来、二人の常勤講師の授業を見せてもらった。何時も昼休みに担当の先生に対して、副校長を入れて3人で総括をする。授業は静かで生徒も集中していた。授業は十分成り立っていると言える。問題は生徒に「力がついているかどうか」だ。
・ 二人の教員には思うところを厳しく伝えた。「更に工夫が必要」。特に世界史は時間数も少なく今日的生徒には理解が難しい内容だけに用意周到な教材準備が必要。この8月の3年生の河合全統模試において世界史の成績が出ているが、もっと点を取ることが出来る筈だ。
2.来年度行事について
 ・ 「行事検討チーム」より詳細報告を受ける。大筋で理解できるもので、「答申を了」としたい。最終報告に向けて最後の詰めに入るよう依頼した。
・ かなりかなり中身のある行事となり、「立派な教育行事」が来年度から装い新たに始まる。楽しみである。
3.NHKテレビ「プロフェッショナル」
 ・大体、僕は寝るのは早い。9時30分過ぎには白河夜船だ。従ってテレビを見る予定はしていなかった。見なくても中身は大体想像できるからだ。しかし今日、体育の某教員から「10時からのNHK、見るんでしょう」と押し付けがましいメールが入る。加えて電話が2本、自宅に入る。一つは10時ちょっと過ぎ、わざわざ「今やっていますよ」というものだ。迷惑極まりないが期待に応えて仕方なく見ることにした。
・ 「京都掘川の奇跡」と呼ばれる「荒瀬克己校長」はよく存じ上げている人だ。恐れ多いが京都の荒瀬、大阪の木村と一時期は呼ばれ、「公立の教育改革のテーマでパネルディスカッション」をしたこともある。背丈も体型もよく似ているが僕は「ひげ」が嫌いだからはやしていない。お顔はテレビ映りそのままで本校で言えば数学科のT教諭、英語科のT教諭を合わせた感じである。お若いときに顔中ひげばかりだったのはテレビを見るまで知らなかった。
・ こういうものを観たときは「通常とは違うコメント」をしなければならない。「感心しました」だけでは面白くないし、「僕のブログを読んでくれている人に申し訳ない。」からだ。まずこの放映を見た京都府教委と府立高校の校長は「複雑な心境」だと思うよ。心穏やかではなかろうな。一昔前には府立高校が全盛時代で京都を席巻していた。それが学区再編で一挙に低落、東京都と同じ道を辿ったのだ。大阪は逆に何もしなかったから、未だに「公立優位の時代」をキープしている。京都府教委、府立の校長以下教職員、京都府議会は果たしてどうでるか?週刊誌的に言えば面白い。
・ 堀川は京都市立高校市教委が京都市立中学校をすべて傘下に押さえている。堀川はまず京都全府下の全学区から良質の中学生を集めたという人は多い。探求科の看板はこういう場合に有効だ。「スーパーサイエンス指定校」の呼び込みは大きい。大阪で言えば北野や天王寺である。今度出来る大阪市立中高一貫の扇町新校が府立高校に殴り込みをかけたようなものだ。
・ ご自身が組合の活動家であったと言われていたから間違いはなかろうが、リーダーシップはお持ちだと思う。持っているというよりも「そうなってきた」と言う方が正しいかも知れない。堀川の国語教員、市教委、教頭、校長と堀川一本のキャリアだから「もはや誰も堀川の中で、彼には物を言えないのではないか」、時々映る平教員と校長の存在感の差はその辺の理由から来ていると僕は見た。
・ 今日の放映でクラブ活動のことは一切触れられず、最後に夏の野球大会の予選風景を流していたがあれは少しまずい。本質を誤解させかねない。荒瀬校長は「クラブの学校にしない。クラブをやりたければ他所へ行ってください。」と明言されているお方で、やはり学習第一主義の方針である。
・ テレビで「校長の仕事は黒子」だと発言されていたが「それはどうかな?」と感じる。あの人は黒子ではない。僕と同じでパーフォーマンスも嫌いな方ではなく、「やり手」であることは間違いなく、少なくとも通常の校長先生というイメージでないことはテレビの通りだ。
・ 場面最後の方で「プロとはやるべき時にやるべき場所で、やるべきことをやる」(?)というと定義されていたが、これには同意できそうだが、「僕なら結果を出す」を付け加えて欲しいと思う。条件はどうあれ、荒瀬校長の実績は大きいのだから。
・ 後1,2年で定年だと思うし、私学がこのような人を放っておくわけがなく「引く手数多」だと思うが、僕に言わせれば「本当の勝負はこれから」だ。「教育委員会の支援も何もなく、たった一人で乗り込み、財務、施設、教育、生徒募集すべてを背負いながら「やれるか、どうか?」である。「案外(元)公立の校長が私学に来て仕事が出来ない人は多い」のだ。本校でも歴史が証明している。望むなら高給で浪速に招聘しても良い。「来てくれますか?」うちには堀川とはまったく異なる生徒が居ます。教職員の力量は決して負けてはいないと思います。どうでしょうか?「国公立へ20倍」にして頂けるのでしたら、三顧の礼でお迎え致します。
・僕が公立勤務時代、国公立進学をへとへとになって3倍弱に伸ばしたときに対談で荒瀬校長は余裕の面持ちで「理数科がないのは辛いですね」と慰めて頂いたが、過去の堀川の実績、2ないし3人がやっとこさだったの国公立進学者が20倍も伸びるなど校長の力量だけではないことを主体に内容を編成していたら、この「番組は面白いものになった。」筈だ。
府教委と市教委の関係、公立(県立、府立、市立)と私立、の枠組み、そのしがらみの中で「荒瀬氏が率いる堀川がどのように動いたかがポイントだろう。番組最後の方の生徒の環境問題への対応活動は何を言いたいのかさっぱり分からなかったな。NHKらしい編集だ。
・浪速の保護者の皆様、そして教職員の皆様、「浪速の校長は決して堀川の校長には、その力量で負けてはいませんから、ご安心ください。」