2007年11月16日金曜日

11月16日(金)いじめ問題

今朝の朝刊各紙「いじめ12万5千件」
・ 先の「全国小中学力調査結果の発表」についで今朝は「いじめ問題」と「防衛省問題」がトップ面を飾る。防衛省事件は関係ないが、「いじめ」については思うところがある。昨年対比で一気に「6.2倍」に増え、「12万5千件が確認」されたという。最も定義や調査方法を変えた影響がもろに出ているのだが、これはこれでより「現実に近づいたデータ」と評価するか、「このようなデータ意味はない」というのか判断は難しいところだ。
都道府県単位の分析など意味はない。認知件数が前年の125倍になり、千人当たりの件数でも50件を超えた全国一の熊本県など迷惑至極だろう。しかし県教育長のコメントは素晴らしい。「これが実態。実態を反映した数字の方が教員が現実を直視できる。多かったからと言って何ら恥じることはない。」普通言えない言葉だ。2位が福井の36.2件、3位が岐阜の30.1件と続く。大阪府は先の全国学力調査では全国ワースト2、どん尻から2番目であったがこちらは4.3件で全国○位で面目?「本当なの?」という気持ちは片隅にある。
・ 案の定本日の夕刊には渡海文科相が会見で「調査方法の改善」を検討していると明らかにしているが「当たり前だろう」と言いたい。「いじめがないと答えた学校が実に45%もあるなど、お笑い種」でここに学校単位で単にアンケートを取っただけか、聞き取りをしっかりしたかが表れているのだ。分かっておかねばならないのは「学校と言うところは隠すことが習性」であるということである。塀の中で起きていることを自らが積極的には開示しない。「如何に隠すか」がまず頭に浮かぶところだ。
・ 実はこれらの発表には伏線があって、本年2月文科省初等中等教育局長から通知文が全国の首長や教育長に出ており、一昨年のいじめ自殺の痛ましい事件を受け、いじめ問題への対応を改めて「行政指導」したことと、又改正教育基本法が教育目標の一つとして「命を尊ぶ」ことがあり、文科省として批判を恐れて、すばやい行動になったということではないか。
・ 加えていじめの定義を、「一方的に」を削除、「継続的に」を削除、「学校が事実を確認している」を削除、要するに「本人がいじめられたと感じたら、それはいじめと認定」と定義を変えたものである。文科省も変わってきたと私は実感している。
・ 「本校のいじめ実態はどうか」に対しては「本校ではいじめなどありません」という気はない。言える事は「いじめられる子供は最後まで守り抜く」と「いじめる子供に対しては毅然とした対応と粘り強い指導により、いじめは絶対許されない行為であり、卑怯で恥ずべき行為」だと徹底して教えていることだ。それは厳しく対応している。何ゆえ高校生にもなっていじめがあり、いじめられることがあるのか?
・ 記事を読み込む必要がある。統計データでは小学校が6万件、中学校が5万件で高校が1.2万件であるから、大人になるにつれ減少はしてきているのだが、高校でこの数値はまだ高い。義務教育段階での指導が問われるべきだと思う。要は幼稚化しているのだ。成長していないのだ。私はそれを「高校生の幼稚化」と考えている。
・ それよりも高校段階では携帯電話を使った「ネットいじめ」が大きな問題でお互い顔が見えないだけに陰湿ではびこるようないじめが大きな問題となっている。昔のように腕白坊主が顔を見ながら苛めというかいたぶると言うか「カラツ」としたものから完全に性質が変化してきている。私はここを大変心配している。ネットいじめなどこれは社会の病理だ。
 ・「弱いものいじめは絶対許さない。」大体私学を選択してくれているのは様々な理由があってのことだ。公立を避けて本校を選択してくれた保護者からすれば、「私学で我が子がいじめられていると思えばやるせなく、腹立たしく、わが子を守るのは自分しかいない」とテンションが上がり、学校に目線が行くのは当たり前だ。浪高では「いじめを壊滅する覚悟」でやれと生指部長には言っている。