2007年12月19日水曜日

12月19日(水)その2:中学校国語指導

1.浪速中学校国語の新しい指導方針「視写」
・ 本校中学校生徒の国語力は先の全国調査でも、あるいは校内定期テストや外部模試の結果でも表れているのだが、漢字や語句などの基礎的・基本的な知識の習得、定着には一定の成績が出ている。しかし「活用する力即ち思考力、判断力、表現力」などについては全国の中学生と同じ傾向で今ひとつ課題があると考えている。根本は「読解力の不足」である。
・ この力をどのようにつけるか、中学校の国語科は議論を重ねたらしい。その結果が今日の報告だ。結論は「視写」をするという。最初に「視写」と聞かされたとき、「それは何?」と問い返した。「書き写し」のことを言うらしい。「知らなかったなー。」「恥ずかしいなー。」元々はN教諭から出てきた話らしい。
火木土の「朝学習(8:10から8:30の20分間)」に新聞朝刊の1面コラムを用いて原稿用紙のマスを使ってそのマスからはみ出さないように丁寧な字を書き続けるという方法らしい。これにより「良文」に触れ、「集中力」も養えるという。
・ 検討段階では「読書の時間」も話題になったというが単なる読書では目的が不明確になるし、「書くことこそ頭に入る」と結論が出たという。大賛成だ。最初は20分くらいでは書き切れないかもしれないが、これも「訓練」である。昔の人は「四書五経」「儒教」を書写して身につけたではないか。中学は人数も少ないし、「浪速寺子屋」で行け。そう思う。「寺子屋」だ。書きながら今思いついた。「寺子屋」だ。
・ 「素晴らしい話である。」中学校は立派だ。嬉しい。自分も早速「視写」を調べてみた。なんと「文科省の指導集:教師のためのワンポイントアドバイス集」に「視写」はある。視写の効果として集中力、字が上手くなる、文章表現の技法が身につく、表記のルールを覚える,暗誦や記憶に役立つと良いことばかりだ。
・ 更に加えて一日10分で根気、計画性、整理整頓、持続力、自己省察力と側面効果もあるらしい。国語科の教師は本当に良いことに気づいてくれた。
2.「聴写
 ・ところがだ。日本には立派な教師がいるねー。上には上がいるものだ。「視写」をやったベテラン教諭が「聴写」を勧めているのだ。視写は速い子と遅い子の個人差が大きすぎ、また指導しても機械的に書き写しがちになるという。
聴写は文字の保持能力が期待されるという。じっと集中して聴き、脳裡に残した音声を正確に文字で再現する、実に気骨の折れる脳細胞を総動員する作業だといい、中学生の場合、40字から60文字を一気に読み上げて文字化する訓練は素晴らしい効果があるという。
・ 勿論聞き取れない子もいるしさっき読んだばかりなのに頭の中が真っ白な子もいるが訓練で間違いなく力が付くという。
3.浪速中学校方式の開発へ
 ・他件で入ってきた、中学校N教諭に先ほど私がにわか勉強したばかりの「聴写」のことを鼻を膨らませて話したところ「ああ、聞き写し」ですかと簡単に言い放ちました。知っていたのです。考えてみれば、国語の先生ですから当たり前ですよね。「視写でも聴写でも良いから新しいことにトライして欲しい」。ここから又見えてくるものがある。
・ 折角ここまで中学校の意識レベルが上がっているのだ。何とか「国語教育の手法開発」を期待したい。「浪速中学校国語教育の成果」とか、「浪速寺子屋方式の奇跡」とか「本や雑誌」くらいに載せれるようになって欲しいね。出来るはずです。