2008年1月22日火曜日

1月22日(火)管理職論

1.今朝の管理職会議
・ 中学の入学者予想が2クラス分を超えて3クラスになりそうな入学金納付状況だ。「嬉しい悲鳴」である。「3クラスなら新中学1年生の担任は当然3名必要」。「誰にお願いするか」、副校長が頭を絞って考えている。中学生はまだまだ「か細い」ところがあり、「中学校教育は難しい」。虎の子の中学生だ、慎重に考えていかねばならない。
・ 来年度の「入試広報室体制」について若干の議論、今年の成果をベースに来年度の要員を決めなければならない。現時点で確定しているのはベテランの先生が1名ご退職で後任には現在大阪市立中学校の校長先生を「新規採用」することだけだ。
・ 今後については様々な意見が出ており、今後継続して議論することとした。「改革2年目が重要」であり、思い切った交替は「危険」である。さりとて新しい人材も育てなければならない。「外部に出して役立つ人材」はそう簡単にはいない。居るにはいるがそういう人を出せば肝心の内部がお留守になるし、難しいところだ。
・ 高校入試の1.5次募集について戦略的対応を教頭が提案。了解した。
2.管理職論
 ・ 昨日、今日と朝会で管理職には厳しく指導した。私の言葉で「管理職とは組織に楔を打ち込むのが仕事」と。同じことを続けるなら管理職は要らない。教員だけの賛否で物事を決め、運ぶならば、それはそれで全く問題ない。しかしそれでは学校は変わらない。「変えるという行為にこそ管理職の出番や仕事がある」と。
・ 今や全国の公立小中高などの校長や教頭などが自主的に一般教員などに“降格”となる「希望降任制度」を利用している人は例年増え続けているという。1990年代後半頃から各地で始まり、06年度には全国41都道府県と12の政令都市が導入している。大阪府も確か2005年度から制度化した。
・ 文部科学省の調査によると06年度全国実績で過去最高の84人が降格を希望したという。うち62人が教頭。「長時間労働が強いられる」とか、「初めて経験する管理業務にストレスを感じたり、自分が管理職に向かないと思い込んだりする」ことが原因としている。長時間労働が嫌だなんて信じられない言葉で、そもそも選任が間違っているのではないか。
・ 校長から一般教員への希望降格は8人で、当然ながら校長から教頭へはゼロである。私学の統計データは手元にないが、「これよりも大きな数値」であることは間違いない。ただ私学の場合は「希望降格」というより「更迭降格」が圧倒的に多いと思う。昨年だけでも挨拶状を受け取った学校は極めて多い。
・ 即ち私学は公立と違って理事会の意向で「経営運営責任を問うことか出来る」ことが可能であり、ぼんくらな管理職であれば「学校が危機に陥る」のは直ぐで、組織を守るため更迭することはままある。本校では制度としての希望降格制度はないが、昨年ご本人の強いご希望で教頭から一般教諭に降格したケースがある。これが初めての例ではないか。
・ これはご本人に瑕疵があったということではなくて、3年一区切りで責任を果たし、「まだ40台と若いし、もう一度担任となって生徒と触れあいたい」との希望を私が受け入れたものだ。慰留をしたがご意思が固くて、最終的に了解した。今、現場で「良い仕事」をしてくれている。
・ 朝会で私は言明した。学校の進化を教職員の先頭にたってやりきれない人は自ら降格を希望して欲しいと。現在の管理職は事務長を除いて、昨年2月、着任後の面談を通じて、年令、職務経験等を考慮し、教員からの評価も参考にしながら、「管理職を張れる人物」と見込み、打診し、結果的に彼らが「受け入れた」ものだ。時間的余裕がなく、断ってきたら「自分が兼務する覚悟」であった。
・ 公立学校勤務時代は「教頭になり手がいない」ことが話題になったりする。寂しい話だがそういう時代になったということだろう。忙しい、責任は問われる、その上「給料は安い」では誰もなり手が居なくなるのも分かるような気がする。私は管理職の給与をなんとか上げてやりたい。民間企業から公立高校の校長に就任した時、その給料の安さに驚いたものだ。その代わり「成果や経営状態によってはまず最初に給料ダウンとなる。」当たり前のことで、是を管理職という。
・ 管理職に「年俸制を導入」したのも私だ。1年経ったら号俸が自動的に上がるなど有り得ない話だ。恐らく日本の私学で管理職の年俸制を導入しているのは本校のみではないか。
・ 管理職とは一般教員でもなければ、「教員の延長線上にあるものではない」。完全に分岐した別の線路の処遇システムでなければならない。基本的には教職経験があれば好ましいが絶対的必要条件ではない。逆に言えば「学校の管理職には長い間の教員としての経験から来る守旧性、鼻持ちならないプライド、視野の狭さ」が時に改革の邪魔をする。
・ 元組合員だろうが非組合員であろうが、そんなことは関係ない。それを言えば公立の校長や教頭は圧倒的に元組合員である。卒業式の「歌・旗大反対」と声を張り上げていた人が、いまや教員に向かって「私の責任でやります。」と言っている時代だ。
・ 管理職とは「ビジョンを明示し、組織をまとめて、個々の構成員に役割分担を与え、人材を指導育成しながら、組織としての成果を上げるために計画を立て、実行し、結果を分析し、計画を見直し、次に移るという管理のサイクルを回せることの出来る人」が木村流の定義である。
・勿論部下を追い回すだけが管理職ではない。「いとおしく思ってくるようにならなければならない。」仕事では厳しく、仕事を離れたら「部下を可愛がる」気持ちが大切だ。この気持ちが伝われば、部下は上司についてくる。 結局最後は人間性だ。「管理職の品格」と考えれば良い。私ももって「自戒」していきたい。
・ 1年経って「自分は管理職の器にあらず、教科で生きて行きたい」というのであれば,理事会側としては「それを受け入れる用意がある。」と言明する。しかし今の管理職は「総じてよくやってくれている。」しかしこれで良いと思ったら、進化は止まる。「心を鬼にし進まねばならない。」「管理職とは辛い仕事なのである。」「今まで頑張ったから、ようやく管理職になれた。これからはゆっくりやろう。」とはいかないのである。「ご褒美に与えられた名誉職ではない。」
3.広報情報委員会 新メンバー
 ・本年度常勤講師で頑張ってこられた「社会科のG先生」に依頼し快諾を得た。この先生なら誠実にフットワーク良くやってくれるだろう。なによりこの先生はスポーツで鍛えた「気配りの人」だ。見事にやりきれば「将来は開ける」。頑張って欲しい。
 ・しかしあくまで分掌の仕事は副であり、教科指導力が問われる。もうすでに過日のセンター試験問題は彼なりに分析し、自己の教科指導力を高めてくれていることを期待する。
4.本年度末の退職希望者との最終確認面談実施
 ・管理職人事、分掌主事人事、退職人事について「2月1日に内定発表する」ことで最終的確認や事務処理中で、大体整理できた。「思い切った組織の若返り」となろう。