2008年4月27日日曜日

4月27日(日)海外修学旅行

来年度海外修学旅行の概要決定
・ 現在の1年生が2年生になったときに実施する「修学旅行先」は本校「初めて海外」とした。85年の歴史で初めてのことであり、「画期的」なことであることは間違いない。これは完全に私が「校長方針として決断」したものだ。
・ 成長発達過程にある生徒たちに「日本以外の国を体験」させたいと強く感じていたからである。「グローバル」という言葉の響きが陳腐に聞こえるくらい今や国境は溶け始め、もはや同時期に「世界で同じ情報が駆け巡る時代」だ。何時までも「北海道」ではあるまい。あれほど英語を教えながら「英語圏を知らない」というのも考える。
・ 物見遊山ではなくて「外国の地を自分の足で立つ」「国際理解教育」「異文化の体験」だ。将来、大学や社会に出ても海外に行く機会はあるだろうが、「高校生の時に体験することが意味ある」ことと考えている。私の高校生の時の修学旅行は確か東京だったか思うが記憶がもう定かではない。
・ 初めての海外は26歳の時、業務出張でスイスを中心としてヨーロッパだったが、たった一人で外国の地に降り立ち、とても緊張したことを覚えている。今でも記憶が鮮明だ。大変勉強になり、その後の多くの海外経験に礎となったことは間違いない。
・ とは言いながら、「生徒を海外に出すことは当然怖い」という感情」も内心にはある。「無事に行き、帰ってきてくれるか」などと心配する気持ちは日々に大きくなるが「ルビコン河は渡った」。ベストを尽くして「成功させる。」「総責任者の学年主任も信頼にたる人物」で不安はないが、何しろ「619人とい大部隊」だ。今からしっかりと準備しなければならない。
・ 行き先はアメリカにしたかったが、やはり「テロ」に巻き込まれる可能性の高さを考えた。私立のU高校は全員揃ってドイツだ。サンフランシスコ、シアトル、バンクーバー、ロス、ボストン、ニューヨーク等色々と考えたが最終的に「オーストラリア」とした。ハワイは機材が便利と言う声もあったがそれは即座に「却下」した。リゾート地はまずい。
・ とにかく人数が多いから方面は2グループに分け出発だ。「ケアンズ」コースと「ブリスベン」コースで、共に4泊6日、ケアンズは世界自然遺産(最古の熱帯雨林)と自然体験、ブリスベンはタンガルーマ/モートン島周辺のこれまた自然体験だ。
・ 旅行扱い会社はケアンズコースが「JTB」,ブリスベンコースが「近畿日本ツーリスト」とした。5社見積もりで公平に評価し、尚且つ今回は経験の多さと、この2社は現地に支店があることも考慮に入れた。24日、両社の幹部に来てもらい、私から「正式な内定通知」と「成功にむけての協力のお願い」をした。
・ 英語集約コースでカナダでのホームステイ経験はあるのだが、生徒数は30名そこそこで来年の619人とは規模も違い、問題は海外修学旅行経験のある教員が少ない。初めてだから当たり前のことである。従って準備のためには「下見」をしてまず教員自ら「生徒の目線」で動いてみると「見えてくるものがあろう。」これは重要だ。
・ タイミングはこの夏休みしかない。教員も予定があって大変だろうが「公務優先」だ。各類から修学旅行委員をこの8月末に行ってもらうこととし、26日朝一番に全員に集まって貰い、私の考えを伝えた。数は総勢6名とした。少し多いと考えることもできるが、初めてのことだし、「念には念を入れる」ということである。8月17日から出発して貰う。
・ 勿論、飛行機が駄目な生徒もいるし、海外嫌いの生徒もいるだろうから「受け皿」として国内「北海道」も残している。連休明けに希望調査をとる手筈である。それにしても今回の計画には苦労した。
・ 世界的なオイル高を受けて、航空会社は「燃料費の高騰」に悩まされ、次々と効率の悪い路線の縮小と機材(飛行機本体)の小型化に入っている。従って一度に機上できる数は180人前後であり、生徒数が多いと「まとめるのに大変」であったが学年主任は知恵を絞ってまとめてくれた。苦労したろう。
・ 出発地も「関空」主体であるが、なんと1グループは「中部国際空港出発」である。空港までは西名阪をバスで3時間かけていくことになる。どのグループかはまだ決まっていない。来年の出発日は第一便が5月24日、第二便が翌25日となる。従ってグループとしては科類で集約することになろう。
海外修学旅行の歴史
・ 修学旅行の淵源は定かではないがものの本によれば古く「江戸時代の社寺参り」が始まりとされる。明治8年栃木県矢板の小学校が寺山観音に初詣、10年には東京の私学が芝公園の博覧会見学と記録にはある。
・ 戦後の復活は昭和21年、山口県の厚狭高等女学校が松江大社方面、群馬県高崎商業が日光に行ったとある。昭和30年代になるとほぼ全国規模となり修学旅行専用列車である東京発の「ひので号」、大阪発東京行きの「きぼう号」などが有名である。
・ 海外修学旅行は明治末期から大正以降に「満韓(満鮮)旅行」と言われた満州、朝鮮半島方面で主に九州山口県の学校であったらしい。戦後は昭和47年に私立の2校が韓国修学旅行が最初という。
・ 少しデータが古いが2005年度の全国公立高校4082校中、海外修学旅行を実施しているのは410校、私立高校は1321校中441校という。旅行先は圧倒的に「オセアニア地域でオーアストラリア、ニュージーランドで全体の1/4」を占める。
・ 大阪府内で言えば、「公立192校中41校、私立高校94校のうち42.6%の40校が海外修学旅行」である。今はもう少し増えているかもしれない。圧倒的にオーストラリアとニュージーランドだ。
・ 今回成功すれば夢は広がる。カナダもあるし、アメリカ本土も視野に入っている。韓国中国、台湾と言う声は聞かないが結構人気のスポットというが私は「英語圏」にこだわっている。下見教員6人のうち3名はたまたま英語科の教師ですべて女性だ。後の3人は理科、国語、美術の男性教師で『グッドコンビネーション』と考えているが「仲良く行ってきてね」と願うばかりだ。