2008年4月13日日曜日

4月13日(日)橋下知事頑張れ!

・ 橋下知事が改革対象で、「民営化の方針」を打ち出した「府民牧場」を訪問したと今朝の新聞記事にある。子どもから「なくさないで!」と訴えられた知事は口ごもったという。子どもにこういうことを大人は言わせるべきではない。
・ このマザー牧場は私も一度行ったことはあるが、ただ広くて、企画ものは少なく、一度行けば十分で、「リピーター」にはなれない。もう少し運営に知恵が有ってよい。「ユニバーサルスタジオジャパン」にしようと思えば「民間の知恵」だ。私は民営化に賛成である。
・ 4月11日の夕刊から12日の朝刊は極めて大きく、此処最近全くないような大きさで「大阪府橋下改革プロジェクトチームの最終案」を詳細に報道している。08年度に1100億円再建を反映させるために、7月の臨時議会に提出する本格予算案に反映させるとしている。
・ 各紙はそれぞれに特徴ある見出しである。朝日は「暮らし直撃反発続出」、日経は「「聖域なし、賛否交錯」、読売は「福祉、教育、府民に激痛」などと報じているがどうもまだ、強い批判的論調ではない。
・ マスコミはマスコミなりに「府民の動向」を注意深く探っているのかもしれない。私はやはり「日経新聞」を評価する。極めてニュートラルな抑えた記事の扱いであり、府民に考えさせる記事の構成だと感じる。
・ 朝日は些か批判的に感じる。「文化の行方は・・」「子ども笑えない 職員汗かけない」 「生死にかかわる」とかいささか大げさだ。1面見出しも「人件費400億円削減」と真正面だ。
・ 今回の「改革案のポイントは警察官、教職員を含めた大阪府公務員の人件費削減」がポイントであると記事を読むべきである。これがなされたら他の項目は「反対の声」も消え去るか、間違いなく小さくなる。「果たして知事がこれをやりきるか否か」だ。
・ 地方自治体の財政悪化を背景に各自治体が打ち出す大型の財政削減計画ではまず「人件費」に手を付けるのはいずこも同じである。丁度大阪府の借金を6000億円も上回る5兆6000億円の公債残高を抱える北海道は2年間で1800億円の収支改善を目指し、「全職員給与の10%カットで1000億円を抑制」したとある。大阪府の改革チームは恐らく「北海道を勉強」したに違いない。
・ 隣の兵庫県も08年度から年平均1100億円の収支改善で大幅な人件費削減を実施中だ。大阪府の案では記事にあるように暫定予算期間を除くと年間ベースで450億円から600億円規模で、仮に年間600億円の削減であれば「府の職員の年収は約10%減の703万円」になるという。
・ 問題は10%ではなくて「703万円というレベル」の話だ。これを「安いとみるか高いと見るか」が世論の分かれ目であろう。しかし各紙の記事に府の幹部の意見で「これでは士気が上がらない、良い人材が確保できない」と早速反対論が出てきている。
・ 私は「私学経営者」として私学助成金の影響を受ける身だし、そのような立場ではないから、この改革案に対して「今反対、賛成」とは言わないけれども、橋下知事には頑張って欲しいと思う。しかしそれにしても寂しい限りだ。府の幹部までが「夢も希望も無い」と反対とすぐ切り返すのだから、「やるせないわなー」どういう真意なのと聞いてみたい。
・ ワッハ上方、府立体育館など「無くされるほうが反対なのは当たり前」で賛成などというわけが無い。私学助成金も乳幼児医療もハコモノも35人学級もすべて突き詰めれば「人件費の問題」である。大阪府の職員が自らの人件費で血を流せば他は「知らん振り」というわけには行かない。
・ 今後労働組合、市町村長、各種団体などの反対論が沸騰するか、どのような道を辿るのか、注意深く見ておかねばならない。財界までが「いささか急進的?」的な感じであるとのコメントが出ているが、私の見方は「項目の取捨選択が問題で改革自体は大賛成」なのである。逆に大阪市の平松市長には「もっと真面目にやれ」と財界がお叱りをしたと最近の記事にあったが、これには笑ってしまった。
・ 問題は「府議会与党の自民・公明だ。彼らがどう動くか」が分水嶺だ。府議会与党が反対に回ったら「終わり」だろう。おそらく折衷案、即ち、「緩和策」が打ち出されるのではないか。そして選挙民には「知事の暴走を止めました。しかしここまでは仕方がありません。夕張市にならないためです。」ってところで手打ちとなる。「脚本が見えている」ような気がする。
・ 一つだけ知事に言いたい。「やり方がまずい」「いささか卑怯だ」。弁護士的で裁判官的だ。これではいけない。「案はすべて改革チームの考えです」「大いなる議論を期待します」「最後は私が決めます」というスタイルだ。
・ 長自ら「熱く語らねばならない」「資料を振りかざして府民に直接こうしたい!」と語らねばならない。テレビのバラエティ番組に出て東国原知事と語っている場合ではなかろう。
・ 改革チームは「知事を守ろう」として「これは我々の案です。最後は政治判断で・・」と言っているがそんなことではパワーは出ない。与党も府民人気の高い知事の直接歯向かって「抵抗勢力のレッテル」を張られるのは困るし、今後の大阪府を舞台にしたドラマが「小泉劇場ならぬ橋下劇場」になるのか、今後とも毎日、注視が必要だ。場合によっては抵抗勢力に「刺客を放てばよい」。木村政夫氏はこの際、「議員の数も減らせ」と好いことを言っておられる。
・ 個人的には私学助成金が減らされたら減らされたで「与えられた条件下でベストを尽くす」以外にない。府の公務員が給与減少で頑張るというのなら「浪速は私学助成反対」という気は全く無い。
・ 手立ては「更なる経営の合理化がまず最初」、そして最後は授業料の値上げをお願いせざるを得ないだろし、100以上ある私立学校はそれぞれの事情があり、一つの公式で問題が解けるわけではない。
・ 「 浪速の心配は私がする」。橋下知事には大阪府の事だけを心配すればよい。今までは誰でも出来る。「問題は胸突き八丁のこれから」だ。知事には頑張って欲しい。「正念場が来た」。