2008年5月18日日曜日

5月18日(日)中国四川大地震

中国四川大地震
・ 言葉がない。本当に痛ましい。今朝の朝刊の伝えるところによると死者は29000人を超えていると言う。まだ1万人以上が「生き埋め」という。生死の境目は72時間と言われているらしいが、すでに120時間以上が過ぎ、その時は過ぎた。私は「生き埋め」という言葉に戦慄を覚える。最も悲惨で冷酷な死に方ではないか。
・ 「2次災害」で「ダムが決壊する恐れ」があるという。土砂崩れにより川の決壊の危険性が日々増しており、風評などで多くの人々が退避する騒ぎも起きている。中国は水力発電が主体でダムの数も多い。
・ 記事によると、辺りには異臭が漂い始め当局は懸命の消毒作業に当たっており、防疫チームが数多く編成されているが、80万頭のブタと1250万の家禽が死に、水がないから糞尿が散乱し、食事の食べ残しなど見た目も当てられないと言う。もはや「地獄図」だ。
・ 「日本の救助隊」も現地に入って一生懸命対応されている。韓国、ロシア隊も入り、とにかく一人でも二人でも救い出して欲しいが日本隊はまだ成果を上げられていない。それほど「ぺちゃんこ」で事態が酷いということではないか。隙間などないのだ。ファイバースコープなど差し込む穴さえないのではないか。
・ 競技会ではないが「何とか一人でも二人でも日本隊が救助して欲しい」と思うのは私だけではないだろう。それにしても現地に入るのが遅かった。
・ 「おから工事」について政府も認めたとある。今朝の記事には総工程師のコメントとして「セメントや鋼材が少なく」コンクリートも十分でない「レンガを積み上げただけの工事」が「学校の校舎」を中心として大きな被害になっているとしている。
・ 誰もチェックしない学校の校舎では「汚職」で材料を抜き、「工事を手抜き」している中国の腐敗の構図が今回明らかになってきている。「耐震基準の見直し」に入ると中国政府が言っているとあるが、基準を見直しても問題は工事管理と監督だ。
・ 日本の「姉歯事件」と同じだ。鉄骨を抜き、柱を少なくすればどんな良い基準を作ってもこういうことになる。それにしても中国官僚の腐敗は驚くばかりだ。一党独裁政権では歴史的に東欧でもどこでもこのようになるのか。腹が立つ。それにしても「徳の国中国の道徳観の廃れ」は酷いが日本も人事ではない。
・ 今回の地震で四川省では22000の小学校中学校で「1/3が倒壊」したという。授業中であったから被害がこれだけ酷いものになった。人口抑制で一家族あたりの子どもの数を抑えているから子を失った親は悲劇である。
・ 早速日本でも動きが出てきている。渡海文部科学省は16日の会議で「非常に重く、深刻に受け止めている」と述べたと言う。「国内の校舎耐震化を加速する」為に検討をするとの方針を明らかにしたと新聞は報じているが「検討する方針を明らかに」しただけで「する」とは言っていない
・ 文科省の発表によれば昨年4月段階で国内の公立小中学校は約35%の45000棟余りが耐震性不足とされており、「既に分かっているのに、いまさら検討する」だからまあ何を言っているか分からない。
・ 耐震化工事は国が費用の1/2を補助してくれるらしいがどうも上限数値もあるみたいだし、「私学は大体どうなるのだ」と言いたい。昨日事務長と主査を呼んで私学課などに問い合わせて「情報を整理するよう指示」したところだ。私学は自らが動かないと情報も入って来ないし、誰も心配などしてくれないからだ。
・ 財政赤字の大阪府もあとの1/2の財政支出がしんどくて「手を出せない」面もあるのではないか。大臣は「地方には地方の事情があるがこれで良いのか検討を加えたい」とのんびりしたことを言っている。
・ まあ中国の地震の騒動が落ち着きオリンピックでも始まれば「又誰も地震のことなど口にしなくなるだろう」ことは想像にかたくない。「そんなものだ。」しかし本校では「しっかりと、ぶれずに予定通り進めるだけ」だ。
・ 何時来るか分からないが、万が一20年後あるいは30年後に今回と同じような南海沖大地震が来ても「浪速中学高校の校舎だけはびくともしなかった」と言われるようにしておきたい。その時に働いている教職員と生徒の「皆から感謝される筈だ」。
・ 感謝される対象は建設したときの教職員すべてだ。個人名ではなくて「偉大なる先人」ということになろう。それで良い。例え私がどういう事態になっても「この意思」だけは受け継いで言って欲しいと思うばかりである。