2008年6月12日木曜日

6月12日(木)伊勢神宮

神宮・伊勢神宮崇敬会
・ 今日は伊勢神宮に出張である。「平成20年度神宮・伊勢神宮崇敬会参与、評議員会」が開催されるため、出席しなければならない。本年3月改選が行われ評議員を委嘱されたものだ。
・ 初めてのことで勝手が分からないが、朝早く鶴橋から「近鉄特急で宇治山田駅」へ。車を飛ばし「神宮会館」に着く。全国から参与評議員が500名近く参集されており、「神宮大宮司鷹司尚武氏の開会挨拶」から始まる。皇室に繋がるお方だ。
・ 神社神道系の学校に勤めているから徐々にこのような仕事が回ってくる。元々神道精神には大きな関心があるため、興味が尽きない。要は「好き」なのだ。本当に勉強になる。「大宮司の呼称」は伊勢神宮のみに許されるもので一般の神社は「宮司」である。私の執務室にある扁額も「徳川大宮司の書」になるものだ。
・ 南坊城職務代理は「伊勢神宮における一般の神職の最高職位は“小宮司”」と言われていたが、要は全国神社の中でも「伊勢神宮は別格中の別格」なのである。神宮には「祭主」というかたがおられ、現在は「池田厚子氏、天皇陛下の妹君」だ。
・ 「崇敬会会長はトヨタ自動車の名誉会長の豊田章一郎氏」でとにかく全国通津浦々から錚々たるお方が集めっておられる。議事は事業計画、予算、人事等は提案承認され、粛々とすすめられた。
・ 特に今は平成25年にクライマックスを迎える20年に一度の「第62回式年遷宮」の準備時期に当たり、この4月25日には一般の地鎮祭に相当する「鎮地祭」が斎行され、徐々に盛り上がっている時である。
・ 19年度は年間700万人を超える国民が「お伊勢参り」をしたと報告にはあるが、すごい数値だ。「赤福事件」の影響はなかったのかなと不届きな想像をしたりしてお話を聞いていた。
・ 式年遷宮は持統天皇の御世690年に始まり1300年にわたって脈々と続いており、日本の文化そのものだ。日本書紀、古事記の昔から続くもので我々は「日本という国体を護持」するためにも後世に繋げていかねばならない。
・ 第62回遷宮の時期に評議員として一隅で関与できる幸せを感じながら、出来る範囲で一生懸命努力して参りたいと決意を新たにしている。夏休みには高校1年生を対象の「2泊3日伊勢修養学舎」がありこれも更に良いものに仕上げていかねばならない。
神社奉仕
・ 何時もこの時期になると本校に府内神社数社から「奉仕」のお誘いがある。もう何十年も歴史がある今や夏の本校の風物詩だ。具体的に言えば「神社の夏祭りの神輿の担ぎ手のアルバイト」だ。数も延べで180名近くなる。時給は結構高い。
・ アルバイトと言って終えば「見も蓋もない」が要は神社神道の学校として具体的にお宮のお祭りに参加して「五穀豊穣を祈り」、「地域住民と神社の関係」を肌で感じることは十分意味あることと学校は理解している。
・ 問題は神社によって人気の差があることだ。長年の伝統だから先輩に引き継がれて生徒はその神社のことを大変良く知っているのだ。「行きたい神社」と「行きたくない神社」だ。
・ 行きたい神社は、これは大人社会でもそうであるが「仕事が楽でアルバイト料の高いところ」である。ところが大体神社間で相場が決められているとは言っても「内緒に上乗せ」があるところがあって、「あそこは分が良いよ」などと言い伝えられているらしい。
・ 神社の中には終わった後で生徒を並べ「スイカでも食べるか」と言って優しく対応して追加で図書券など呉れたりするところもあり、又そうかと思えば「それ働け、それ働け、何で座っとんねん」と追いまくるところもあるらしい。
・ 一人の担当教諭を当て嵌めているのだが6月初旬から一斉に「生徒募集」に入る。しかし人気の神社は「すぐ埋まる」が人気のないところは、一向に埋まっていかない。だから担当の先生は最後には生徒に「来てね」と頼むか、思い余ってクラブの顧問に額を擦り付けてお願いするらしい。
・ 学校としては『神社で差はつけられない』から校長は担当にプッシュするのだ。しかし府内に数多く神社があるがいずこの神社も「お神輿の担ぎ手」に困っているという。若者が居なくなったというのだ。浪速高校の生徒に注目せざるをえないのも分かるような気がする。
・ 昨年着任時にこの神社奉仕の話を知り、驚いたがとにかく「授業は休ませない」「深夜までは拘束しない」「安全を確保する」「保護者の同意を要する」等矢継ぎ早に体制を整えた。特に驚いたのは「災害保険に入っていなかった」ことで体が身震いしたものだ。何かあった時にどうすると思ったものだ。
・ 特に大阪天満宮の天神祭りの「御鳳輦」(ごほうれん)講と言われる手車引きは本校のラグビー部の部員であり、又白装束に身を固めて烏帽子を被って列の先頭にたっているのも本校の生徒である。テレビに映っているので観てやって欲しい。
・ 担当教諭のこの仕事は大変である。生徒をちゃんと集め、事故なく見届け、最後まで監視する仕事は並大抵の気苦労ではなかろうか。こういう仕事を馬鹿にしてはいけない。私はこういう先生を大切にする。一度神社庁長にお願いして「表彰状」を発行して貰いたいと考えている。