2008年6月16日月曜日

6月16日(月)教員採用汚職

教員採用で数百万円
・ 今朝の朝刊2紙が報じている。「贈収賄で校長ら逮捕」とある。大分県警は「公立学校の教員採用」を巡り数百万円のわいろを授受したとし14日の夜、「収賄の疑いで県教委の義務教育科参事(52歳)」、「贈賄の疑いで私立小学校の現職校長(52歳)他を逮捕」した。
・ もう一つの新聞の見出しは「わが子も教師に」と些か揶揄した表現であるが、この校長ともう一人の県教委参事の妻が同期採用で親しく(現役の教頭)同じ学校に勤務したこともあるらしい。この伝から妻が夫に頼み、この夫が県教委同僚の採用試験で面接官を務めたもう一方の参事に頼み「お金が動いた」と言うのだ。
・ 完全に仲間内の「ぐるぐる回し」であり、酷い話だ。逮捕された男3人はすべて52才だ。分別のある年だろうに・・。一生懸命頑張って受験した一般の教員志望者はこれでは浮かばれない。
・ 大分県の昨年の採用試験は472人が受験し、この校長の長男と長女を含む41人が合格したとあるから、相変わらず「10倍を超える狭き門」だ。面白いのはこの長男、過去2回は不合格で3回目の受験とわざわざ記事にしているところが、私の想像を掻き立てる。
・ この息子、余程出来が悪かったのか知らないが、もう親は「どうにかしなければ、合格など覚束ない」と思ったのか。長女の年令は書いていないので分からないが新卒とすると話しは分かり易い。長女が受かり、息子は3回目も落ちたら息子と長女は「逆転現象」となり、親としては「不憫」と感じ、この際「お金で買っちまえ」となったに違いない。相撲の年寄り株でもあるまいし。
・ 数回に亘って現金や金券など計数百万円を「便宜を図ってもらうため」に賄賂として贈ったのだから公務員として間違いなく逮捕の4名は「贈収賄の罪」である。数百万円で長男長女の「教職身分」が買えるとするなら「安い買い物」と考えたのだろうが、世の中はそう上手くは行かない。
・ 逮捕の4人は恐らく懲戒解雇で退職金も無いだろうが「身内に甘い公務員」だから、ひょっとしたら退職金はあるかも知れない。親はこれで良いだろうが、問題は子どもだ。不正採用だから「合格は取り消し」になるのかどうか分からないが、一生「贈収賄での合格教員」と言われかねない。これは地獄みたいな辛い話しだから「もはや公立の教員を続けるのは無理ではないか」。
・ どうして「露見したのだろう」であるが、間違いなく「内部告発」であろう。県教委の内部告発もあるだろうし、不合格になった学生から「おかしい、なんであの出来の悪いのが受かって、私が落ちるの?親が校長だから教育委員会も合格にしたのよ!」などとマスコミなどに流せば持たないかもしれない。
・ この子どもが今回のことを親に頼んだとは考えにくいが、親の責任で子どもの人生を台無しにするのも可哀想だ。こういうのを、今は差別的表現だから使うのは良くないが敢えて言えば「盲目的親の愛」とでもいうのか。私は若い人が大好きだから、「出直せ」と言って「激励」してやりたい気がする。
・ 「私学も気をつけなければならない」。3年前、大阪府教委の教育監という要職にあった人間が私学の経営者から「非常勤講師の採用の口利き」に応じ、30万円以上の高級お仕立券つき背広地を受け取って贈収賄事件となり「大阪の教育界を震感させた大事件」があったがとにかく教員採用には「職務権限」を有している人間は気をつけなければならない。
・ 本校では私と理事各位、副校長以下管理職がそれにあたる。中でも採用センター長として「筆頭副校長・高校教頭は直接の人事採用責任者」であり、気をつけなければならない。まあこの先生は大丈夫だ。謹厳実直、正統派の教員だし大体、人間に「品格」がある。若い人は知らない言葉だろうが「人品骨柄卑しからず」だ。卑しいやつがおかしなことをする。
・ 本校は常勤講師の先生方にとっては「大いなるチャンスのある学校」である。それは「専任比率が極めて低い」からである。なるべく早い段階で専任教諭を多く採用していきたいと考えているが、これは「本校の採用基準」に合致しているかどうかで決まる話しだ。
・ 現在能力、将来ポテンシャル能力、意欲、姿勢、体力、協調性他「総合的に判断」して「副校長が原案を作成し私が最終的に決済」することになる。必要とする教科等で「運不運」もあるだろうし、少なくとも「好き嫌い」「背の高さ」「体重」「容貌」「タバコを吸うか否か」等で決まる話しではないし、「公平に公正に」決まっていくだろう。
・ 学年主任や分掌主任、科長、類長などが「常日頃見ている」だけに副校長から意見を求められれば「意見具申」するかもしれない。多くの目が注がれており、そこには不正の形は出来ない。誰が見ても本校には合わないという先生を採用したら、「不審な目」が注がれるだろう。
・ 本校では「教職員間の物品贈答およびPTA保護者からの物品の受領は厳禁」している。その昔、某教諭が二人ほどお中元を贈ってきたが「突き返した」記憶がある。私が時々招待して一杯飲みに連れて行く「お礼」だというから「御礼は仕事で返せ」ときつく言った。「部活動顧問も保護者との関係」に気をつけなければならない。
・ 「結婚式への出席」もおめでたい慶事ではあるが、常勤講師の先生の「結婚式へのお誘い」については「私は出席を遠慮」させてもらっている。専任教諭はまったく次元の違う話で喜んで出席させて貰うが、1年契約の常勤講師の先生の、例え慶事だからと言って「私的な密な関係を避ける」ことを決めている。
・ 「それはそれ、これはこれ」という意見があるのは十分承知しているし、「腹の小さい奴だ」とそしりを覚悟して決断した話だ。主賓で出席し、「将来を祝って」おいて、年が明けたら「お世話になりました。契約は打ち切ります」では当方も先方も辛いからである。
・ 昨年結局ご縁が無く、ある3年も勤められた常勤講師の先生との契約が切れたのだが、先方の奥方から某管理職に電話があり「結婚式にまで来て頂いたのに何故ですか」と言われて結婚式に出席した管理職の先生方は困ったそうだ。前の校長以下管理職総出でその先生の結婚式に出席したそうだが、先方の奥様の気持ちは分かる。
・ また一見有力ぶっている教員が「私から校長に言って専任になれるよう口を利いてあげますよ」と言いながら、個人的に夕食などに誘い「妻や子もある男性教員が独身女性常勤講師に言い寄る」のは典型的な「対価要求型セクハラ」で事実が判明すれば、間違いなくこの教員は「厳しい処分」が待っているだろう。
・ 今年は多くの独身女性講師の先生方が来られている。独身男性教諭にとっては「状況だけは有利だし・・・?」バンバン、「勤務時間外に青春を謳歌」すれば良いが、「妻帯者が本校女性講師に変なこと」をしたら絶対に私は許さない。
・ 「物の本」によれば、大体彼らのいう手段と言葉は決まっているそうだ。「相談にのるとかなんとか言い」、個人的に食事に誘って「家がうまく行っていない、家内とはもう駄目だ」とまず言い寄るそうだ。常勤講師の独身女性もそれに「ひっかかっては駄目だ」よな。
・ 教員採用はもっと「カラッ」とした「公明正大」で「オープン」でなければならない。言い方を変えれば私学であるだけに転勤などもなく一生一つの学校で働き続けるのだから「人事採用権者はその学校そのもの」と考えることが出来る。
・ 今私が目指しているのは「そのような道」だ。専任教職員、皆が「その目で見る」という意識が重要だ。本校に合わない教員を40年間に亘って雇用することは学校にとって「壊滅的な大事」なことなのである。