2008年7月2日水曜日

7月2日(水)わいせつ教師なぜ急増

わいせつ教師なぜ急増
・ 今朝の新聞の片隅にも小さな記事がある。熊本県で中学校教師35歳がクラブの指導で女生徒数十人の体や胸を「筋力トレーニングやコリをほぐす」と言って揉んだり触ったりして懲戒処分になったという。校長は減給、教頭は戒告処分だ。実名は報道されていない。                        
・ 産経新聞は30日、1日と連続し、力を入れて「わいせつ教師なぜ急増」と報道している。とにかく今年に入って「教え子に対するわいせつ行為」で逮捕されたり処分されたりする教育関係者が相次いでいる。まず大阪市では今月27日私立中学の剣道部の顧問が平成8年から10年にかけて部員の女子生徒にセクハラを繰り返したとして懲戒免職になった。
・ 5月末には名古屋の市立中学の男性教諭が相談に来た女子生徒にキスをしたとして停職6ヶ月の懲戒処分となったが教諭は処分直後に「一身上の都合」で自主退職した。また4月には滋賀県教委の主事が県立高校の教諭だった17年に当時の教え子にわいせつ行為をしたとして「県青少年健全育成条例違反」の容疑で逮捕され懲戒免職。
・ 和歌山県でも県立の高校教諭が顧問をしているクラブの女子生徒に性的関係を迫ったなどとして懲戒免職となり、5月に強制わいせつ容疑で逮捕された。つい最近では茨城県行方市の市立中学校教諭が11歳の女児に性的暴行を加えたとして強姦容疑で県警に逮捕された。
・ 一体全体「学校はどうなっているのか」と社会の目はますます厳しい。文部科学省が年末に公表している調査によればわいせつ行為などで懲戒処分や訓告などの処分を受けた教職員は平成18年度で190人にのぼり対前年度に比べて48人も増えており今年はそれ以上に多いペースだという。
・ 逮捕や処分されたのは「氷山の一角」という声もあり、「盗撮」なども増えているという。最近では校長まで逮捕される事件があった。信じられない話だ。「教師は権力を持っており、多くの子どもは言うことを聞く。それを何をやっても許されると勘違いしたのではないか」と訳の分からないコメントがあるが、絶対生徒に対してはしてはいけないことだ。理屈はない。
・ 約40年の中学教師経験を持つ某大学教授は「かっては地域や保護者が教員を聖職者として扱い、行動を規制してきた。こうした共同体が消えて教員をとりまく環境も変わっている」とこれまた何を言っているのか分からないが、環境のせいではあるまい。
・ 又別の大学教授は「最近の性をめぐる風潮は教師も例外ではない」とこれは少し分かるようなコメントだが同時に現在の採用方法や研修、人事管理では「個人の性的問題を未然に防ぐことは難しい」との意見もある。この意見は分かる。
・ 被害防止策として前述の教授は「人間にはこうした欲望があるということを前提に教員管理のシステムを作り直すべきだ」と言うが、どのようなシステムを作ろうと言うのか一対一で議論したいものだ。
・ 現在は授業技術の向上が主体になっている教員研修に「モラルや自己抑制力など人間力の育成も必要」という意見があるが、ここまで言われては先生方も「辛い話」だ。教員の「相談室」なども考えたら良いとあるが、「「ちょっと待ってよ」と言いたい。「生徒にわいせつ行為を時々したくなります」という教師の相談窓口を作れってか!?
・ 「懲戒処分基準を作成し教職員に周知を図り、破ったら厳罰に処す」これしか抑制にはならない。処分を受けた教職員の名前を公表しとにかく厳正に処分することが抑止力につながる。調査によれば「再犯歴」があるのも散見されるというからこれらは「病的」なもので、二度と教壇に立たせてはならない。
・ 一部の失格教員のお陰でどれだけ真面目な先生方が「肩身の狭い思い」をしているのかを考えた時に、あれこれ「後付の理屈」を言っても始まらない。「厳然とした処分」しかない。自己抑止力の話しは生まれてからその時までの「積み重ね」であり、幾ら研修会をしようが本質的な効果はない。
・ 「自己抑止力」だ。そういう教師が多くなったという統計データは事実だろうがそのことは自己抑止できる教員の比率が下がったということに他ならない。世の中は「比率の問題」である。当然比率を問題にしなければならないが、教員になる人間の中にそのような「積み重ねの薄っぺらい人間」が多くなったということだろう。社会のせいにしたり、親の責任にしたり、トンでもない話だ。根本的な対策など歩いて月に行くような無理な話である。
・ 被害者への損害賠償の話しも検討されるべきだ。この議論がまったくないのがおかしな話で「職を失いました」だけでは済まされなくなってきている。名前の公表も教育委員会は差し控えているが「加害者の人権」ばかり気にしてどうなるのかと言いたい。一般社会では当たり前のことだ。生徒に犯罪行為を犯した教員には被害者生徒への損害賠償に応じて貰わねばなるまい。
・ とにかく未だに「教員を庇う雰囲気が社会にはある」。有り難いことだと思うが、そのようにして「教職を特別なものだという思い込み」が判断を間違わせる。教員と言っても様々で格段の「聖職者」ではない。教会の牧師や寺院の僧侶でも不届きな奴はいる。
・ 確かに学校は特別な場所で教員は特別な人がなっていると考えるには日本全体が変質してきている。学校だけではない。公務員にもこのような輩の比率は高くなっているのではないか。そのような日本になってきているのである。辛い話だがこの流れは変えることが出来ないと考えた方が良い。
・ 「 罪には厳罰」で臨むしかない。それが「最も有効な抑止力」だ。それでもこのような事件は学校から無くならないだろう。そのように社会が進んでいるような気がする。