2008年7月10日木曜日

7月10日(木)その2:大分県続続報

大分県教員採用汚職続々報
・ 某大手全国ネットのテレビからインタビュウーなのかコメントなのか求められたと事務長が報告に来た。丁度会議中で私宛の電話が事務長に回されたらしい。話しは「大分県の教員採用汚職についてどう思うか、大阪府はどうか」とか私の意見を聞きたかったらしい。
・ 今、私は全てのマスコミの取材は受けていないから事務長もそのように答えたのであろうが、この問題は予想通り広がりを見せてきた。新聞報道も次々と新しい事実が出てきている。今日の内容は「複数の県議の口利き」があったというものだ。又「うわさは前からあった」と報じているのもある。夕方のNHKでは元校長が「常態化」していたと述べたと言う。
・ 申し込んできた記者は私のブログを読んでおられるらしく数回にわたって私はブログでこの問題の意見を述べているから、問い合わせがあったらしいが、恐らく「全国的にこの問題はある」のだと感じているらしい。その裏づけを盛んに取っているのだ。
・ 今朝の産経は大阪府教委の意見として「あり得ない」とのコメントを記載してはいるが、ついこの前府教委の教育監というN0.2が私学理事長から非常勤講師採用を巡る賄賂を受け取ったとされる平成18年の事件をわざわざ載せているところをみると「本当か?」と100%信じていないような書き方だ。
・ それは事件の後も制度の見直しはされておらず、教育界のしがらみや人間関係が浄化されない限り同じような問題は又発生するとの大阪の元教諭の意見などを載せている。教育評論家の尾木法政大学教授は「大分と同じような土壌は全国にあるのではないか。」とのコメントまで載せている。
・ しかし「酷いやり方」だ。全体の平均点が上がるから一般の受験者の点数を減点し、縁故者を水増ししたという。これで元来合格だった人を10人不合格にしたというから無茶苦茶な話だ。
・ 合格者は合格とし水増し者はその分余計に県費で採用するということでもあればまだ、理屈は通るが入れ替えてはいけない。どのマスコミも触れていないが「公文書偽造」か「原本不実記載」と成らないのか。採用試験の問題解答用紙は公文書だろう。
・ 主犯格の江藤容疑者は「19年は発覚を恐れた上層部から一般受験者にも配慮しよう」と言われたらしく更に「18年はもっと酷かった」と述べたとある。言い方が“なまなましい”ではないか。
・ 日経の夕刊には「指示断れば出世はずれる」とある。取調べに対してこの人は「上司の指示は断れない。出世ルートから外れる」述べたらしい。更に「自分だけが捜査のターゲットにされた」と恨み節も出ているらしい。
・ この男二宮という元審議監以外にも上司はいたというから、これらの上司は「夜も寝られない」のではないか。首を洗って待っておいたほうが良い。まず教育審議監以上の役職といえば、教育長、教育次長、それに恐ろしいことだが教育委員がある。誤解のないようにいうが職位を言っているだけだ。
・ 例えば教育長は立派かといえば「とんでもない話」で大阪府の前教育長は私学理事長から「たかりの常習者」として高級料亭で接待を受け処分されている。
・ 行政職は大丈夫か?知事、副知事、局長クラスにまで及べば大分県は持つまい。今日大分県佐伯市では校長会を開いて「児童生徒への影響」をどうするかと議論したとあるがお笑い草だ。県会議員の口利きは明らかになった。
・ 逮捕されて以降出世ルートから外れると、「しゃべりまくっている江藤と言う人は正直」だ。間違いなく指示を断ればそれで「終わり」だ。教育委員会を追い出され、辺境の学校にでも出されるのが落ちである。それは予想できる。
・ 大体一般の人はご存じないが教員世界は「徒弟奉公の世界」に似ていて、「親分子分」「義兄弟」とにかくその結束は凄いぞー。学閥も間違いなくある。それに教師になって育ってきた環境が又影響を与える。
・ 教務育ち、生指育ち、人権ばたけ、社会教育ばたけ等々また研究会別にグループに分かれる。更に言えば教育委員会経験、現場たたき上げ校長と明確に分かれる。大体府立高校で言えば各学区のトップ校や伝統校などは大体「教育委員会から校長が派遣」される。
・ 「現場たたき上げの校長」にとって市内の伝統ある進学校の校長になれるかなれないかは夢のような話だと思う。私は民間人校長で初めて市内中心部の有名校に派遣されたが当初多くの校長の怨嗟に近い視線に閉口したものだ。
・ 結びつきの強さを証明する方法は色々とある。60歳で公務員は定年退職だが大体次の就職先にいく。大学、私立高校、教育委員会が行き先御三家だが、その人の次の人は大体その人の「縁続き」である。弟分か子分が回される。それくらい強いのである。
・ 学校現場は「鍋ふた社会」でフラット構造であるが「教育委員会は完全なピラミッド構造」である。上司の命令は絶対で上からの声は「天の声」である。江藤容疑者、上から指示されて「それは私には出来ません」とは言えなかったというのは良く理解できる。「悲しい話だなー」。
・ マスコミも論調を変えなければならない。「学校社会は最も遅れている閉鎖社会」である。市場にさらされているところではない。為替レートがどうなろうと円高にふれようと、原油価格がバレル200ドルを超えようとそんなことは関係ない社会である。
・ 私はかって論文で「最後に残った官製巨大マーケットであり、人民公社である」と言ったが、今でもそのように思っている。ようやく、少しずつ、光が当たり始めた。戦後60年続いた教育行政の体制即ち教育委員会組織の終わりの始まりが来たと思っている。