2008年8月31日日曜日

8月31日(日)全国学力調査

・ 昨日の文部科学省発表の「全国学力・学習状況調査」結果を受けて「2年連続下位低迷の大阪府」の橋下知事は私の予想通り又府教委に爆弾を仕掛けた。私は最近彼の行動が「読める」ようになっている。知事の性格ややり方が分かってきているかだろう。
・ 話はこうだ。今朝の朝日と読売が報じている。「教育委員会はなっとらん。府内市町村別の成績開示を府教委に求める。」「状況を知らせないから市町村も危機感がない。」と府教委に対して「学力調査の結果の情報公開」を求めるというものだ。
・ 面白くなってきた。しかし事はそう簡単にはいかない。鳥取県の事態を見ればよい。県の「情報公開監視委員会」が開示を求め、鳥取県がそれに抵抗し、行政裁判になっている。要は「文科省の通達で好ましくない」とされているもので「通達は重い」というものだ。
・ 法的には政府に開示を禁止する権限はないのだが「余計な競争を招き、学校の序列化を招く」という理屈が今はまだパワーを有している。さすがの橋下知事も「学校単位の開示はまずい」と述べているから事の本質はご理解されている。
・ 要は「教育委員会制度」そのものへの「不満」だろう。しかしこれは「国との全面対決」となる。税金を70億円も投入した調査だから「国民が開示請求を求めたら」抵抗する根拠はなくなる。知事は昨日の貝塚市での教育シンポジウウムで参加者に「請求してください」と煽ったというから果たして今後流れがどうなるか。
・ 着任当初「教育委員会に命令する」と発言して顰蹙を買った知事だが、教育委員会は行政の独立委員会だから命令は出来ず要請となる。府内枚方市でも請求をめぐって裁判になっており、今後この動きは加速されるかもしれないが、私は「まあ、急ぐことはない」という立場だ。
・ 昨日のブログで「就学援助を受けている家庭」の多いところは「学力が低い」と記事にあると書いたが、そうであれば明確に市町村単位で実態が容易に想像されるようになるだろう。学力の低い市町村にある学校の保護者は「飛び上がって」驚き、憤慨するだろう。
・ 知事は分からなければならない。少子化で今や小さな行政地区の小学校、中学校の数は少なく簡単に学校名が特定できる。今そのようなことをすべきではないという意見に私は加担したい。「どうしてうちの市は低いの?」という声が飛びかうものと推察される。
・ 知事のやることは「就学援助家庭の減少策」を考えることだ。それと開示したからといって一挙に学力が向上するものではなかろう。「他に行政の長としてやることはある」筈だ。確かに実践論や具体論の出てこない教育委員会に対して「イライラ」する気持ちは分かるが、ここはじっくりと構えて本質を見失しなわないで頂きたい。
・ それにしても知事の勘は良い。勘は良いが「打ち出し方」にぼつぼつ変化を期待したい。バーンと「花火を打ち上げ」そして落ち着くところに持っていき、「議論が出来たことは良いことだ」と総括するが「先の伊丹空港廃止論」のときのように当時の冬芝大臣から「素人」と言われないようにしなければならない。
・ この話は明日以降どう展開していくのか興味ある。府教委は知事の発言を受けて「寝耳に水だ。政府の要請は重い」とかなんとか言って「抵抗の姿勢」を示しているが最後の判断は府民だ。浪速中学については今のところ「開示する気はない。」勿論保護者や塾関係者に差し障りのない範囲で「説明」するのは当然である。
・ この記事の横に同じく知事が大阪シンフォニー楽団の演奏会に出掛けられ、会場の中で子どもが走り回って騒いでいたことに対して「あれで大阪の教育のレベルが分かる」と言ったとある。あれで知事の憤慨イライラしていたのが容易に想像できる。面白い。

・ 午後高槻市にある「関西大学高槻キャンパス」に出掛ける。「関大アイスアリーナ」での「氷の甲子園」というイベントに招待されたからで、高槻キャンパスにも興味があったからである。大体今やスケートリンクはどんどんなくなっていく中で一大学が国際試合の出来るリンクを有すること自体驚きであるし尊敬に値する。
・ 「関大は凄い」。元気がある。同大学の全日本の選手高橋大輔選手や織田信成選手は有名だが、全日本からジュニアから高校生までのスケーターの才能あるものを集め、関西大学の名で養成しようというのだから「スケールが大きい」。
・ 昨日今日と甲子園大会を行い、クラス別に金銀銅の表彰だ。その後式典と一流選手によるエキジビションだ。橋下聖子日本スケート連盟会長の挨拶や長野オリンピック日本代表の田村岳斗選手や他のトップスケーターの協議を始めて見た。
・ やはり「高橋選手と織田選手は別格」だった。目の前で見ると迫力がある。当初は2階で見ていたが1階の目の前で見ると「スケーターの靴のエッジが雪面を削る音と氷の飛び散り」は凄いものだった。目の前を猛スピードで走り抜けていく様は感動した。
・ 高橋や織田などのトップアスリートの演技は「早く、高く」動く。ここが他の選手と全然違う。スピンなども「加速度が大きく急激に停止」できるのは余程のワザと体力筋力だと感じた。フィギアスケートと言うのも「面白い」ものだ。生まれて初めて目の前で見ることが出来た。
・ それにしても関西大学の森本理事長、「凄いお方だ。」昨日は高槻駅前に新キャンパスを作るために「地鎮祭」を行い、今日が子どものための「氷の甲子園」だ。戦略と戦術がすべて的に当たり、「強い関西大学」を50年にわたって作りあげてこられた。
・ 今月中旬の理事会で理事長職をひかれると私は直接お聞きしたが「寂しい」限りだ。関西大学も一つの節目を迎え、大きな転換点に差し掛かったことは間違いないがエネルギーは枯渇しない。更に関西大学は「更に大きく発展される」ことは間違いない。高槻、浅香新キャンパス、外国語学部、健康福祉学部、とにかく「前へ前への進行作戦」が魅力的だ。
・ 本校は関西大学とお互いに「強い高校と強い大学」で「将来にわたって特別な関係」を構築し本校生徒の為に何かを残してやりたいと今日改めて考えた。暑い日であった。スケート場は2階で見るものではない。温かい空気が上がってきて暑くてどうしようもなかった。リンクの側はひんやりして快適であった。「スケートを見るのは1階に限る」。