2008年9月3日水曜日

9月3日(水)敷地内全面禁煙

・ 9月は「がん制圧月間」である。日常生活においては誰も「自分が癌になる」と思ってはいない。私もそうだ。そのようなことを何時も考えていたら普通の生活など出来ない。
・ 「がん予防策14か条」という有名な言葉がある。恥ずかしながら肥満の自分であるが「肥満を避ける」「運動の維持」「黒焦げのものは食べない」等などだが、この中に「煙草は吸わない」は入っていない。
・ 何故かというと「発がん性がはっきりしているため」、予防策ではないからあえて入っていないらしい。タバコに含まれているタールに発ガン物質が含まれているのは今や誰でも知っている。
・ 「喫煙が健康にとっていいことは何一つない」。今までは肺がんなどの呼吸器系疾患が注目されてきたが最近の研究では直接「動脈硬化」に影響し、脳梗塞や心筋梗塞などが強力なリスクとなることが認識されたと言う。
・ 7月中旬に行われた「日本動脈硬化学会」ではメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)との関連を指摘する疫学的な報告が相次ぎ、「喫煙がメタボを倍増」させることも分かってきたらしい。
・ 私はタバコを吸わないメタボであるが、これは「食いすぎと飲みすぎが原因」であると先ほどの「人間ドック」でドクターからきつく言われている。今朝の産経新聞は1面を使って「喫煙で一気にリスク倍増」との特集を組んでいる。
・ 我が国の「がん治療学会」「呼吸器学会」「循環器学会」は軒並み「禁煙宣言」をしているがこのたび「日本動脈硬化学会」でも「エビデンスA(科学的証拠)の扱いで喫煙は冠動脈疾患、脳卒中の危険因子」とうたった。
・ 新聞の記事には喫煙からどういうメカニズムで動脈硬化に至るのか詳しく説明してくれているが、解説の千葉大学医学部の先生は分かり易い。面白いのはタバコを吸ってあっという間に悪くなる人もいるが、そうでない人もいる。その違いは「遺伝的なバックグラウンドがある」とのことで最近知られるようになってきたという。
・ 先生は「しかしタバコがたくさんの病気の危険因子となりありとあらゆる臓器に悪さをすることは間違いない。いずれにしても健康寿命を脅かすのでやめるにこしたことはない」と明確に言っている。
・ 一方日本経済新聞は経済紙らしく「あなたが今禁煙したら?」と銘打って「寿命の延び2年、医療費削減は車一台分」と詳細に分析している。これについては「禁煙で寿命が延びても他でお金を使うので関係ない」と反論する勢力に対して東大の先生は「禁煙で増える病気はない。寿命の延長による一般的な経費を禁煙の費用と見做すのは不適切」と厳しく指弾している。「あなたはそれでも吸いますか」というのが結論だ。
・ タバコが一箱1000円と言う話も出てきた。昼食代を超える金額だ。給料は下がる時代になってきた。本校は学校である。1700人以上の生徒をお預かりしている学校だ。生徒には「タバコは駄目!」と言っておきながら自分が人目のある職員室で吸うわけにはいくまい。
・ 女性教員の副流煙被害は妊娠したらその子どもまでに少なからず影響があると記事にはある。又自分が教えている生徒が成人して社会人になったら「喫煙の教職員の医療費を出してね」というのもおかしな話だ。
・ 煙草をやめろとは言わない。しかし学校では吸ってはならないとは言える。ボツボツ意思決定をしなければならない。今まで時間は十分取った。更に3ヶ月間取ろうと思う。それが限界だ。これ以上待てば「本校の見識」を疑われる。
・ 学校法人大阪国学院浪速中学校高等学校は「明年1月1日」をもって「敷地内全面禁煙」に移行する。今日まで幾度となく職員会議において話をし、ブログを使って言及してきた。「ぼつぼつタイミング」だと思う。
・ 昨日保健体育部長と人権推進委員長と話をした。「皆ももう分かっていますよ」と言っていた。人推委の委員長自体「タバコのみ」であるが、学校にいる間くらい「我慢できますよ」と言っていた。
・ 保健体育部長は2年前に禁煙し、それ以来体調が極めて良いといわれる。進路指導部長は止めて1年、酒や食べ物が旨いという。もっともタバコを吸っていた時代からお酒は旨そうに呑んでいた。
・ 半年かけて訴えてきた。もうそれも「終わり」だ。ただ全員で移行するとの形のために来週11日の職員会議では常勤講師以上の教職員で「意向確認」の投票をすることを決めた。果たしてどういう結果になるのか。
・ 9月20日以降には「浪速祭」があり、多くの保護者や来客が来られる。そのときまでに「正門に看板を掲げて」3ヶ月間の「予知期間・周知期間」を設けることとした。その文章は以下のようなものになろう。
・ 「本校は明年1月1日より生徒・教職員の健康維持増進のため学校敷地内では全面禁煙となります。宜しくご理解とご協力を頂きますようお願い致します  学校長」となろう。加えて現在ある「喫煙室」を全面的に改造し、一切の「タバコ用具」は廃却する。
・ 第一職員室の喫煙室は「面談室」に改造。第二職員室の喫煙室は「少し広げて副校長室」に改造する。そこに筆頭のS副校長に入って頂くつもりだ。立派な先生であり、信頼する私の右腕だ。法人の「評議員」でもある。教職員トップ、最年長者の先生のために独立した執務室を作って差し上げたい。
・ 今の副校長席は元々「高校教頭席」であり、それはそのままとしておく。副校長は教員人事の実務を担当しており、人材育成評価システムの試行で「教員との面談の機会」がますます増えると考えられる。いちいち特別会議室に下りるのは大変だ。
・ いずれにしても本校は遅ればせながら公立の学校や私学にならって「全面禁煙」としたい。尚勤務中は「喫煙だけのために校外に出かけて喫煙することは許されない」。「職務専念義務違反」となる。やる以上は「徹底してやる」積りだ。