2008年9月22日月曜日

9月21日(日)芸術芸能鑑賞会

・ 今日は「芸術芸能鑑賞会」の日である。場所は堺市民会館2階の大ホール、収容人員は1350名、本校生徒は1730名、従って「午前午後の完全入れ替え」だ。朝は中学校と高校1年生、午後は高校2年生と3年生となる。
・ 午前の部の生徒は終わった後で学校に戻って明日以降の「文化祭」の準備に入るクラスもある。昨日浪速中学校の生徒会の役員が今日から3日間のプログラムを持参してくれたが高校の自治会よりは良く出来ているのではないか。
・ 今日はとにかく「浪曲」というものが果たして「今日的生徒に受け入れられるかどうかの大きな実験」だった。出演者は3人。すべて女性にした。当初はベテランの三原師匠お一人としていたが途中で急遽2名の若手を投入したのである。
・ 男性の浪曲師は勿論問題はないのだが何か浪曲という「年代ものの古臭い感じと男臭さ」を避ける意味で今回は女性3人としたのである。出し物は事前にお願いして「教育的見地」から出演の先生方に考えて頂いた。
・ それが今日の演目であった。トップバッターは春野恵子師で「神田松五郎」、次席が菊池まどか師の「嫁ぐ日」だ。そしてとりが三原佐知子師匠の映像入り浪曲「母恋アイヤ節」だ。師匠にはその後「私の人生」としてご講演を願った。
・ 結果は「大成功」としか今言葉が浮かばない。あれほど静かに生徒が聞いてくれるとは思っても見なかった。ある生徒は「引き込まれた」と言い、「涙が出た」と言う。すべての出し物が「親子愛」「親子の情愛」で通していただけに訴えるものがあったのだと思う。言うことなし。「企画の大成功」であった。
・ 司会は上がって「頭が真っ白」で、とりの三原佐知子先生を三浦佐和子先生と何回も間違えて遂には三原先生から「三原です。先生は三浦に特別な思いがあるのでしょうかね」とまで言われる始末だ。恥ずかしかったが仕方がない。
・ 普通間違えるのは1回か多くとも2回までだろう。それも芸人さんだから「名前は命」である。先生には申し訳ないことをした。最後に最後、先生が「それではさようなら」といった時にも「三浦先生に拍手」だからここまでくると業としか考えられない。
・ ところがだ。午後の部は「パーフェクト」ときた。やれば出来るのだ。カレーライスの昼飯を食って頭も腹も固まったのだろう。もう一つ面白いと言うか興味ある話がある。午前終了時、K教頭が春野恵子師が演目を午後は「神田松五郎」から「番町皿屋敷」に変えたいと言う。理事長の了解を取って欲しいというのだ。
・ 理由は「親子愛」のテーマでは三原先生の「母恋いアイヤ節」であるから「かぶさるので替えたい」というものだ。私は別にかまわないと思ったが「反対する理由もない」ので「良いですよ」とした。
・ 大先輩が演じる演目とは違うものにするのがこの世界の常識かと瞬間思ったのである。ちなみに春野さんの師匠は三原先生と同世代の春野百合子先生で師匠が違うと言うことは芸能の世界では月と太陽くらいの違いがある。こういうのって「面白いと思いません」。
・ もう一つはお車券だ。普通は「お車代」としてお渡しするのが形であるがタクシーチケット券をお渡しした。春野先生は堺市、菊池先生は駒川中野、三原先生は昭和町でご自宅までのお車、ご自宅からレストランまでのお車のチケットをお渡ししたのだが、三原先生から「そこまで甘えてはなりません」と言われたらしく返しに来られたと教頭が当惑して言ってきた。これも「意味深」で私は面白いと感じた。
・ さて夜は出演していただいた先生方のご接待だ。場所はこういうときは「一流」でなければならない。心斎橋の「ソーニ・ディ・ソーニ」のイタリアンにした。最初は大阪天満宮の宮司に連れて行ってもらった場所で気に入っている。オーナーは郷ひろみだ。まだ一度もお会いしたことは無い。
・ 当初は3人の師だと思っていたが曲師や補助のお方も対象とするのがこの世界の常識だと後日連絡が担当教諭のところにあったというのでそのようにした。「まあ、どうでもよいや」と言う感じである。当方は担当のM教諭と総合司会のK教諭を連れていった。
・ お土産は近くの「大丸」で揃えていった。こういうときは私のスタイルは「高級果物」か「高級洋菓子」と決めている。大体喜ばれる。高級と言うのがミソだ。日ごろ簡単に手に入らないものでなければならない。今日はフランス菓子にした。
・ 手に入らないと言うのは高価というのではなくてその辺のお店にあるようなものではないということだ。わざわざ忙しい中を買いには行かないと思うから、代わりに買って来てあげるという感覚だ。「接待」ということはこういうことだと企業時代に上司から徹底的に教えられた。そのようにしているだけのことである。
・ 勿論「お車」の用意も大切で差し向けるわけにはいかないから「チケット」をお出しするのだ。要は徹底的に「誠意を示し」、感謝の気持ちを伝えることが重要だ。「一期一会」である。もうこれで本校では今後無いかも知れない。
・ 本校での実践で若い浪曲師の先生には他の学校でも成功して欲しいと思っている。そうであるならば本校での経験を豊かなものにして差し上げなければならない。「若くして浪曲界に出てきた人を応援するのも私の世代の仕事」だ。
・ それにしても総合司会をしたK教諭の人気はすごい。「失敗しても人気は絶対」である。今日の宴席はK教諭のお蔭で大変盛り上がった。長い間では課題が残るが短い間ではこの先生、人から少なくとも「嫌われない」。ここが素晴らしいところだ。完全に主役であった。浪曲師はお酒は飲まない。喉を大切にするためにそのようにされているのであろうか。
・ 6時に始まって20時15分に終了。3人の先生方に本校の気持ちをお示しする夕食懇談会は無事予想以上の効果で終了した。三原先生が「今日ほど笑ったことはありません」と言われていた。理事長やM教諭など吹っ飛ばすようなK教諭の存在感を示した会合であった。忙しい一日であったが、このようにして終わる。家に帰った時は篤姫と和宮が火花を散らしているところであった。些か疲労感を感じすぐに寝る。