2008年11月2日日曜日

11月2日(日)浪速中学校が気にかかる

・ 大きな仕事が一段落した後は無性に「散髪」に行きたくなる。昔からだ。前回からあまり時が経っていなくとも行きたくなるから不思議だ。大体私は2週間に一回のペースであるが今日は8日振りだとのこと。
・ 他人事みたいに言うのは私が何時も行く床屋さんが教えてくれるからで、ほとんどの人はそうだと思うが私も行く場所と職人さんは決まっている。変えたくないのだ。いちいち説明するのが面倒だし、なれてくるとお互い気心が分って、やってもらっている間が心地良いからだ。
・ 昨年伊勢修養学舎で伊勢に言ったとき、これまた無性に床屋さんに行きたくて近くにないからわざわざタクシーで行ったのに何か感じが良くなくて、それは先方も感じていたらしく見ず知らずの私だから「誰?何で?」というような感じだった。
・ しかし10月は緊張と言うか気の使う月度であった。大きく分けて「労働時間管理の問題、1回目の中学プレテスト、1回目の高校入試説明会、初めての中学運動会、初めての臨時保護者集会」、いずれも重要なテーマであったからだ。
・ 「案ずるよりは生むが易し」で「教職員の頑張りのお蔭」でどれも上手く言った。しかし毎週毎週、重要な行事が入り、実はこれだけではなくてブログに書けないような特別テーマなど色々と私にはあるから結構しんどいのだ。
・ 今日ようやく時間が取れてようやく夏物と冬物の衣服替えが出来た。山のように抱えてクリーニング屋さんにスーツを持参した。布団も入れ替えだ。ついでに部屋の掃除もした。汚い、汚い。
・ 学校の校務員さんは極めて誠実な、仕事に手を抜かない立派な人であるが「理事長は几帳面で綺麗好き」と良く言われるが、そんなことはない。サインカーブと一緒でサイクルがある。ただ普通の人に比べて周期は短いのかもしれない。
・ 床屋のおじさんと話が弾む。今日は良いことを学んだ。免許を取れば誰でも床屋さんにはなれるが成功するのは「必ずしも器用な人間ではなくて不器用なものほど基本を大切にするから結局信頼される職人になる」と言われる。「なるほど」と思ったわけだ。
・ お客さんの「悪口は絶対言わない」ことも鉄則だとのこと。散髪の椅子に据わってから終わるまでに、大体お客さんがどのような職業で性格まで分かるという。「分るような気がするなー。」
・ 「誠実が一番」であるといわれる。たとえはじめてのお客さんでもそれはこちらから見ればであり、お客さんから言えばその年まで何回も何百回も床屋に行っているからお客さんの方こそ、この職人の腕がどうだとか、くだらないことをよくしゃべるとか分っているから床屋も怖いと言っていた。誠実が一番、忘れてはならない言葉だ。
・ 今日は洗濯も多くあってした。夏物の帽子も洗った。これは気に入ったものばかりなので洗濯機に入れてごしごし洗うわけには行かない。結局足袋と同じく手洗いだ。そして「カラーブライト」を入れたぬるま湯に浸しておけば「ばっちり」である。
・ すべてが終わったのが14時頃である。昼食はご飯だけ炊いて「インスタントカレー」だ。お湯で温めるだけで良い。これが存外旨いのである。忙しい時はこれに限る。部屋も綺麗になり、洋服も片付いた。気持ちが良い。
・ さて「浪速中学校をどうするか」。何時も頭を働かせている。新生中学校を再開して20年だ。当時の校長とOBで昨年亡くなられたグルメ杵屋の椋本会長が肝いりで浪速中学校は再開された。
・ しかし結局大きな戦略を打ち出せずにいる間に少子化になり、「無理な中高一貫」に切り替えたのは良いが、これまた「後追い」で有効打とならず、進路保障の中高一貫というよりは高校受験がパスされる中高一貫みたいに受け止められ、塾関係者のご理解を得ることなく勢いを無くし、経営にも大きな影響を与えていた。
・ 着任と同時に私は「浪速中学校を再生」すべく次から次と手を打ち、ようやくそれらの努力が認められ昨年は3クラス109名の入学者を数え、レベルも相当高い生徒が入学してくれた。前からいる中学の先生は「信じられない」とまで言っている。
・ 今年もプレテストの参加者は極めて多く「手ごたえ」は大きいが課題は「今後の戦略」だ。本校の中学は高校の併設校であり、一応高校とは分離している。言い換えれば中学卒業時点で他の高校への受験は自由としている。
・ しかしこれは私が始めたものではないが「教員にとっては辛い話」だろう。3年間一生懸命育てたが「高校は別の学校へ行きます」というのだから、私などは最初聞いた時は「エー」と開いた口塞がらなかった。浪速高校は駄目だと自ら言っているのと同じではないかと。
・ 今日の朝日新聞だったか「公立の中高一貫校」が特集として出ていた。大阪にはまだないが千葉や東京他全国で「進学実績を上げる目的」で「中高一貫校」は今後とも増え続けることは間違いない。
・ しかし公立にとってはこれは痛し痒しで「公立間の格差」をこれ以上つけると一般以下の公立高校は崩壊するだろう。私はその一部は私立中学に流れてくると思う。荒れる公立中学、廃れる公立高校には行かせたくなる親も気持ちも分かる。
・ 今大阪府教委は橋下知事の意向を受けて「特別進学校」を検討しているが中に「中高一貫校」が誕生するかも知れない。これは他の公立高校に大きな影響を与えるだろう。そういうエリート高校以外は「駄目だ」と言っているようなものだから、恐らく私学を選択する可能性は高い。もっとも家庭の経済力がポイントとなるが。
・ 今までは私立学校連盟の力が強くて、公立の中高一貫の話は押し戻していたと思うが今や力を失った。橋下さんは私の浪速でのポジションと同じで「しがらみがないから何でもやれる」。私は今浪速中学校の第2ロケットエンジンをふかすべく検討中だ。
・ その有り様はやはり「本格的な中高一貫校」かも知れない。私学の中では出遅れているが「手がないわけではない」。「起死回生の必殺打」は果たして何か。教員とも本格的に議論を始めねばなるまい。こういう問題に見識を有している教員と真剣な議論が必要な時になってきた。
・ 運動会は運動会で良いが本質議論がボツボツ必要だ。しかし2年でこのような思いになれるなんて考えてみれば「信じられない速さ」であることも事実だ。私個人の思いとか見栄とか義理とか神社庁への遠慮とか「関係ナーイ」。床屋さんではないが浪速中学校に「誠実に向き合う」ことが重要だ。