2008年11月22日土曜日

11月22日(土)第二回高校入試説明会

・ 昨年の第二回目の高校入試説明会は11月17日(土)であった。その時のブログを読み返して見ると当日は余り体調が良くなかったと書いている。理由は某教諭が探してきて前夜入試広報室のメンバーと会食をした場所が酷くて飲み物も食べ物も「身体にあたった」というようなことを書いている。
・ 1年経って「今日の説明会は快調」である。本日は「2008年度第二回浪速高校入試説明会」であり、重要な日である。「教職員総出で対応」することになる。体育館の椅子を用意したりするのは順番に「部活の生徒の応援」も借りて行う。済んだ後は又急いで片付けて元に戻すことになる。そうしないと部活動に影響を与えるからだ。
・ 昨年は「敵失」という幾分不適切な言葉を使って「近隣の学校の理事長経理不正問題や関関同立センター試験受験費用援助問題」などを表現したものであったが、この影響がなかったといえば嘘になるだろう。「彼らは敵ではないライバル」だ。とにかく本校の説明会に来てくれる生徒数は2006年度に比べ急増していた。
・ 「果たして今年はどうか」ということである。本校では3回に分けて行われる。一回目は10月25日、2回目が本日、3回目が12月13日(土)となる。本校の傾向としては第3回目が最も集まる人数は多く、その次は2回目である。
・ 今年は初芝さんが立命館入りし、学芸高校は有している底力を出されてくるだろうから昨年ほどには行かないと思うが、「誠意」を見せて頑張って参りたい。1回目から3回目にかけて増えてくるには背景があると入試広報の教頭は言う。
・ 大体11月末から12月トップにかけて公立中学や塾関係者は「中学3年生の進路指導」に関して「最終的な意思決定」をするみたいだ。これを受けて12月中旬の説明会は「ほぼ決定した学校」の説明会に行くのだという。確かに過去3年分を見てみるとそのような傾向となっている。
・ 迎えに来た副室長が「理事長、大変な人ですよ」「資料足らなくて大変でした」と。「会場はほぼ満員」でこうなると私は元気がますます出る。「嬉しい限りだ」。しかししゃべる方も大変なのである。如何に本校がPRできるか「とりの理事長校長」が失敗すれば今までの教職員の努力が駄目になる。しかし聴衆が多いと気合が入る。「大変良く出来た」と思う。何時もだが「最後に拍手が沸く」のだ。
・ 本校に来て私が素晴らしいと思っているのはこの「入試説明会だけは全員が協力し実行する姿勢」が明確に見て取れることだ。私は他校の事は知らないし、これはどの私学でも同じようなものだと思うが、それでも贔屓目で本校のほうが良いと思ってしまう。
・ 公立の教員はこのような手間隙をかけた「生徒募集活動と説明会業務」を知らない。あっても全然規模が違う。何もしなくても中学校の輪切りで公立には生徒は集まる。確かに「定員割れする公立高校」はあるがすぐ「学校がつぶれる」ことにはならない。
・ 公立高校の競争倍率を見るが良い。大きな差と成らないように、言い換えれば「15の春を泣かさないように」進路指導が徹底しているからである。学力で行ける学校は殆ど決まっているといっても過言ではない。そういう公立には「競争と言う意識」は基本的にない。
・ ところが私学にとって「生徒募集」は「命綱」であるから人もお金も時間を使って1年間努力しその集大成が「何名説明会に来てくれるか」である。従って私学の教職員が一生懸命せざるを得ないのも当然だと言えば当然だがそれでも一生懸命頑張っている教職員を見ると嬉しいのである。
・ 「昭和23年スタートした新制中学」は国立98校、公立13838校、「私立855校」であったという。「新制高校」は国立16校、公立2349校、「私立845校」で当時の人口は8000万人が今や人口は1億2000万人で私立中学は855校から735校に減少し、逆に「高校は845校から1321校」まで増えてきている。
・ 私立中学の数が減少していることに注目しなければならない。この論評はここでは省くが私立高校を含めて丁度今がピークであろう。今後は少子化の中で一校あたりの生徒数が減少していく。私立中学は特に、私立高校も学級数の減少から究極的には「募集停止」になるところが出てくる先行きは見えている。近隣でもそのような学校は大学グループ入りして生き残りをかけているのだ。
・ 従って今所管の都道府県知事部局は私立高校や私立中学の「クラス数増には極めて慎重と聞く」。我々は幸い先輩のお陰で「浪速中学」を継続してきた。ピンチはあったがなんとかしのぎ、ようやくここまできたがこれからが「正念場」である。
・ 一方日本経済の状態は完全に「景気後退局面」で家庭の経済状態、特に「教育費」にしわ寄せが来ることは間違いない。そこへ持ってきて各「自治体の財政悪化」もあり今後私学助成が増えることは有り得ない。
・ ここに一つのデータがある。「全国私立学校教職員組合連合会(全国私教連)」の調査で親の経済的理由で「3ヶ月以上学費を滞納している私学は1校あたり12.1人」と明らかにした。
・ 調査には大阪府など28都道府県の265校で生徒数218727人と言うからデータは信頼できる。「本校も滞納者が増える傾向はあるが12.1人もはいない」。いずれにしてもこの数値には「学校も一定期間滞納すると除籍とする傾向」とかがあるが基本的には「保護者の経済的困窮」が背景だろう。
・ 戦後60年の私学関係者のご苦労とご功績にただ私は頭が下がる。「お上が一番」という「官高民低」の風土の中で本当に血の涙と汗を流しながら今日まで私学の隆盛を高められてきた先達のご恩に報いるためにも我々は頑張っていかねばならない。
・ 「日本私立学校振興・共済事業団」の鳥居泰彦理事長は「63年前、敗戦の焦土の中から立ち上がった私立学校にはそれぞれの苦闘の歴史があります。それらを貫いていたのは国家の再建は教育から、“教育の再建は私学”からという“私学人”の情熱でありました」と言っておられる。
・ 「私学人」という言葉、なんと素晴らしいのだろう。私学勤務、中でも「浪速勤務」を誇りにして頑張って欲しいと思う。「どこの私学さんで?」と聞かれたときに「浪速です」と今でも胸を張って答えられるような学校であるが、更に更に高めていきたい。しかしそれは私一人ではできない。今日のような「一致団結、手弁当」「手を休めず汗をかく教職員の力」がかかせない。