2008年11月28日金曜日

11月28日(金)授業料値上げその1

・ 11月26日午後5時に「大阪私立中学校高等学校連合会(中高連)」は報道関係に資料提供をした。各校宛にその旨のファクスが送られ、13時24分に本校は受信する。それは来年度の授業料改定について「改定校と改定理由」について示したものらしい。らしいというのはその資料がどういうものか各校には知らされていないからである。
・ 私の印象は遡ること数週間前にアンケートがあったので「遂にこの日が来たか」というもので、この日まで本校は微に入り細に亘って準備してきたので、特段の不安感はなく、明日は「大騒ぎ」になるだろうなという受け止めであった。
・ 中高連のファックスも「個別に取材申し込みがあるかも知れません」というもので、その旨事務長には指示して問い合わせがあった場合の対応などについても調整して帰宅した。
・ 夕方5時のプレスリリースであれば夕刊には間に合わないのでこれは翌朝の朝刊に大きく出るだろうと私は踏んだが、ところが27日の新聞には各紙とも一切触れていない。「私は怪訝な面持ち」となる。朝10時前に事務室に「中高連に問い合わせ」をさせたのである。「一体どのような資料をマスコミ各社に出したのか」と。
・ そうすると実は昨日の2時から具体的な学校名が入った詳細な資料を説明付きで「会見発表」するとの事実が判明した。事務には「その資料を早急に入手するよう」指示したのだが、そこで「若干のすったもんだ」だがあったがようやく午後2時の報道資料が事前に入手できたのである。午前10時頃であった。木村流である。
・ それを事務室と入試広報室に渡し「分析を試みた」。しかし中高連はもう少しやり方を考えなくてはいけない。報道各社に出す前に「加盟各校」に同じ資料を出すのが「世の中の常識」である。これは私が「民間的発想で強く要求」したから入手できたが、恐らく他校では「どのような資料がマスコミに流れたか」知らなかったところが多いのではないか。こういうことでは困る。
・ 今朝の朝刊、当然各紙とも扱いは微妙に違うが報道資料そのままを記載している。即ち各校別に「入学金と授業料と合計金額」を「男子高、女子高、共学校それに中学校」の区分別表である。この表に各紙単位に「記事というかコメント、解析記事の類」をつけている。
・ 日経は当然「シラー」とした小さい扱いであったが記事に関しては「読売と大阪日日」が破格の扱いで大きく取り上げているように見える。読売は三つの紙面を使って記事にしている。朝日と産経は同じ程度で余り「緊迫感というか緊張感」というかそういうものが感じられない淡々としたものであった。
・ 各紙とも見出しは「助成削減の影響もろに」「生徒募集にマイナス」「苦渋の決断」とかが並んでいるがまあ今まで予測され報道されてきたことと同じで特段驚く内容ではない。ただ「府内の全私学の姿勢が明らか」になったと言う点では一つの節目となろう。
・ 関心のある読者や小学校6年生と中学3年生を子に持ち、私学進学を考えている保護者は「目で追う」だろうが、果たして「生徒募集に影響がどの程度あるのか」誰も想像できない。しかし個人的には「そういう見方は正しくない」と思っている。
・ それは「私学進学を考える生徒保護者」には「強い信念」があり、「授業料が上がったから公立へ行こう」と単純にならないからだと思っている。「学区制に縛られた公立」「部活動をやりたい」「徹底して進学を考えたい」「不登校から脱却したい」「雰囲気を変えたい」実に様々な理由があって「私学選択」を考えている人たちである。
・ 「私学はお金持ちが行くところ」と思うと根本的に考え方が間違っている。経済的困窮の中でもやむなく私学選択をしている保護者は実に多い。橋下さんはここのところがまるで理解できていなかった。だから唐突に「私学助成費削減」をまず最初にぶち上げた。
・ 人間誰しも「心のひだに特別なもの」を抱いているものだが知事は就任後多くの場所で「公立優先」「それも北野高校オリエンティッド」「付加価値の高い私学の選択はそれなりの保護者負担は当然」と無茶苦茶な論理で押し通した。私は何回もブログで批判をしてきたのである。
・ 特に中学校の25%削減などは酷いやり方で助成金が1/4も削減されたら「やっては行かなくなる」のは目に見えている筈である。大阪府の職員が平均10%の給与削減されたのだから「私学も10%努力せよ」と言うのなら理解は出来るし私学もそれくらいは経営努力をせざるを得ないだろう。しかし普通の世に中で「一度に25%」というのはプロ野球の年俸改定くらいしか私は知らない。
・ 概してマスコミの論調は「私学助成は結果として府民の負担を増やしたことになる」と言った論調で、さすがに橋下知事は「神妙な面持ち」で「府民の皆さんにご迷惑をおかけする」ことを率直に認めている。更に「家庭環境に合わせて学校を選択して欲しい」と述べたとある。
・ 強調しておきたいが私学に通っている保護者は「立派な納税者」で「公立に通わせている保護者と同じ税金」を支払っているのだ。元来公立私立の「公的負担が数倍も格差」があること事態が「おかしい」という議論もあって当然なのである。私学に対して公立並みに公的助成を増やせば授業料は限りなく公立に近くなる。
・ この公的助成を変えずに助成金を削減することは「納税者からのダブル搾取」となっていることに気付かないと困る。だから今回私学は教職員の人件費を削減する方向で走っている。記事によれば清風学園の事務長は「ボーナスをカットするが自助努力ではまかないきれない」と延べ、清風中学は10万円の授業値上げである。
・ 保護者からは大幅な負担増に「橋下改革の影響がこれほど強いとは」と悲痛なコメントを出し、堺市の女性(53歳)は近隣の学校説明会で年間5万円を超す授業料値上げを知り、「娘を志望校に行かせたいのだが・・・」と悩んでいるという。ひょっとしてこの学校とは本校のことではないのか。
・ 市内の女性(42歳)は娘二人を私立学校に通わせているが「知事の改革には共感するが自分に影響がここまで及ぶとなると思いは複雑」とコメントしているが、これは恐らく次回の選挙では橋下さんを応援しないと言っていうのではないか。
                     (その2に続く)