2008年11月6日木曜日

11月6日(木)その2:表彰された先生

・ 今日の「ブログその1:財務諸表の公開」の末尾に書いたが「給料が下がった、下がった」と嘆くだけで、周囲が見えない人に対して私は「意識改革」を求めたが、同じような事件が大阪府においても起きている。
・ 「橋下知事がまた吼えた」と各紙とも報道しているのだが知事は「一生分かり合えることは無い」「このようなもの(組合要求)を中小零細企業に出したら笑われる」「知事選で皆さんの主張を通される知事を選ばれたら結構です」と言い切ったらしい。
・ 府関連労働組合連合会(府労組連)の幹部は先の府職員の「人件費削減の撤回」を求める要求書を出したのだがその席で知事は前述のような発言をしたらしい。余程頭に来たみたいだ。しかし私は「知事の気持ちが良く分かる」。
・ あそこまで知事は大阪府のために頑張っており、先の削減案を取りまとめた。10%程度の削減で済んだと思わねばなるまい。「来年は更に税金収入が不景気の影響」で落ち込み、1000億円も財源不足となるという。
・ 今年の改革効果が吹っ飛んでしまうという「危機的状況」で、知事以下顔色が真っ青というのに「給料を元に戻せ」とは何事か。「甘えるのもいい加減にしろ」と言いたい。どうしようもない。
・ 完全に建前で動いている組織だ。言わないと組織がぐらぐらするから一応物申すと言うスタイルであるがもうこの手はいい加減うんざりする。聞く府民もそのように受け止めるだろう。知事は「公務員だけが勤務条件を整えるのは良くない」と叫んでますます公務員批判を強めるだろう。
・ 大体「我慢する」ということを知らない。終了後府労連幹部は「あまりに感情的すぎる。これで話し合いにならない」と語ったそうだが知事と組合員とは違う。福田総理は辞めるときの最後の言葉が「貴方とは違うんです」であったが要は府の財政状態など組合にとっては他人事なのである。
・ こういう人もいるが中には「さわやかな教員」もいる。今日は「大阪府神社庁関係者大会」と言う1年に一度の大きな式典があったが、その席で本校の教員が特別表彰をされた。500人近い神社関係者の居並ぶ前でこの「小南という体育科の先生が大阪府神社庁長から壇上で表彰」されたのだ。
・ 「30年間神社奉仕の主務担当者」として事故なくやってきてくれた。重労働だったと思う。しかし先生は文句一つ言わずにやってくれた。そして今年の3月には自ら決心して正教諭から定年を3年も残して「早期退職して嘱託教諭」の身分に退き、後進に道を譲ってくれた。
・ 人は色々という。しかしこの先生の「身働き」は群を抜いている。自分とは関係ないクラブの試合があれば行って応援してやり、英語科がカナダに出発するとなれば関空にまで見送りに行き、時に学校に来ない生徒の家に足しげく訪問して声をかける。クラブ指導など一切せず、休みは自分の好きなことだけして「要求ばかりする教員」とはえらい違いなのである。
・ 2時に始まった式典は懇親会を終えたのが17時であった。自宅に帰ると7時頃この先生からファクスが入っていた。その全文を示しておこう。「大阪府神社庁より表彰状を受けました。内容は夏祭りでの神社奉仕での功績でした。30年間生徒たちを引率してくださった先生方を代表して私が受け取ったと思っています」。
・ 「汗を流して働いてくれた生徒たち、有難う!!私も浪速に勤務して38年、最良の一日となりました。神社奉仕は永遠に続きます。浪速の生徒たちは最高です。私は今このような機会を与えていただいた校長先生に感謝の気持ちで一杯です。校長先生や先生方、有難うございました。今家内と喜びをかみ締めています。(以上原文のまま)」
・ そして署名が嘱託教諭小南健治とあった。明日朝は「今度は学校が表彰」だ。金一封を少ないが贈ることを決めている。「有難う、先生、そして今後とも宜しくお願いします」というのが私の偽らざる気持ちだ。
・ 今嘱託教諭が2名いらっしゃるが、お二人とも立派な先生だ。共通しているのは「欲深くない」ことだ。お年は幾分取ったといってもまだ60台前半だ。私はこの二人は元気な限り、来年も再来年も働いて貰うつもりである。それだけの「価値ある先生方」だ。
・ 自分のことだけで「損か得か」だけの価値観の人には橋下知事ではないが一生分かり合えることはない。もう一人さわやかな先生がいたがこの先生も早期退職された。その気概に感動して私は今有償で柔道の指導を週に2回ほどお願いしている。喜んできて貰っている感じだ。
・ 幅の広い教員は結局「損して得する」。「欲深な人間は得して損する」ということではないか。私は評価するところは徹底的に評価する。批判するところはこれでもかと言うくらいに批判するが、これらは組織を守るためだ。私は「大物ぶって笑って済ますようなことはしない。「言いたいことは言わせて貰う。」この点だけは知事に似たところがある。