2008年11月21日金曜日

11月21日(金)その2:広島県私立学校教頭会

・ 「広島県私立中学校高等学校教頭会」の先生方26名が本校を訪問してくれた。本年2回目の教頭研修会の対象高校に選ばれたということらしい。
・ 広島からバス1台にて来校された。まずビデオを御覧頂き、校内見学だ。生徒数が「1700人を超えてこの学校の静けさに驚きました」と言ってくれた先生がいらしたらしい。
・ 私の持ち時間は40分程度なのでまず最初に「教頭の職位と期待」と題して思うところをお話した。要点は:
 新文化創造へのリーダーシップへの期待
教員室に陣取り、日常的に教員と接する教頭はまず変化する学校の状況を分析し、変革を進める新しい職場風土を作り上げるための推進力に力を発揮すべきである。言わば常に変化していく状況に機敏に対応しなければならない組織の文化的素地の養生が大切である。校長の経営方針を受けて、個々の教員に語り、教員の意見も取り入れながら校長と教員間の双方向の適切な着地点を探ることが重要である。このことのために必要なことは具体的な現状分析と変革を進める建設的な提案が重要である。例えそれらの提案がその時点では着地できなかったとしてもその行為は後で何らかの形で残り、生きたものになっていく。職場での新文化創造へのリーダーシップが教頭の重要な仕事である。校長の経営方針はかかる土壌があって初めて花開くものと成る。校長に必要な資質はマネージメントであり、教頭にはリーダーシップが必要であると考える。新文化創造の旗手となれと申し上げたい。
学校全体の教育的リーダーシップへの期待
学校には教科、担任団、学年団、分掌と大きく分けて4つの組織で回転されている。一般社会には無い極めて特徴的な組織であり、この組織が良いも悪いも大きな影響を与える。特に今日、学校社会を取り巻く環境が変わり、生徒像も質的に変化していく中でここの組織が円滑に回転しなければ学校運営は出来ない。即ち「後手」を踏むか結局何もせず、「現状維持」に終わってしまうかである。分掌、担任、教科間で利害得失があるのは当然のことでこの調整が解決の迅速性の観点で重要である。これらの仕事はまさしく前述したように教員経験豊富な教頭の仕事である。
・ そして「資料つき」で「新勤務管理への移行」を少しだけお話した。言いたい事は「学校社会に初めて時間外労働という概念を作り出し残業手当を出現させたということです」とご説明した。聞いて頂いている熱心なお顔には驚きみたいなものが見て取れた。
・ 「 一宿一飯の恩義」があるから今度当方から訪問する場合は迎えていただけるだろう。お互いが懐を広くして開示すれば良い。私は最後に言ったのだ。公立がますます私学に近づいている。
・ 然らば私学は更に付加価値を高めるために教頭先生は「新文化創造の旗手となって頑張ってください」と。「旗手とはフラッグを掲げはためかすこと」である。その旗が何か良く見定めよと。
・ それにしても広島県の私学連盟は立派だ。このように教頭会を組織し管外宿泊研修会を実施しているのだ。「大阪にはない」。教頭同士が知り合うことは大きな力と成る筈だ。とにかく私立は閉じこもればどこも見学する機会や場所などない。閉じこもりと成るだけだ。本校は私が来るまで完全に「引きこもり、閉じこもりの学校」であった。
・ 従って私は通常の「外部出張には極めて寛大」である。今までの2年間で「ノー」と言ったことはない。とにかく「外を見てきなさい」が口癖になっている。学会や研究会も全て許可している。
・ 本校の先生が他校に友人を持ち、目が広がるのであれば大歓迎である。常日頃私は教員に言っている。「井の中の蛙になってはいけない」「外部に友人を持て」「外部の研究会や勉強会に参加しなさい」「外に出て行きなさい」と。
・ それは明らかに学校内部だけの内向きだけの先生と外部を知っている先生では「考え方に大きな広がりの差」があることを知っているからだ。まず部活動指導をしてくれている先生は幾分広い。それは他校の先生などを見知り時々話をするからだろうと思っている。
・ 進路指導の先生方も大学や塾予備校関係者と話をするから自ずと広くなる。このように何らかの接点を外部と有している先生は幾分視野が広い。本校は狭く、広がりが無いだけに外部に視野を広げて自ら拡張していく意識が大切である。これは私の大きな仕事だ。「本校を鎖国状態にしてはならない」し、教職員を「内向きのがちがちな常識はずれ」「時代遅れの学校」にしてはならないと戒めているのである。金は無くとも先生を外部に出す。