2008年12月10日水曜日

12月9日(火)朝読書

・ 12月5日の賞与一時金支給日のブログに私の願望、即ち「朝読書」について触れたが全く反応がなかった。従って翌日に担当教員を呼んで話をしたことは既に書いた。その後さすがに国語科は「前に進めて」くれているみたいだ。しかし「複雑な気持ち」である。
・ 複雑と言うのは「なんでやねん、校長がいわな、せえへんのかいな」「そんなにはよ出来んの」というところだ。「疲れる」というのが正直な感想だ。「言われる前にやったらどれほど素晴らしいか」。教員というのは「こういうものだ」と思わざるを得ないのか。
・ 企業ならつぶれているところだ。次々と新しい技術、新しい商品を出さないと市場に弾き飛ばされる。「学校はつぶれない」。生徒が来ている間はつぶれない。つぶれないから新しい企画は、しようがしまいが「関係ナーイ」だ。ここの相関に私は疲れると言っている。
・ 平成19年度は「学校の形」を作り直した。もうこれは「新しい学校の創設」と言っても良いくらい全面的に、本当に徹底して「変えた」。また途中であるが「残業と言う概念」まで学校現場に取り入れた。そして20年度は「中身の充実」と当初から宣言した。
・ そのために「学力と生活規範の向上」を全面に立てて取り組んでいる。教職員は頑張ってくれ、少しづつでも「手ごたえ」を感じている。しかし先行する他の私学をみるとまだまだだ。「これで良いと思ったら、進歩は止まる」。私学間の競争は激しい。今や公立とも取り合いになっている。
・ 「学力と生指は車の両輪」だ。生徒にとっても日常生活規範が出来ている生徒は「学力も高い、少なくとも進歩はしている」と言える。学力の絶対的高さも重要だが日々進歩しているという「実感」が重要である。そうであれば生徒は「やる気」になるものだ。
・ 生指と学力の双方に有効な手が「朝の読書」だと考えた。今や学校現場では「常識になりつつある朝読(略称)」である。インターネットで「朝読書」を検索して見れば良い。物凄い数が現れる。この朝読はもうこういう「一般常識の状態レベル」なのである。
・ 「朝の読書推進協議会」なるものもありホームページまで開設している。「朝の読書ホームページ」「広げよう、朝の読書」といった具合だ。もう「実践例のオンパレード」である。情報には事欠かない。「誰か研究している教師が本校に一人でもいるのか?」
・ 情報としてはまだ不確かな部分があるが千葉県の2人の高校教諭が提唱したもので、徐々に広がりを見せ全国的な取り組みに成ってきている。全国都道府県別実施校一覧というのがあり、小学校が16183校、中学校が7875校、高校が1902校というデータがここにある。
・ このデータは日々更新され以上の数値は20年12月5日現在のものだ。もし本校がやってくれたら1903校になるであろう。とにかく全国の小中高で25960校がやっているのだから「中途半端」なものではない。
・ 「実施率」というのもある。高校だけで言えば「全国平均が38%」である。「大阪府は埼玉県の15%に継ぐ16%」とどん尻から2番目だ。ここでも全国ワーストレベルである。「一体大阪はどうなっているのか」。橋下知事がしればまた「怒り狂うであろう」。
・ 沖縄も26%と低い。全国学力調査の結果と同じ傾向である。60%以上は岩手、山形、栃木、福井、山梨、静岡、広島、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島である。
・ 九州勢が頑張っているが例の大分は入っていない。44%と低い。大分は不正採用教員が多いからと言われないようにしなければならない。全国愛媛がトップで87%の実施率というから凄い。しかしそれにしても「大阪は恥ずかしい」。
・ どうも私の情報では「朝読の4つの原則」があって、実践例からすれば各校どうも同じような仕方である。
* みんなでやる
* 毎日やる
* 好きな本を読む
* ただ読むだけ、感想文など求めない

・ 時間はどこもかしこも10分間である。「10分間朝読書」というのは今や「熟語」になった感じがする。こういうのもある。「朝の10分間読書」。時間は大体8時30分から40分までが多い。
・ こういうのもある。8:30分から朝読書、40分から50分がSHRだ。そして8時55分から1限目が始まる。「学校の事情」に応じて様ざまな考えが出てこよう。特に朝講習や放課後講習などに影響を当然与えるが「優先順位」の考え方だ。
・ あれもこれもは出来ない。それに7限日であれば「部活」にも影響が出てくる。来年からは類で課程を変えるつもりだ。Ⅲ類が6,7限までしなくて良い。しからば当然朝読を入れて「1限目は遅らせて始める」と言う考え方も出てくる。疲れ果てて放課後の時間を延ばすよりも頭の比較的冴えている朝に読書をするというのもあるだろう。
・ 教職員は10分、15分延びようが勤務時間内だから問題ない。放課後講習を10分縮めたらどうだという考えも出てこよう。とにかくこれは「国語科だけの話ではない」。それでは絶対に失敗する。「全校のもの」にしないといけない。
・ 京華女子では「毎朝8時30分から40分まで学校と言うのがウソだと思えるほど静まりかえります」と言っている。「せわしない朝に心落ち着ける時間を導入したことでこの後の授業の能率も上がりました」。
・ その他「問題行動が減少しました」「遅刻が減りました」と良いことばかりの話なのである。「読書を通して自分を見つめる」事が可能に成ったのである。やらない手はないではないか。
・ 朝担当教諭が進捗報告で廊下での立ち話となったが「慌てることはない。しっかりと「事前研究が必要」とだけ申し渡した。管理職朝会で副校長が週3日とか簡単に言っていたが、研究が足りないわ。これではどうしようもない。
・ 私は理系出身だが文系大好き人間である。「事前に研究し考えに考えて企画案」をまとめる。ところが教師と言うのは本当に考え研究して「物を言っているのか」時々不安になる。大体「教材」はどうするのか。
・ ネットには「高校生のための一押しガイドブック」とか「朝の読書46校の奇跡」とか様ざまな実践例がある。これらをまず研究して物を言って欲しい。「カッコウだけならやめとけ」。やるなら成功するようにやって欲しい。本校の「付加価値を高める」ために私は気合を入れて言っている。