2008年12月18日木曜日

12月18日(木)その2:(旧)多聞小学校の買収

・ 平成20年12月18日午前10時過ぎ「大阪府南河内郡千早赤阪村議会」で村立の「旧多聞小学校の売却先」に遂に「浪速高校」が明るみに出た。そうである。学校法人大阪国学院はこの千早赤阪村立の旧多聞小学校を「有姿で購入」することを決め、かねてより村当局に購買を申し入れていたのだがこのように本日村議会最終日に「招致」が正式に決定し今後は具体的な交渉となる。今日で全てがオープンになった。
・ すでに12月11日には村長の千早赤阪村村長松本昌親氏と学校法人大阪国学院理事長の私との間で「購入」に関する公式な「覚書」を捺印して取り交わしており、今日の「村議会の決議」で具体的に一歩前に進むことになる。
・ これで本校は念願の「校外学習合宿施設」を保有することが出来る。名前は地元千早赤阪村千早地区に敬意を称して多聞小学校の名前から「多聞」を残し、「浪速中学校高等学校 多聞尚学館」と名づけることとした。多聞とは大楠公の幼名である多聞丸から付けたものである。
・ “尚”とは「たっとぶ、尊重する、重んじる、さらに」などの意味があり「さらに学ぶ」の気持ちを込めている。多聞修学館とか多聞練成館とか色々と考えたが当初の案に落ち着いた。始めてこの設備を見た時に私の頭に浮かんだものである。このように最初のイメージは強いものだ。
・ 現在改造工事の設計中であり、教室の改造、寝室、浴場などの設置を考えている。当初は「120名規模の合宿学習」が可能となるように考えている。学習合宿のみならず部活動合宿や教職員、PTA研修場所など幅広く活用できるように門戸を広げる考えである。
・ 全国的に見ても過疎により「廃校となった公立の小学校を一私立学校が買収」し、「校外学習合宿設備として未来永劫存続を図っていく」試みは珍しいもので、何より千早赤阪当局が当方の申し出でに積極的に対応してくれたことが今日に至った最大の要因である。
・ 特に松本村長と私の間の「信頼関係」がベースに出来、それがこのように早く「具体化」した理由である。今日の村議会で村長は「浪速にホスピタリティを感じた」とまで言って頂いた。
・ 特に私は地元住民のお気持ちがこのプロジェクトを左右すると考え最初から「誠意を持って対応する」とお答えした。特に最初から「多聞の名前は残す」と申し上げた。これは相当良い感触で受け止められたと感じた。
・ その他緊急避難場所として又グラウンドは老人会のゲートボール会場に文化祭は何時でも空き教室を開放するなど電光石火に申し出たのでる。こういう速い対応が行政当局の素早い対応を引き出したとも言えなくもない。
・ 初めて物件を見てからたった2ヶ月である。この設備は国庫負担で建設された公的設備であり、大阪の一私学に売却してくれるには関係当局の温かいご理解があったことも大きい。
・ 私が最初に村長に面談し、「売る意思はお持ちですか」とお聞きした時に村長が「この日の来るのを待っていた」と答えて頂いたのが今でも忘れられない。それは本年10月12日(木)であった。あれから2ヶ月でここまで話が進展したのだ。
・ 今回のことで「最も喜んでいるのは教員」である。今まで宿泊合宿する場所に苦労し、京都や湖西などの民間の旅館や研修を借り受けて実施していたが「使い勝手」が悪く、交通にも不便をきたしていたが多聞には学校正門前から1時間以内に行け、好きな時に使えるのが「嬉しい」という。「幸せな気持ち」になったと聞いて私は良かったと思った。
・ 全国的にも珍しいケースということで明日14時から千早赤阪村役場で松本村長と並んで「共同プレス発表」ということになる。その後19時から「公式な地元説明会」の予定である。
・ 今学校は明日の地元説明会の準備に大わらわである。担当は「お祝いの紅白のお饅頭」を地区のお方にお渡ししたいと準備している。又DVDを使ったPRや資料の作成もある。皆前向きで明るく頑張ってくれているのが嬉しい。
・ そして本日4限終了後生徒には「一足早いクリスマスプレゼント」としてこの施設のことを校長から校内一斉放送で伝達した。そして保護者には「嬉しいお知らせ」として概要をまとめたプリントを生徒に手渡したのである。保護者には喜んでいただけると思う。
・ 私の校内放送の最後には「3年生にはすまなかった。君たちには使って貰える機会がない」と言ったときには3年生の教室では「あーアッ」とため息に近いものがあったそうだ。後で3年生の担任から聞いた話である。
・ 極秘に話を進め、本件を知っていたのは一部の人間であったが今ようやく明るみに出て私自身「ホッ」としている。一つの大きな仕事をやり遂げた感じだ。費用についてはこの2年間の「学校改革」で自前のお金で買える。銀行からの借金が不要というのも嬉しい。これも学校改革に理解と協力をしてくれた教職員の成果であり、皆とこの喜びを分かち合いたい。
・ 橋下改革で遂に恐れていた「公私間比率7:3」が平成22年度から見直される方向になった。更に大阪の教育は公私入り乱れて激しい競争の渦に巻き込まれていく。「待ったなしの戦場」となろう。生徒の人気がない私立は退場していく運命になる。もしこれがなされたら「第2弾の合理化」が必要となる。即ち人件費のカットだ。
・ この施設を活用し教職員には「私学らしい生徒の面倒を見る」ことを徹底して欲しいと思う。それが唯一「本校が生き延びる道」である。今日「臨時の職員会議」を行い、少々厳しかったと思うが「我々を取り巻いている環境」について言葉を尽くして説明した。
・ この戦いは他との戦いというより「自分との戦い」であることを認識しなければならない。「凛とした職員室」を取り戻し頑張って欲しいと強調した。この変化とスピードについて来られない教職員は退場し若い常勤講師に場所を譲ってやって欲しいとまで私は述べたのである。
・ この多聞尚学館は副校長を初代館長とし、主坦を教務部長とした。そして多聞で頑張ってくれる教員の時間外活動については「手厚い処遇」を考えると表明した。私は浪速基盤強化のためにこの施設を自ら探し入手する。しかし「これを生かすも殺すも教員であると言明」した。「学校プラス多聞」、この「新しい組み合わせ」で何かが生まれてくることを信じて疑わないと述べたのである。