2009年1月21日水曜日

1月21日(水)第二回進路希望調査結果の発表

・ 朝、新聞に目を通した後、「入試広報室」に出向く。そして私が述べたことはメンバーの「20年度活動の慰労」と「21年度のキーワードとしての謙虚の言葉」だ。この言葉しかない。敢えて付け加えれば「誠実」だと思う。頭を低くし保護者、公立の先生方、塾の先生方に「お礼」を申し上げ、「謙虚と誠実」で21年度も頑張るように私自身にも入試広報室のメンバーにも言い聞かせたのである。
・ 各紙一斉に「平成21年度入試第2回大阪府進路希望調査」の結果を記事にしている。昨年が1月19日だったから今年は2日遅れである。公立、私立ともに生徒の志願先が数値で出ておりこれをみれば「各校の状態が一目瞭然」である。
・ 大阪の場合、これらの数値に奈良県や和歌山県の希望者が加わるしこの調査タイミングのあとまだまだ動きがあるので新聞の数値は途中経過のものだ。例えば「本校は専願併願合わせて2415名となっているが手元の今日現在の数値は2500名を超えている」。
・ 又これらの数値は進路相談の数値で実際に願書を提出した数値ではない。まだ変化はあるが一応大きな山場を越えたというところである。中高一貫校は高校での外部入学は制限されるし。最初から定員が少ないところもあり、今日の新聞発表の数値で「学校の実力」など図れるものではない。しかし一部の学校を除いて一応「専願数値と併願数値の合計数値は人気度を示す」といっても間違いではなかろう。
・ さて今日の新聞数値で言えば「浪速、断トツのトップ」である。「群を抜いている」とはこういうことである。20年度が同じタイミングで2090人であったが今年21年度は2415名である。「倍率が昨年は5.7倍が今年は6.58倍」となった。私学平均が2.54倍だから如何に凄い数値だと言うことが分かる。
・ 新聞各紙は揃って「私立髙 専願者11%減」と書き、「大阪助成カット影響も」との見出しである。専願率が15.69%と過去最低であった。本校も専願数は減少している。この春公立中学を卒業見込みの生徒7万654人のうち、私立高の専願者は101086人で全年度より1404人の減少だ。
・ 一方で「公立の人気」は高まり、前期日程の平均競争率は1.41倍と昨年の1.32倍を軽く超えている。「景気低迷」のほか「橋下改革での私学助成削減の影響」で本校も含めて「半数以上の学校が授業料を値上げ」したことが影響しているとの記事である。しかし本校も相当授業料を上げさせて頂いたが・・・。
・ 府公立中学校校長会は「保護者の経済状況によって進路を変更せざるを得ない生徒がいる」とコメントを出している。ただ私はそれだけではなくて橋下知事の教育改革メッセージが力強く生徒保護者に伝わり、「公立高校への期待」が高まったことも要因であろう。
・ 各校別に見て見ると際立った特長がある。専願はいずれも減少しているが併願数値でも格差が大きい。専願+併願の合計数値で比較してみる。

   浪速(2415)、大阪学芸(1964)、常翔学園(1729)
   大阪産業大学付属(1713)、大阪商業大学堺(1711)、大阪(1671)
   四条畷学園(1562)、桃山学院(1535)、近畿大学付属(1442)
   清明学院(1337) 以上がトップ10である。
・ 清明学院さんの健闘が目立つがここは授業料を上げず府内最低レベルの授業料を標榜する経営戦略であり、昨年の991名から大きな伸びを示した。「学校の姿勢が府民に支持」されたのだろうと思う。
・ 男子校では「興国」さん、女子校では「堺女子」さんが何時ものように頑張っており、大阪国際滝井高が伸びている。興国、堺女子の実務経営責任者は女性の先生で創業者のお嬢さんである。遂この前にある会合でご一緒になり食事を共にしたところだが「とにかく若いし発想が柔軟で行動派」であることは間違いない。「塾関係者の評判がすこぶる良い」。だからこういう数値を出せる。
・ それにしても「女子校の厳しさは予想以上」だ。定員に満たないところが多い。ある学校などは90名の外部募集に専願併願合わせて42名と言うところもある。又某大学のグループ入りして冠に大学名を付け、学校名を変えても240名の募集に対して専併2コースで42名だから、これはもう他人事ながら教室が成り立っていかないのではないか心配になる。
・ 今回分かったことは「大学名を付けても」すぐに大きな効果は期待できないということだ。それはそうだろう。鳴り物入りの早稲田摂陵さんは印刷ミスではないかと思うくらいだ。外部募集275名になんと33名だからこれは何かの間違いに違いない。
・ 初芝立命館さんも本校と同じ400名の募集で535名だからどうなんだろう。最も1.5次や2次もあるからまだ分からないが、強力なブランド力である立命館大学、近畿大学、早稲田大学の名前だけではどうも「アッピール力」に欠けるということか。
・ 入試広報室はこの新聞記事を見ながら「喧々諤々」議論をしていた。彼らは「脚で情報をかき集めている」から時に生々しいくらいの情報を有している。彼らは言う。「学校全体の求心力が勝負」だと。「トップの姿勢こそ重要」と強調する。
・ 「学校全体が一枚岩」になって、それを入試広報のメンバーが代表して「学校広報の責務」を負っているという意識を持ってくれているのが嬉しい。塾などに赴き、「学校内部のことをあれこれ悪口」を言ったりするような学校もあるらしいが、本校はまさに「誠意」を持って「チームワーク」でメンバーが広報活動に当たってくれているからこのような結果が出たのである。私はそのように思っている。
・ 昨年は「科・コースを全面的に見直し、SS(理数科)。Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類と初めての募集」であり相当心配したが「改革2年目の今年もこのような数値を府民の方々から頂いた」。「浪速改革の第二章」は取り合えず「順調な路線上にある」ことが確認できたことで、私は正直「ホッ」としているのだ。
・ 断トツのトップで2400名を超えて2位との差が500人近くもある状況に「うぬぼれてはいけない」。謙虚に誠実にだ。「大切なことは生徒を集めることではない。選択して本校に入学してくれた生徒に何を与えるか」と言うことである。
・ 「 理数科とⅠ類に関して1.5次募集をすることを管理職朝会で決定」した。これ以上に未だ要るのかとブーイングを受けそうだが、必要だ。日程は今後早急に入試広報室が決めるだろう。さて「志願者の数値は抑えた。」しかし本当の問題はこれからで「併願戻りが幾らになるか」である。併願者から実際に何名来てくれるかという問題である。
・ 併願戻りについては公立回帰の現象の中で「例年並みか例年以下か」さっぱり分からないのが実情である。それは「3月24日(火)の公立高校合格発表日」まで分からない。その日まで「私立高の辛抱の日々」が続く。教員手配も教室用意もそれからだ。しかしそれでも「一安心」できる。「良かったー」。数が少なかったらそれこそ大変だった。「良かったー」。