2009年1月22日木曜日

1月22日(木)オバマ大統領誕生

・ 「新しい世界の歴史の1ページ」がめくられた感じがしますね。考えてもみなさい。単なる一国の大統領の交代が、これほどまでに世界に「熱狂、興奮、期待、希望、清新、勇気・・・」みたいなものを与えたのはついぞ珍しいと思いますね。
・ 「米国に黒人大統領が誕生」しました。「バラク・オバマ氏47歳」ですよ。47歳。世界一の国力、軍事力、とにかく一強と言われる国に47歳の大統領が誕生しました。僕は若い頃アメリカで住んでいたことがあるから、この米国民の熱気が伝わってくるような気がするのです。
・ 僕が駐在員としてニューヨークに着任した時はカーターからレーガンに変わった時でした。「レーガンが地すべり的な圧勝」をした時の「ニューヨークっ子」の街頭でのお祭り騒ぎの熱気を今でも覚えています。
・ しかしアメリカと言う国は「凄い国」ですね。「自由と平等」を建国理念に掲げながら奴隷制や有色人種への差別という「原罪」と格闘してきた国です。オバマ大統領自身、就任演説で「つい60年ほど前に地方の食堂で食事をすることさえ許されなかったかもしれない父親を持った男が今最も神聖な宣誓をした」と述べています。
・ 私がニューヨークに駐在したのはもう30年弱前のことですがNY近郊の「名門のゴルフクラブの会員」「JJは駄目」と言う時代でしたよ。「ジューイッシュ:ユダヤ人とジャパニーズ:日本人」の意味ですね。私は差別されました。
・ 180人万人以上の人が集まった首都ワシントンでペンシルベニア通りをホワイトハウスへ向かって歩く大統領夫妻の姿をテレビで見ながら私は「時代の変革」を感じました。
・ ところで世界が注目した「就任演説」でしたが、実感は「地味な抑えたトーン」だったと私は感じました。彼ほど「演説の上手い」政治家は最近では知りません。あの激しい選挙戦を潜り抜けてきた彼の唯一の武器は「演説、話しぶり、トーク」だったと思いますよ。ある大学の先生がコメントを出して「大統領候補から大統領になった演説」と評していましたが「上手いことをいうものです。」
・ 第44代大統領として就任演説で「我々に必要なことは“新時代の責任”だ」と述べています。「What is required of us is a new era of responsibility」ですね。昨日の読売新聞夕刊は「国民に覚悟を問う」との大見出しです。
・ J.F.ケネディの就任演説は余りにも有名で、私もこのレリーフを自宅に飾っていますが「国民が国家に何かを期待する前に貴方方が国家に何をすることが出来るか考えよ」と言う意味でしたが、これと根底では通じていますね。
・ 「Change」、「Yes, we can」を訴えて当選した、新大統領はここで「変革の期待」に沸いている米国民に「責任」というメッセージを込めて「覚悟」を問うているのです。この辺が「素晴らしい」。「責任と覚悟」、私の大好きな言葉です。
・ そして次のキーワードは「米国再生に着手」だと言っています。「Starting today, we must pick ourselves up , dust ourselves off , and begin again the work of remaking America. 」と表現しています。それにしても分かり易い英語でこれなら本校の中学生にも分かる単語の羅列ですね。人種の坩堝と言われている米国ならでは配慮だとおもいますね。
・ 「今日から我々は立ち上がり、ほこりを払って、米国再生の仕事に着手しなければならない」と訴えています。“ほこりを払え”などとは面白い。「古い意識を変えて仕事をしろ」と言っているのです。
・ そして大統領は「融和と平和」について語っています。「For the world has changed. And we must change with it. 」です。「世界は変わった。だから我々も世界と共に変わらねばならない。」私も言い続けてきました。「浪速は変わった。だから教員も浪速と共に変わらねばならない」と。
・ 圧巻は次のフレーズです。「Our success depends (upon) honesty and hard work, courage and fair play tolerance, and curiosity loyalty and patriotism 」です。
我々の成功は誠実、勤勉、勇気、公正、寛容、好奇心、忠誠心、愛国心にかかっている」と言うのです。
・ 「浪速の成功は教員の自らの仕事に対する誠実、勤勉、勇気、公正、寛容、好奇心、愛校心にかかっている」と僕も言いたい。最も僕も寛容の精神は少し欠けていることを常々反省していますがね。
・ 新大統領は経済情勢では「大胆で迅速な行動が必要」と訴え、その具体策として「太陽や風力や地力を活用すると述べ環境問題に真正面に取り組む姿勢」を明らかにしました。「グリーン・ニューディール」政策です。景気対策で「定額給付金をばら撒く」日本の政治とこういうところが違う。
・ 今はご祝儀相場で「歴史に学ぶ改革者」と言われていますが見るからに「頭脳明晰な感じ」がします。最後はやはり「頭の中身」なんだというのも事実ですね。日本のテレビなどマスコミまでもが極めて「好意的な扱い」に驚きます。麻生総理に対するものとは大きな違いですね。
・ 僕も当面はオバマ大統領に大いに期待したいと思います。しかし同時に彼が民主党員であるから徐々に「社会民主的」な味わいを出してくるものと予想されます。「日本との関係」も徐々に変わってくるのではないでしょうか。この点を心配しています。日本の頭越しに中国との関係が進むと世界秩序は大きく変わってくるだろう。私は「取り残された日本」となることを心配しています。
・ しかしアメリカに比べて日本の政治の「体たらく」はどうですか。「定額給付金」「消費税問題」とか建前は良いが言ってみれば党利党略で国民不在の茶番劇です。どうでも良いようなことばかりに国会で論争しており、全く持って論評する言葉もありません。「脳死状態」ですね。
・ しかしオバマ大統領47歳、大阪の橋下知事37歳、世界のトヨタ自動車の新社長が52歳、もう「若いがゆえに駄目」という時代ではなくなってきました。中央政治を牛耳っているのは皆70代以上の「クソ爺」ばかりです。若い優秀な政治家の登場を期待したいですね。各言う私も年寄りですが引き際だけは誤りたくないとつくづくと感じています。