2009年2月4日水曜日

2月4日(水)21年度人事

・ 「今日はお会いできるのを楽しみにしていました。お越し頂いて光栄です。早速ですが日本経済はどうなるのでしょうか。バンカーとしてのご意見を直接お聞きしたいと思ってました。」昨日の11時過ぎである。
・ 何と大手銀行の「りそな銀行の社長」が一介の私立高校を訪問してくれたのである。昔風に言えば銀行の「頭取」である。大銀行の頭取が本校に表敬訪問に来てくれるなど古今東西初めてのことで、当然の事ながら現在の呼称である地域部長、昔で言う「銀行の支店長」がアレンジしたものだろう。確かに「この学校は今一番元気で面白いから一度訪問されたらどうですか」と上申したらしい。
・ 本校のメイインバンクではあるがそれほど「借金」はしていないから理由の程は分からないが「今、大阪で注目の私立高校で新校舎建設を計画中」で、頭取自ら「現場を歩く」対象として選ばれたことは間違いない。内々の審査かも知れない(?)。
・ 名刺交換の後、社長(頭取)は「理事長は高津もやられていらっしゃったんですね!」と聞かれる。「実は私は南中(大阪市立南中学校)で高津に行く予定だったんですが結局灘に行きました」が冒頭の会話になった。
・ 灘高校から東京大学に進み、旧の協和銀行に入行、社名変更であさひ銀行となり支店長を歴任し、人事部長を経験、大阪に転じ、営業部長など歴任して近畿大阪銀行の社長,りそな銀行の社長という典型的なキャリアパスを踏んで来られている。
・ 「会話は弾み、時の忘れる」ほどであった。当方はDVDビデオを見ていただいて学校への理解を深めて頂いた。この先「新校舎建設」で「融資」をお願いせざるを得ない局面もあるだろうし、とにかく「銀行は社会の情報の集まるところ」である。今後ともお付き合いを大切にしていきたいと思っている。
・ こういうトップ同士の訪問は事前にお互いが相手のことを調べ上げているのが常識で私も社長の学歴職歴を詳細存じているが相手も私のことを調べ上げて会談に臨むのが日本の企業社会の常識である。当然日本の「製造業のことに話題が集中」する。久方ぶりに「企業社会の雰囲気」を味わった、「懐かしかった」。
・ ちなみに冒頭の私の質問に対して頭取は「自動者不況ですね。家電不況は何時もある振れの範囲?自動車は明らかに「過剰消費」が問われたことで、アメリカのビッグ3はあれは実態としては倒産ですよね。日本は技術力があるからまあもう一回寒い時機が過ぎれば(1年くらいのこと)持ち直すんではないですか・・・」と議論は政治家などの経済論ではない、「実体経済を語る」から本当に面白かった。

・ 昨日から「来年度人事の内示作業」が始まっている。例年通りのタイミングである。人事は「組織の活性化」を生み出すもので「それが狙い」でもある。よく「前任者と同じように」という型どおりの挨拶をする人がいるがそれは間違っている。
・ 同じようにするなら「人事交替」は不要である。トップが代わればじわじわと組織が変わっていく。当然良いように替わっていかねばならない。これを「人心一新」という。
・ 見当違いの全く無茶苦茶のトップを当て嵌めたらその組織は「直ぐ腐っていく」が今はそのような話は聞いたことがない。本体を揺るがすような「アホな人事」はしないということだ。

・ 本校に初めて「指導教諭」が誕生する。指導教諭とは「非管理職」ではあるが「経験、能力、実績」ともに申し分なく、若手教員の指導もできるベテランで当然「人物的にも、社会的にも立派な先生」を対象としており、年令は55才以上からである。
・ 従来学校には教諭、教頭、校長という「単線」であったのをここ数年前から「複線化」の動きが出てきて全国では主幹、首席、指導、スーパーティーチャーなど呼称は様々である。「元気一杯」頑張っていただけるように「処遇」として定められたものである。
・ 12月理事会で正式に導入が決定され具体的な当て嵌めがこの4月1日になされると言うわけだ。「栄えある第一号の指導教諭の誕生」である。共に喜びたい。名前だけでは意味はないので現在処遇基準について最終整理中であるが:
* 60歳からの給与減額幅が基準の1/2となる。
* 人材評価育成システムの自己申告表の提出義務が免除される。等々
となろう。

・ 新たに中学校に「統括学年主任」という職位を設けた。これは「全学年に物言い、指導する権限」を与えたものでそれくらい「中学校を重要視」していると言うことである。来年は「関西大学浪速中学校」とする方向で協議しており、大きく浪速中学校の性格が変わってくる。
・ しばらく中学校の教員は「固定」して「ノウハウの蓄積」を図らねばならない。「生徒思いで身を粉にして働く教員の集団」とする。その教員集団の「兄貴分」が統括学年主任である。

・ 新たに高校に「インテンシブ」というコースを設定した。「強化コース」という意味である。何を強化するかと言えば、当たり前のことであるが「学力」である。略称は「K1」とした。
・ Kとは副校長が考えたのであるが「関西大学のK」と「木村のK」だと言われる。更に新たにコース長に内定した先生のかしら文字を取ってのKでもあるそうな。とにかく優秀な人材を「関西大学」に送り込まねばならない。「関大強化コース」の意味なのである。

・ 大きな仕組みの変更として「入試広報室長」は単独で「校務運営委員会の常任メンバー」として格上げした。そこに中堅働き盛りの44才の教員を副室長として宛て嵌めることとした。中学校、塾などの外部に対する「本校の顔」に育って貰わねばならない。

・ 校務運営委員会の先生方には月額手当を来年度から更に「5000円」上げることにした。公立学校の校務運営委員というか校務分掌の主事手当ては条例で定められており、大体月額5000円弱となるが(それは日割り計算だから)本校ではこれで「3倍の手当を支給」できるところまでになった。
・ 3年前にはそのような「配慮」などなかった。テレビコマーシャルで財津一郎扮する中小企業の社長の奥さんが「うちの社長はちゃんと従業員のことを考えているからね」と福利厚生の充実のことを自慢して言っているが本校はそこまではいかない。「役職手当」であるが、分掌長への理事長の「敬意の気持ち」だ。
・ これに関連して「教科長」や「特別委員会の委員長」の手当ても上がることになる。手当とは色々な考え方があるが難しいことは言わない。「誇りと些かの額の汗を持って頑張って欲しい」という「誇りと汗代」だ。「埃りと冷や汗代」ではない。
・ これで「残業代」「役職手当」と大体の制度設計は形が出来てきた。財源は様子を見ながら「調整手当て」での調整を考えている。担任と非担で差を付けることになるか、年齢構成で差を付けるか検討中である。前から教員には言っており「時間外手当問題が落ち着いて来た」のでボツボツ具体的な検討に入らねばならない。
・ 教職員「全体ではプラスマイナス差のない話」である。要は個人的に温度差、強弱を付けると言うことだ。役職にある人とそうでない人、頑張っている人と普通の人で合理的な差をつけると言うことになる。これで一連の人事処遇制度は一段落する。後は「橋下知事の出方による。」