2009年2月19日木曜日

2月19日(木)定期昇給

・ 昨日の朝、進路指導の部長、副部長が顔色を変えて報告に来て呉れた。なんと「防衛大学に4名合格」したと。これは「初めての快挙」であり、「ビッグニュース」である。例年は1名程度であった。又「関西大学」へは対昨年度「倍増」である。「進路実績」も延びてきた。何とかという芸人ではないが「キターッ!」と言う感じだ。
・ それにしても「国の防衛の要である幹部候補養成の士官学校」である防衛大に今年のように4名同時と言うのは「凄いッ」。防衛大の入学式に高校の校長くらい「招待しろ」って言うんだ。30年後40年後の航空幕僚長などが出てくれれば嬉しいがー。
・ 今日は「高校1.5次の入試」である。志願者は少ないから「大きな作業」とはならないが手間隙は同じの「重要な仕事」であることには間違いはない。16時から判定の会議を行った。しかし面白いのは既に本校に合格しているのにも関わらず「類を上げて再チャレンジ」したいという生徒が含まれている。その「心意気や素晴らしい」。
・ 今日で公式業務が最後になるK教頭が「本年度の生指活動のまとめ」を説明してくれた。「これは耀く実績」というか「大きな業績」である。本当によくやってくれた。大学に転出しても頑張って欲しいと念願するが彼ならやるだろう。この2年間じっくり見てきたが「出来る男」だし、私の元で2年間、「組織の運用」について肌身で勉強してきた筈だ。福知山に単身赴任だ。体に留意してとにかく頑張って欲しいと思う。
・ 「金剛山登山」も終えて本年度の行事も来週は最大のイベントである「卒業式」となる。教務部長と3年生の学年主任が進行のスケジュールをほぼ決めてくれた。今年は初めて「名誉理事長が出席」してくれることになっている。卒業生のために「大いに盛り上げてやりたい」と考えている。
・ 昨日の金剛山登山のセンターであるI教諭が脚につけろと何やら「白い塗り薬」を持ってきてくれた。ふくらはぎにつけろと言う。「そんなものつけなくとも良いのになー」と思ったが折角なので貰っておいた。その後も体育科の教諭が入れ替わり立ち代わり部屋に入ってくる。要は私の足の状態を観察に来ているのだ。わざと平気を装ってやった。
・ 朝一番にPTA会長にお礼の電話をした。大変よくやっていただいた。トン汁や鍋や炊飯器までPTAの寄贈だ。これも嬉しい限りだ。来年は会長となられる副会長も多聞尚学館が完成したら「PTA研修を多聞でやりたい」と早速言っておられるそうだ。
・ 他の私学の経営者が昨日副校長にある用件で電話があったそうだ。「浪速さんは塾の話では“公立からの戻り”は高いともっぱらの評判ですよ」と。副校長曰く、「リップサービスですよね」と言っていた。最近、この経営者の希望にかなう良いことを本校がしたから、このように言ってくれているのかも知れない。

・ 初の「中学校体育大会の成功」、「びっくりするような志願者の数と入試事務の順調さ」「多聞尚学館の買収」そして今回の「金剛山登山」と全てが「パーフェクトに遂行」されてきた。今私はこの「順風満帆」に一抹の不安を抱くのだ。こんなに「上手く言って良いのか」と。
・ こういう時に若い頃に読んだ「菜根譚」の一節を思い出す。「人間得意の時、即ち失意の悲しみを生ず」と言うものだ。人間は愚かなもので、得意絶頂の時には気付いていないが失敗や低下転落の芽は既に絶頂の時に出ているのだという意味である。
・ この菜根譚は本当によく読んだ。若い自分だから今考えてもおかしい気がする。「爺さんの読む代物」みたいな感じがするからだ。それにしても一節までも覚えている自分に驚く。「若い頃の読書はこれくらい頭に入る」のだろう。
・ とにかく、「謙虚」と言うことに尽きないか。「調子」にのってはいけないのだ。「脚下照顧」だ。足元をしっかりと固めて一歩一歩進めていくことが肝要である。これは教職員だけに言っているのではない。「自分自身への戒めの言葉」だ。

・ それにしても政治も経済も「空恐ろしい」ことになってきた。「アメリカは壊れた」と言って良いのではないか。自動車産業のビッグ3への救済策は「際限がなく」、遂に9兆円という。これは完全に「破産企業」だ。
・ 更にオバマ大統領は最大900万所帯への救済対策として公的資金を7兆円つぎ込むと日経の記事にある。もう「形振り構わず」といった様相だ。この影響を受けて「日本経済も最悪」となってきた。
・ 与謝野大臣は「戦後最大の経済危機」と表現していたが、その実感は私には大変良く分かる。それは一般の人には感覚として分からないだろうが「粗鋼生産」が「過去最大の落ち込み」となったことである。各紙とも経済面にある。
・ 1月度の「生産量が37%減で40年ぶりの低水準」という。大体高炉メーカーでは一月の生産量が1000万トンというのが日本の規模であり、「産業の米」といわれる粗鋼生産を見ておけば大体経済動向が分かるのだが600万トンという、この数値は「衝撃的」だ。鉄鋼業で働いていたからよく分かる。各社とも稼動高炉を調節しているが、大変なことになったと感じる。
・ そういった中で「春季労使交渉」が始まった。いわゆる「春闘」である。恐らく「賃上げどころの話ではない」だろう。「雇用維持」が焦点になるのは間違いない。日産や東芝は本格的に「ワークシェア」が議論されると思う。
・ 私が注目しているのは各社が「社員の兼職兼業」を認め始めたことだ。「給料が減少」するので、「外で稼いでも構わないですよ」というものだ。今回の経済危機で今までの「日本型雇用形態が変化していく」のではないか、そのように感じて成らない。
・ 一方摂津市や吹田市など数名の市役所職員の募集に全国から数百名の応募者が殺到しているという。「民間はもう嫌、安定したリストラのない公務員が良い」と骨身に感じているのであろう。勿論「教職」への憧れは多いだろうが、これは簡単にはいかない。国家資格が必要だからである。
・ 言いたいことは「安定の職業」に「ただ乗り」してはいけないと言うことである。「教師と言う職業を選択した幸せ」を感じるのは良い。良いが同時に「社会の厳しさ」を感じて貰わないといけない。相対的に恵まれた者への視線は厳しくなるものだ。
・ 今日の職員会議で私は今、平成21年度の「定期昇給」については「実施する方向」で検討していると表明した。生徒数が確保出来そうな見通しを得たからである。しかし今世の中で「定期昇給をしている会社や私立学校」は段々と少なくなっているという「現実」に気付いてもらわないといけない。1年経ったら皆同じように給料が上がるという今までの常識は最早ありえないということである。