2009年3月12日木曜日

3月12日(木)公立志願状況最終集計

・ 朝から「幾分憂鬱」である。遂に平成21年度大阪府公立高校「後期入試志願状況」が発表された。昨日の16時に出願が締め切られて「最終集計」として今朝の各紙が大きく記事にしている。
・ 1昨日が中間集計であったが、我々の「想像を超える事態」が起きている。これは「一大事」と言っても良いかもしれない。「従来の志願状況を塗り変える変動」と言っても良いかもしれない。それくらい今年の志願状況は例年と「様相が異なる」のだ。
・ 私は「時代の潮目」と管理職朝会で表現した。即ち長い間続いてきた大阪府の公立学校、私立学校の言ってみれば「志願秩序」が大きく変わって来ている。「その背景は一体なんだ?」と今朝も時間を取って議論したのだが、確信をもって読めない。
・ 大阪府民の経済状態の悪化、橋下改革による私学助成金の削減による私学授業料の値上げ影響、基本的学力低レベル層の増大、就学意欲の低下層の増大など「様々な要因が輻輳」しているのだろう。
・ 何処の私学もそうであろうと思うが我々は今朝の発表記事を見て「併願戻りを想定」する。それは今までの入学実績を知っているからだ。即ち「どの公立高校からの併願戻りか?」ということだ。「偏差値レベル」による中学校サイドの「輪切りによる進路指導」が徹底されているから大体想像できるのだ。
・ 過去のデータを参考に今年の各公立高校の「定員と志願者の数の差」を見ながら読み解けば大体併願戻りの数は読める。だから本校に従来から来ている公立高校の志願者数を私は目を皿のようにして見つめるのだ。
・ 本校の場合、公立の学区は「新4区が主体」で少し3区にもある。市内南部の学校だから北摂の方は余り関係ない。従って特に4区が重点である。今年の受験者数は2500名を数え、「多くの合格者数」を出したが、それらの生徒が「最終的にどこの公立高校を受験するか」はまだ我々には全く分からない。即ち直前まで流動的な部分があるからだ。
・ 我々の分析結果はここには書けないが「厳しい数値」が突きつけられた。特に4区の有力なI高校が今年から定員を320名から360名と1クラス分増やしているのも大きい。従来であればここからかなりの戻りがあったのだがそれは今年激減した。
・ 昨年この高校は「志願倍率」が1.44倍であったが今年はなんと1.14倍と低下している。即ち「併願戻りの対象となる不合格者の予想値」が少ないからだ。「母集団が減少」しているのである。
・ 3区と4区で本校が読む学校を10校とすると予想不合格者数の合計はなんと大きく減である。「何処に消えたのか?」。それが問題である。そこを我々は探り続けているのだが、どうも良く分からない。もう十数年この仕事をやっている教頭も初めただという。
・ 今年の大きな特徴はいわゆる「教育課題校に志願者が集中」している。正確に言えば学区で少し違うが従来定員割れなどする厳しい公立高校が多くの志願者を集めている。4区で言えば2校の課題校の定員との差異はほぼ300名である。
・ 言い換えれば300名の中学生はこの二つの公立高校を不合格となったら一体全体どうするのかと考えてしまうのだ。勿論2次募集とかあるにしてもこの2校を落ちたら上のレベルの学校に行ける可能性はほとんどないと考えられるからだ。
・ 「15の春を泣かすな」と公立中学校、公立高校、私立高校が今までタイアップしてきたが「どうもおかしい」。今年まことしやかに囁かれていたのは「公立2ランクダウン」という言葉である。即ち家庭の経済問題から「公立志向」は大きく、確実に合格するために「偏差値のレベルを2ランク落とした公立受験」で「がっちり固めよう」と言う意識が働いているのではないかということだ。
・ 分かり易く表現すれば「チューブに水を入れて垂直に持つ」と下の方が膨れて長いなすびみたいな現象である。こうなると特に本校のように上位にある学校は影響度合いが大きい。
・ ところが学区のトップ校は志願者を増やしている。これは別の現象で「上位私学ですべり止め合格を得た受験生」が思い切って「公立トップ校にチャレンジ」した結果ではないか。背景は生徒減少を危惧した有名私立が従来からの「ボーダーラインを落として生徒確保」に走ったということである。
・ 従って今年の特徴は一部の公立進学校が少し志願者を増やし、中間部は減り、ボトムは丸々膨れ上がった、実に奇妙な形状の志願者構成となっている。更に極端に言えば公立を落ちたら高校進学など「もうどうでもええわ」という層が出始めていると考えられないか。
・ 「高校に行け、行け」というから「行ける高校の受験」はするが、そこを落ちたら「何処にも行かない」と言う層の出現である。若しそうだとしたら彼らは当然しっかりとした就職などないからフリーター予備軍となる可能性がないとも限らない。「 中学校の進路指導に変化」が出てきたのか?
・ これは「恐るべき事態」で社会問題化する可能性があるとまで事務長と入試担当教頭は言う。昔はやった「公立単願」というわけだ。彼らは併願私学などは受験していないから公立が駄目だったら行く学校がないのである。
・ 全く「想像を超える出願状況」で私の戦略も「一部修正」となるかも知れない。今「生徒数減」に対応して来年度以降の「教室数の手配や教員配置」などに修正が出てくることを覚悟しておかねばならない。
・ 冒頭書いたように「時代の潮目」を感じる。少子化、100年に一度と言う経済危機、橋下知事誕生による公立学校の改革と公立回帰、私学助成の削減による授業料値上げによる私学離れ、全体的な学力低下層、就学意欲の低下層の増大などが「一挙に押し寄せてきた感じ」がする。
・ 私はつくづくと思う。大阪天満宮や道明寺天満宮の宮司が私を招聘して2年でここまで体力を回復していたからこそ、「冷静に事態を観察」できるが、後1年遅れていたら「やばかった」と思う。我々は既に厳しい事態に備えている。 どうも併願戻り「」は「低下することを覚悟」しなければならないかもしれない。
・ 「運命の3月24日」はあと10日間ほどだ。やるだけやったから結果はどうあろうとも「浪速はびくともせず」、やるべきことをしっかりとやっていく。「9日、10日、11日と3夜連続してブログ」にアップしたことを徹底していけば十分持ちこたえられる。
・ ますます「浪速中学校が重要」になってきた。関西大学との特別連携で浪速中学校のステータスを上げて「浪速高校の専願者」を増やすことに尽きる。「関大と多聞尚学館」、本校に入学してくれた生徒を徹底的に鍛えて「生徒保護者の信頼」を勝ち取ることが「激しい競争に打ち勝つ秘訣」である。「教職員の奮励努力を期待」したい。