2009年7月27日月曜日

7月27日(月)多聞尚学館の食事







・ 吉田兼好の書いた「徒然草」風に言えば「今、浪速で評判なるものは多聞の食事、中でもご飯といふべきなり」と言ったところか。とにかく「多聞尚学館の食事の評判」がすこぶる良い。
・ 「多聞というハードウエア」は完成した。しかし「ソフトウエア」はこれからだと思って私は多聞から帰ってきた先生へ「生徒のアンケート結果」義務付け、詳細報告を受けている。改善すべき点があればそれを「クイック」に「対策に反映」するのだ。
・ その中で「食事に関してのクレームは殆どない」のである。無いと言っても良いくらい「宿泊者の評判が良い」のである。もちろん「値段あってのものであり」、一流料亭の料理ではないのだから、「一般的な常識の範囲」での話である。
・ 多聞開館に当たって様々な仕事があったが、実はこの弁当屋さんを探してきたのは進路指導部長のN教諭である。それも「たまたま偶然」らしい。千早赤阪村に近くて「仕出し」をしてくれそうなところをネットで探し、最初に訪ねたところが今のお弁当屋さんである。
・ 河内長野駅前にある「和風茶屋 中谷」という。お店の名前は和風茶屋とあるが、お店を譲り受ける前の名前で、今は普通の「お惣菜屋さんであり、お弁当屋さん」である。「試食会」まで行い館長以下皆の「合格サイン」を得て「とんとん拍子」に契約がまとまったのである。
・ 経営者は女社長さんで何と千早赤阪村出身でこの辺の地理にはめっぽう詳しく、私は「縁の近さ」を感じたものだった。当初は「お弁当箱」方式、すなわち「ランチボックス」スタイルでスタートしたが確か2ないし3回目の時に英語科のM教諭が今日的スタイルで「バイキング形式」のアイデアを出して、私は「飛びついた」のである。
・ これはお弁当屋さんにもすぐ受け入れられた。それはそうだ。いちいちプラスチック 箱に入れなくて済むし、第一「ごみが出ない」から「エコ」なのである。生徒も大変喜んでくれた。
・ ところが当初の問題は先に食べるグループは好きなものを多く取るので、遅れて席についたものは残っているのは「お漬物」のみという事態が発生し、それからは2班に分けるなど工夫している。
・ このお弁当屋さんは手間暇惜しまず頑張ってくれており、「食育」の点でも言うことはない。長期休業中などの「ロングステイ」では朝にトーストやパンを持って来たりして「メニュー」にも工夫を凝らしてくれているとのことである。
・ 「姉の女社長」はお店を仕切り配達もかねている。多聞に篭って仕事をするのは実妹のお方だ。「美人姉妹」である。妹さんは多聞でまずお米を研いで大きなガス釜で焚き、「ほっかホッカ」のご飯を大きな「ジャー」に入れて食堂に運ぶ。これが大変良いのだ。「ご飯くらい温かいものを」という私の「思い入れ」なのである。
・ 終われば食器を洗い、すぐ次の食事の準備となる。「朝昼晩と3食」のご飯の用意は大変な「労働」であるが、これが「ビジネス」だろう。「おかず」は河内長野のお店で作り車で姉の女社長さんが「頃合い」を見て運んでくる。「大変な作業量」であるが今までのところ「トラぶった」ことはない。余程「責任感」が強いのである。まさしく「プロの仕事」である。
・ お米は学校支給として「超一級品」の10キロ5000円の「コシヒカリ」を最初から使ってきた。これは前の前のPTA会長さんが大きな「お米屋さん」だからお願いしたのであるが、特別に良いものを用意してくれていたのだろう。
・ 「有難いことである」。しかし高校生には少し「贅沢」かも知れないと考えており、予算もあるので「普通のお米」にすることにした。とにかく館長も強調するのであるが「冷えても美味しいお米」というのである。温かいご飯を食べるために多聞で炊飯しているのであって、冷めても美味しいお米を使う必要はないと私は考えた。
・ 朝食代は350円、昼食代も350円、夕食は800円で3時の「おやつ」がつくときは「100円から200円の範囲」で実費としている。主食の米は前述したように学校手配であるが大体一食当たり63円という計算になりそうだ。まとめれば一日の食事代は1689円ということになる。
・ 炊事係のいわゆる「手間賃」は一食当たり「5000円」の契約であるから「週末スペシャル」で二泊三日となると「6食分で3万円の手間賃の支払い」である。60人の生徒とすると一人当たり述べ三日間で500円の計算だ。この分食事代に上乗せされていると言うことだ。「少し高い」と言う声がある。「ご飯を運んで貰えばこのお金は要らない」わけで今後の相談項目だろう。
・ ご米を洗い,ガス釜で炊飯し、生徒の茶碗を並べ、それを洗い、汁物を用意したりし、ごみを片付けの作業だから「楽な仕事」ではない。しかし60人を超えるときは一人の「補助員が必要」でその人にも2000円弱の支払いがある。
・ 多聞尚学館はもともと「多聞小学校」だったから「家庭科教室」があり、そこには大きな洗い場所や調理場やプロパンガス設備などが完備している。「明るい採光の良い部」で何時行っても「清潔に掃除」をしてくれているのである。
・ 多聞尚学館は正式に「学校地」として大阪府から認定を受けたから「保健衛生」は極めて重要な管理項目である。給食に当たる人の服装や衛生管理はより重要である。この面について事務長より正式に給食業者さんに説明して理解を頂いたそうだ。
・ 「多聞尚学館利用計画から年間売上高をシミュレーション」すると「すごい売上高」となる。それはそれで良いのだが1社への負荷が大きいということは「リスク」でもある。100食分を日に三食用意するのはとにかく易しい仕事ではない。
・ 私は急遽「蓋つきの丼茶碗」を150個用意するように事務に指示した。どうも最近昼食には「どんぶりもの」が多くて普通の飯茶わんでは小さすぎるし、食堂でいちいち入れていくのでは時間がかかって仕方が無いからである。調理室であらかじめ作っておくのである。
・ また新型インフルエンザ等で対応が出来ない、食中毒で営業停止などに若しなれば困るのは生徒である。「バックアップ業者をもう一社ほど用意する必要」があるのか検討するよう館長と事務長に指示したところだ。
・ 「学校と生徒を守る為」には業者さんを代わって貰うことに時間を掛けない。「食事の質が落ちた、量が不足している、余りにも利益第一主義」などが感じられたら即刻代わって貰う。ここは「学校の分校」であり、「学校給食」と考えなければならない。
・ いずれにしても8月末までに2学期以降の多聞のあらゆる面での「ソフトウエア」について4月以降5ヶ月間の「レビュー」をして「あるべき姿」に近づけなければならない。業者選択もそうだが、トップインテンシブなど「コースの改変」も必要だ。又教員に支給している「多聞特別講習の手当て」についても一度整理をしていくつもりである。