2009年8月21日金曜日

8月21日(金)新型インフルエンザ










・ 「新学期」を控え又周辺が騒がしくなってきた。18日の学校再開後、ほぼ毎日保健体育部長、養護教諭とのミーティングがある。勿論テーマは「新型インフルエンザへの対応方針」である。
・ 本校は7月16日、1学期の終業式数日前に生徒の新型への感染が確認され、終業式までの二日間であったが「2年生の1クラスを学級閉鎖」とした。そして学校は「夏休み」に入ったのである。
・ その後も夏休みとは言っても、学校には様々な「行事や部活動」等があるため担任や学年主任は日々、生徒状況を確認しており、この間133名の生徒が発熱症状等が現れたと記録にはある。特に堺、泉州地域は当時新型が猛威をふるっていたときでもあり「遂に本校もやられた」と思ったものである。
・ 正直に言えば「夏休み」はしばらく新型と離れることが出来るだけに「ほっと」出来る時間であった。しかし今我々は「緊張感がじわじわ」と増してきているのを感じる。それは遂に「学校が始まる」からである。
・ 厚生労働省が正式に「本格的流行の兆し」という表現を使い「本腰」と言う様相である。遂に死者が出たりして感染地域も、全国的となった。大阪で始まった新型はいまや沖縄を含め「ものすごい勢い」で拡がっている。
・ しかし本格的流行とか言われても具体的に何を「本腰」にして対応を取るべきか現場では困る話だ。国の力で「ワクチン」を高校生や中学生にすべて用意してくれるとかいうなら別だが「気をつけろ」では正直困惑する。「タミフル」も手に入らないし。
・ ワクチンは正式に「任意」とされた。そもそもワクチン接種は「蔓延防止」ではなくて「重症化防止」と昨日の厚生労働省会議で決まったというが、任意なら1回5000円程度かかるから簡単な話ではない。国立感染研究所の専門家が当初言っていた「軽い症状がいまや重症化と強調」するものだから素人は「びくびく」だ。
・ 大体ワクチン在庫数は1300万人から1700万人程度しか手配がつかないそうであるから中学高校生には手に入る状況とは言えない。結局学校現場では「竹やり敢闘精神」で頑張れということだろう。
・ しかし理解しておかねばならないことは「学校というところは感染する場所」だということである。狭い教室に40名の生徒を入れて「窓を締め切りエアコンで空気をかき混ぜている」のだから間違いなく「自動的自然感染所」である。
・ それに生徒が黙っているのは授業中だけでこれ以外は「口を空けてしゃべりっぱなし」である。また学校と言うのは「集会の場所」であり、とにかく「生徒を集めて何かをするところ」なのである。「うつすな、ウイルスを撒き散らすな」と言っても無理なのである。
・ 先の流行の時は「マスク指導」もしたし、「手洗い・うがい」など薬品を用意して本校も対応した。今回もすでに「100個のデジタル体温計」を買った。突然の臨時休校要請を受けて中学校、高等学校の修学旅行をすべて「キャンセル」してまで対応した。このキャンセル料はすでに旅行会社に支払ったが「辛かった」。
・ 昨日の20日に大阪府は私立園・中・髙・校長宛に「臨時休校基準等」の要請文を出状し先の「学級閉鎖基準」の緩和策を打ち出してくれた。これは現場としては「歓迎」すべきことであるが、本質的な解決策ではない。ガイダンスであろう。
・ 今までは感染者が2名以上となれば7日間の学級閉鎖であったが今回は1クラスに10%から15%程度、すなわち「40人クラスなら5人程度居た場合は4日程度の閉鎖」で良いことになった。
・ しかし潜伏期間を考えれば実質的にはやはり7日程度になると思う。しかし問題は新型だろうと普通だろうと、「インフルエンザに罹患した生徒等の定義」は「医療機関でインフルエンザと診断」された児童生徒であるから、熱はあるが病院には行かないというケースも実態としてはあるわけで、「家庭との連絡体制」が極めて重要となる。
・ しかしこれとて一つの基準で「感染力が強い」だけに「あっ」と言う間に拡がることは我々は経験済みである。前述したように学校は強制感染所だから「早く、早くうつして」と言っているようなものなのである。本当に早いのである。9月以降は「浪速祭」があり、「入試説明会」が毎月あり、「不特定の方々が山ほど学校に入って来られる」。この方々への対応など今のところどうして良いのか分からない。
・ しかし誰かではないが「ぶー太郎」では解決にならない。「ぶー太郎って?」何時も口を開いたら「ぶつぶつ文句ばかり言う人」のことらしい。「自分は悪くない、他が悪い」というタイプは何処にも居るもので、本校にも居ると事務室の誰かが言っていた。「私はぶー太郎ではない」。
・ 本校の養護の先生はお二人いらっしゃって中々優秀で毎日毎日時々刻々と情勢が変化するが「見事に対応」してくれ、本日正式な「本校の対応方針」がまとまった。19日の校務運営委員会、職員会議そして本日の打ち合わせで最終的に決定したものである。しかしこれも「明日になればどうなるか分からない」。
・ 教員はこれをしっかりと頭に入れて齟齬のないように対応しなければならない。学校が始まると「誰が休んでいるのか?その理由は何だ?熱はあるのか?医者に行ってください。診断は何だったのですか?」と電話で保護者と連絡を取り合うのである。「これは大変な仕事ですよ」。
・ 従って保護者の皆様にもご理解とご協力を頂かなければならない。私は「保護者宛の文章」を作成し新学期の始まる8月31日に生徒に配布するつもりである。合わせて本校「ホームページにも緊急連絡体制」などを記載する積りである。
・ 保護者と学校は「車の両輪」として新学期を乗り切って行きたいと思う。ポイントは「自分は、我が家は感染源にならない」という徹底した対応だと思う。しかし正直なところ「万全の自信」はない。「人事を尽くして天命を待つ」と言う感じではないのだ。
・ 望むらくは大阪の公立私立約3000校のうち、本校が最初に感染者が出た、学級閉鎖になった、学年閉鎖になった、臨時休校となったとは「言われたくないなー」。もし再度臨時休校になったら「授業を補填する時間的余裕」はもう無いのである。果たしてどうなるか。