2009年10月16日金曜日

10月16日(金)想定:大学スポーツ推薦入学某重大事件




・ 学校というのは実に「様々な事件」が起きる。世の中を騒がすような大きな事件は滅多に無いが「ちょっとした小事件・小トラブルの類」は何時も起きていると言っても良いくらいだ。
・ そのために書店に行けば「学校事件の判例」とか「学校事件誌」などの本が多くある。そして学校と言うのは「事件が起きた後の対応」についてはどちらかというと「見事な後処置」を行うものである。「取り繕う」と言っても良い。
・ しかしながら「未然の措置」となると誠に「心もとない」面がある。これは基本的に「学校文化」と密接に関連していると私は考えている。学校の仕事は「全員で分担」して「均等に業務を按分」する。そこには「抜きん出た人」を歓迎せざる雰囲気があるのである。
・ 「教科持ち時間」などは典型的であり、教員間で絶対に「同じ」でなければ、「何で私があの人より1時間多いのですか?」などと管理職を攻め立てるところがある。一言で言えば「赤信号皆で渉って」いるようなものである。
・ そして一旦事件や事故が起きると「責任を取る人がいない」という見事な構図が出来上がっているのである。現実に事故事件が起きているにも関わらず「責任を取る者」が見えて来ないのは社会の中でも学校だけではないのか。
・ しかしそこに初めて「学校管理者の存在の意義」がある。「事故事件を未然に防ぐ」ことが管理者の仕事と言ってもよい。しかしこれは言うほど易しいことではない。人物を見て状況を見て的確に判断し「事前に予防の手を打つ」ことの出来る管理者は素晴らしい。

・ 以下の文章は「大学スポーツ推薦」に関わる「ちょっとした事件」を「想定」したものであり、これを読んだ各教職員はそれぞれが何処にこの事件の真因があり、この「職場の問題点と対策」について考えて欲しいものだ。
・ これを「ケーススタディ」という。これは私が「想定して作ったケース」であるが「格好の教材」となっていると思う。このような事例を「ディベート」することで更にその職場は「進化し強く」なるはずである。

 「金曜夜サスペンス劇場 大学スポーツ推薦某重大事件のあらまし
・ 10月9日夕方18時40分頃、一通の携帯メールがTという生徒からA教諭に発信された。「先生、他高校の相撲部員には神道大学相撲部から出願書類が来ているそうですが僕のはまだですか?」
・ このメールをどのような気持ちで受け止めたか分からないが、A教諭はすぐ神道大学相撲部コーチに「願書書類の一式が未着」と電話した。時刻は18時50分であった。
・ 19時30分、神道大学相撲部コーチは大学職員に問い合わせてくださり、その結果をA教諭に電話してくる。「9月16日の時点で進路指導部宛に発送され9月18日には届いていているはず。願書締め切りは本日10月9日の消印まで有効ですが・・」と言う内容であった。
・ 恐らく顔色を変えたであろうA教諭はまだ学校に残っていた進路指導部の副部長であるB教諭に「書類来ていませんか?昨年は進路指導部が直接私に手渡してくれました。今日が願書締め切りだそうです。」と伝える。
・ 「エッ、知らないよ、今日締め切り?!」と言ったかどうか知らないが、事態を重く見たB教諭は電話で進路指導部長のC教諭に報告しながら進路指導部の部屋や第一職員室を探す。想像であるが内心「エッ、又起きたか!」と思ったに違いない。
・ 事態の重大さに気づき、相撲部顧問のA教諭は神道大学職員で相撲部顧問の先生に電話した。何を話したのか、誰もその内容を聞いていない。時刻は20時20分であった。
・ 20時40分、遂に資料がC進路指導部長の机左隣の棚の上から他大学の封筒に紛れて神道大学からの進路指導部宛の正式封筒が見つかる。丁度1時間探し回ったことになる。
・ 封筒は「封切り」されており、誰かが中を見ていることは間違いない。確かに中には宇宙高等学校長宛の神道大学学長からの「公文書」が入っており、生徒Tの受験条件合致と入試要綱・願書一式が入っていたのである。
・ しかし書類はあるにはあったが、当日の消印と言ってもすでに時刻は21時前で途方にくれていたが進路指導部のB副部長が「堺本局なら24時まで受け付けてくれる」ことを思い出したのである。
・ 窮地に一縷の望みを得た宇宙高校相撲部顧問のAは生徒T君の保護者と本人、ならびに神道大学に対して書類はあったが時間が無いので「願書は学校で代行して作成する」旨の了解を得る。
・ A教諭は生徒T君の担任であるD教諭に「調査書」の作成を依頼、その後「学校長推薦書」「入学志願書」の作成を急いで進める。ところが調査書と学校長推薦書には「校長の公印」が必要なためその手配を進路指導部のB先生に頼む。
・ A教諭はここまでの顛末を管理職のE先生に報告し指示を仰ぐ。「事務室のFさんに学校に来て貰うよう」にとの指示が出る。そこで進路指導部のB教諭は事務のFさんに電話するも電話に出ないので同じ事務のGさんに電話する。
・ 時刻はすでに1時間経ち21時30分、焦ったB教諭はG職員に「校長の公印が要るんです。要るんです!」と叫び、頼み込んでロックナンバーを電話で聞きながら金庫の開錠を行い校長印を遂に手にする。そして急いで入学志願書の作成をT君と連絡しあいながら続ける。21時31分、C進路指導部長がゆっくりと学校に到着した。
・ A教諭は学校近くのコンビニで「受験料」を振り込み、証明用のT君の個人写真を出入りのK写真館に頼んでいたものが21時50分頃写真館が届けてくれたので、それを願書に貼ってAは堺の中央郵便局に自分のバイクを飛ばして届ける。時刻は22時40分であった。当日消印まで残り1時間20分であった。
・ 郵便局前でA教諭は電話で関係者すべてに「無事投函」できたと「ホッ」として電話報告した。そして23時30分学校に戻る。C進路指導部長がT生徒とその保護者に謝罪。その後進路指導部長副部長、相撲部顧問A教諭と3人で無事に済んだ事を喜んだのである。
・ 日が変わって朝7時30分事務室のG職員が部屋に入ってくる。何時もは8時10分頃の出勤がこのように早いのでどうしたのかとこの学校の校長は怪訝に思ったのである。「実は重要な金庫の鍵の番号をB先生に教えました。考えたら軽率な行為・・・・・」と目を少し赤くしていた。昨夜は寝れなかったのだろう。
・ その学校の校長は事務長には電話したのか、了解は得ていなかったのかと問いただすも「時間がなく焦っているようだったので管理職の許可も得ていません・・・」と言う。丁度その頃当事者の一人A教諭が校長宛の「報告書」と言うタイトルの書類を持って校長室に入って来たのである。
・ 校長はそれを観たが、まず「報告書ではないだろう。顛末書ではないのか」と指摘し、今後の再発防止策の策定手順の無いのに驚いたのである。それに何より最も責任の重いC進路指導部長が来ていないことに憤慨したのであった。
・ 校長は進路指導部のCとB、それに相撲部顧問A教諭ならびに管理職、事務長、全員揃って部屋に来るように言ったのである。以下省略。  (以上がざっとした筋書き)

 命題
  1.管理責任が学校長にあることは当然として、この学校の体質について想像を加えて論じよ。
  2.そしてこの学校の抱える病理を解剖し、打つべき対策について論じよ。

 補足情報
・ 実は今年はすでに一件、最重要な案件で「似たような事件」があり、昨年も同じような事件がこの学校にはあったのである。前進路指導部長の報告によれば前からこのような「資料が無い。・・無い。」と大騒ぎする事件などは日常的にあったと言う。
・ 又昨年は「大学合格通知書」を放置し、保護者からの連絡で初めて知り管理職とともにご自宅に謝罪に行ったことも記憶に新しいのである。
・ 加えてこの学校の校長の発信している10月4日のブログ「編転入」の末尾には“大学進学の願書資料を放置して生徒の進路に影響などがあったら「厳しい処分」を下す。”とまで書いてあるのである。