2009年11月21日土曜日

11月21日(土)第2回高校入試説明会







・ 今日は「平成22年度高校入試第2回説明会」の日であった。くしくも昨日府教委は「来年度の府立高校の募集計画」を発表した。各紙が一斉に報じている。いずれも見出しは「公立高校募集3440人増」である。遂に長い間保たれた「公立私立7:3」の比率が破られた瞬間である。
・ 来春の「公立中学の卒業生は前年度より3557人多く」て74370人という。この内他府県進学者を除いた67030人を公立と私立で7:3に振り分けた上で公立側が960人を上乗せするのである。
・ そのため普通科を有する学校を中心に「80校で90学級増やす」のであり、今朝の新聞はその学校を全て記載していたが80校で90クラスだから殆どの学校が40人定員増である。これで90クラスX40人=3600人だから「つじつま」は合う。
・ 加えて「経済不況」や「公立高校授業料の無償化」だから昨年から始まった「公立回帰現象」は更に「拍車」をかける可能性がある。中学3年生の卒業生増の受け皿に留まらず私学への進学が更に落ち込むことも覚悟しなければならない。昨年府内の私立高校は最低を記録したが今年も「やばい」。

・ ますます結果としての「生徒獲得競争」が水面下で激しくなってきている感じである。「困った」ものだが仕方が無い。「座っていても生徒の集まる学校」の校長なら如何に「こころ平穏」かと思う。
・ 今までの「秩序」なども崩れてきた。「仁義なきバトル」である。学校には厳然とした「位置みたいなもの」があってその位置を少しでも上げようとどの学校も頑張っているのだがそのやり方は「千差万別」である。
・ しかしあくまで「誇大広告」などはあってはならないし、「誠実に対応」したところが勝ちであることは間違いない。キーワードは「説明責任を果たす」ということと「透明性を高める」ということではないか。
・ 金太郎飴の公立と言われてきたが大阪府の公立学校は他府県に先駆けて「特色つくり」をキーワードに私に言わせれば「公立の私学化」と思われるくらい従来考えられなかった方策を学校現場に導入し始めた。
・ 再来年からスタートする府内10校の「超進学校」はその典型である。あらゆる経営資源を投入してこれらの学校を府教委はバックアップするであろうから、今までも「日本一と言われる大阪の公立トップ校」はその地位が確固足るものになるだろう。
・ それは現在の「大阪府の私立高校へのすさまじい脅威」になることは間違いない。加えて高校授業料の完全無償化、実質無償化が決まればそれこそ公立私立入り乱れての激しい結果としての生徒獲得競争になると私は言っているのだ。
・ 学校の名前を変えたり、大学と連携したりするのは良いとしても肝心なことは「その学校の教育の中身」である。その教育の中身を中学生とその保護者にまず分かってもらわねば全ては始まらないのである。ここに「広報戦略」がある。
・ その根底は「学校に近づいて」貰う努力である。学校に座っていて生徒や保護者が来てくれる学校はあるだろうが「一部分の学校」だと思う。確かに幾ら広報費を使っても「その学校に信頼感がない」となれば保護者は大切な我が子を行かせる訳が無いのである。
・ 万が一来てくれても「教育の中身」が「マニフェスト」や「公約」と同じで宣伝と実際が違っていたらそれで「万事休す」となる。私は何時も教職員に言っている。「今本校に居る生徒の面倒を徹底的にみる」ことが最大最重要な「広報手段」であると。
・ 「浪速に行ったけどものすごく良いわよ」などと在校生のお母さんが下の子のPTA役員会などで言って貰う事が一番の特効薬である。在校生が母校の中学校に行って後輩に「お前、浪速に来いよ。クラブが面白いぞ」と言ってくれたらそれは広報が塾に行ってご説明する以上に影響力があるかも知れない。まず「在校生を大切にする」ことが第一である。
・ そして基本的には「中身の発信力を高める」ということである。まず「公式サイトを充実」させることだとここ最近は毎日朝会で言っている。最近では「財務諸表を完全公開」し学校評価もアップしている。「ネット時代」である。紙に印刷された入試説明資料もそのうち廃れていくかも知れない。とにかく「タイミングよくネットで発信」することが重要である。
・ そして加えて「脚で稼ぐ」ということである。ネットと違って「体温を伝える」方法であり、これを馬鹿にしてはいけない。「塾長様に通って本校の教育の中身」を知って頂かなければならない。「まずネットで気づいて貰って、近づいてお話をするというスタイル」が重要である。
・ 私はゴールデンタイムにABCテレビに「コマーシャル」を流すことを考えたり、大手新聞一面全てを使って広告することも考えたが「コスト」のかかる話であり、結局保護者負担になるものだからそれらの方法は取らないと今は決めている。
・ 「地道な安価な方法」で「自分のメディアを使い」「脚で稼ぐ」ことで今はやっているのだ。今回ご縁があって入試広報室が働き何と「南海なんば高島屋前のマルイビルのネット広告」に本校が登場させてもらう事になったそうだ。
・ 「11月30日(月)から12月6日(日)まで平日は12:00から18:00、土日は9:00から15:00まで15秒の間合計84回本校の名前」を流してくれるという。「嬉しい」限りである。「有り難い」限りである。
・ ホームページの充実の課題は中学校である。中学校の教諭ひとりを情報委員会に投入したが「ホームページの改定」が出来るように「技量を高めるよう」に言っているところである。中学校は中学校で独自に広報戦略を立てて勝負に突入していかねばならない。

・ 今日は理事長職務代理にも説明会に参加して貰って「雰囲気」を感じて頂いた。お蔭様で入試広報室が期待していた数値はクリアー出来て皆「ホッ」としている。数値は書くまい。第1回と今日の2回目の合計数値は昨年を凌駕した。女生徒の比率も順調に伸びている。
・ 「第3回目説明会は12月12日」である。これで大方の予定は終了して年が変われば徐々に本番が近づいてくる。公立の定員が3500人も増えるということは我々の分析では「ボディにこたえる」ハンマーパンチで効いて来るだろう。「専願入学者」を増やさないと生きてはいけなくなってきた。併願人気校に辛い状況となってきた。「併願戻り」を期待してはいけない。