2010年1月25日月曜日

1月25日(月)願書受付始まる







・ さあ、「高校入試の願書受付」が本日から始まった。午前10時から午後16時までの受け付けで2月2日まで続く。毎年毎年やっている先生方は「ああ、今日は仏滅だから少ないですよ」という。
・ 確かに午前中はたった一人だけで今日の完了者は122名であった。例年より少ない。まだこのようなことを気にしているのが「受験世界」である。そうだとすれば明日は「大安」だから明日は集中することが予想される。明日が楽しみである。
・ 願書受付事務はどういう訳か「事務室の人間」が主体になって受け付け業務をするという。普通なら入試業務を扱う「教務部」だと考えられそうなものだが事務室が主体という。恐らく「入学検定料、すなわち受験料の領収を確認する」という「お金がらみ」だから事務が取り扱うことになったのだと私は思っている。
・ 教員はお金には無茶苦茶関心があるというか極めて敏感な人間であるが、「お金を扱うことは避けるきらい」がある。すなわち「お金を貰うのは大好きであるがお金を稼ぐと言うことには関心がない」のである。
・ 中には私立学校の教員でも「お金は天から降ってくる」と思っているのではないかと思い違うくらい「お金を扱う」ことを忌み嫌う性向がある。例えば「授業料の滞納・未納の徴収」などは「事務の仕事」で教員にさせるべきではないと私に直接言ってきた教員も昔いたが「厳しく私は指導」したのである。
・ 君のクラスの生徒の滞納だから「焦げ付いたら」君のほうで代替弁償してくれるなら話は別である、そうしないと君のみならず他の先生にも給与が支払えないし、ちゃんと支払ってくれている生徒保護者に申し訳が立たないと述べたら黙って帰っていった。私立は「教員も職員もない、皆で学校を守っていかねばやってはいけない」。
・ 私は授業料の未納・滞納は「担任と事務との共同作業」で対応するように改めてから一挙に滞納がほぼなくなってきた。「今年の高校3年生も滞納者はゼロ」となった。これは案外大変なことなのである。

・ さて願書受付であるが志願者は直接「中学校単位で願書を持参」してくる。それには「郵便局で振り込んだ証書」が添付されており、それをまず確認して受け付けるのである。まず専願と併願に分け、それぞれを男子、女子に分けて受け付けるから都合4グループである。
・ ここで最も重要なことは「ナンバリング」をすることである。これが「受験番号」となる。打ち間違ったら大変なことになるから受付担当は神経を使う。一人の生徒に5回打つことになっている。一回抜かしたり、「空うち」などがあったら一つずつずれて後での「照合」が大変なことになる。
・ 「入学志願書」「電算機処理用願書控え」「郵便振替払い込み証明書」「受験票」「合否判定通知用速達封筒」の五つである。受験票の下の学校名のところに「校長印」を押して受験票を切り離し、これだけを生徒に持ち帰えさせるのである。
・ 志願書とは別に中学から個別の「個人報告書」があればそれを受け取り管理しなければならない。とにかく願書受付は結構大変な作業なのである。本校みたいに「2600名近い生徒が殺到する学校」では緊張感が長く続くから授業が既に終了した3学年の学年団が応援する。「ピチッ」と受付順番が決められている。
・ 中学3年生は学校単位で纏まって手続きにくるが終われば学校に戻って中学校が受験番号を記録して帰らせるのであろう。従って本日から大阪府内の公立中学校250校近くは大変なことになる。「受験票をしっかりと持って帰ってきたか、どうか」を中学の先生方はなされるのである。中には「紛失した」などのケースもあるらしい。

・ 土曜日に「多聞尚学館」に激励に行った時に、頑張ってくれていた英語のY教諭は私に「先生、ありがとうございます。理事長が来られて完全に変わりました。2500人の受験生など信じられません。600人台になった時に正直この学校はやばいかな」と思ったと言うのである。経緯を知っている教員には「感慨深い」ものがあるのだろう。
・ その会話を聞いていた昨年専任教諭に採用されたI教諭は「だから私は浪速を選びました」と言ったので、「君を選んだのは私ではないのか」と言ったら「まずいことを言ったな」というような顔をしていた。まあ若者の自信過剰は悪いことではない。

・ これを聞いた私は今日、入試広報室の女性職員に「平成9年以来の受験者数のデータをグラフ」にして貰った。これが添付のグラフである。しかしこの女性職員は類まれなる能力をお持ちだと室長以下室員が賞賛する。
・ 確かに仕事を指示したら「早いし的確である」。聞いてみれば昔、北の方の私立高校の入試広報の仕事をしたことがあるらしい。経験だけではなくて頭脳も良いのだろうと思う。一言私が言えば「飲み込み」が早くてすぐに理解する。ただまだ何か本校の教職員と雰囲気がどこか違うような気がするのである。それが何かはまだ分からない。
・ そのデータであるが見るだけで如何に「今日の浪速の状況のすごさ」が理解できるというものだ。「言葉は要らない」。平成9年から16年まで8年間での平均が733人で、ボトムは「平成16年の670人」であった。
・ それで平成17年に「男女共学に移行」し1100人台に回復というか戻し、それからは「学校改革の進捗」とともに一挙に「平成18年が1501人、平成19年が1420人」となった。しかし私はこの時にある種の「危機感」を有したのである。
・ 共学にして3年目で1163人、1501人と2年連続で伸びては来たが3年目に1420人と下降に転じたからである。これは「赤信号」であった。結果的にここで「踏ん張った」ことが大きい。
・ そして「平成20年一挙に2000人台に突入し2122人、そして昨年が2466人」となった。そして今年である。恐らく最終的には2560人程度に膨れ上がると我々は見ている。そしてその内容が良いのである。
・ まず「女生徒の併願数が順調に増え」、何より「専願者数が回復」に転じた。昨年は専願が減少して心配したのが今年は上昇に転じたのである。世の中に色々なグラフはあるが「このような推移を示すグラフもそう有るものではない」。しかし我ながら恐ろしいくらいなのである。これは一種の「ブーム」にも思える。ブームならこれを「固定化」しなければならない。
・ しかしとにかく我々は成し遂げたのである。今日の校務運営委員会や職員会議で私は「入試広報室のメンバーや全教職員を賞賛」した。「良くやってくれた」と。と同時に心配性の私は「来年は分からない」。一挙に凋落するケースにいとまは無い。
・「そうなってはならない」。だから私は「謙虚に、謙虚に」、そして「目の前の自分の仕事を確実」にやることが重要と強調し、入試事務の失敗など絶対に無い様、きつく念を押したのである。「一隅を照らす仕事」を御願いしたのである。