2010年2月12日金曜日

2月12日(金)合否判定会議と兼職兼業







・ 朝、管理職と入試広報室が「合否原案」を徹底的に議論し作成する。元の資料は昨日の採点作業から素点インプットまでは教職員全員で行ったものから、その後教務部と広報情報委員会が居残って今日のための議論用資料を作成してくれたものである。
・ その後理事長室で理事長・校長レベルでの議論となる。私は管理職原案を差し戻した。そして昼前に再開し「最終原案」を確認し、13時25分に「校務運営委員会」にかけて賛否を取るのである。
・ 今日は授業が7限あるから「高校入試合否判定会議」は16時40分からとなった。各教科の解答レベルなど教科担当が次々「例年と同じ問題形式であったが・・・」と解析をしていくのである。
・ そして全教職員が「挙手」で合格者の決定を行う。その「教員意向」を見ながら「校長が合格者の最終判断」し22年度浪速高校入試合格者を決定する。受験番号も氏名も特定できないように線引きラインを決めるのである。
・ 私は最後に「総括」と「今後の展望」などを話し、この間の「教職員の労をねぎらう」のである。「毎日毎日慰労の言葉をかけて労をねぎらっている」のである。後来週に1.5次試験があるが99%勝負は付いたのである。今年の入試はあらかた終了した。明日は「ネットでの合否発表」と夕方、郵便で発送するのである。
・ 10日、11日と緊張する二日間であったが、これは1年に一度の「ビッグイベント」だから「緊張して当然のこと」であり、いささか品が無い表現であるが「飯の種」と私は書いた。私立学校にとって一年一度の「勝負の時」なのである。
・ そういう考え方からすれば、「給料のうち」であり、殊更私が教職員に対して「言葉を尽くして慰労し称賛する必要」も無いかも知れないが、そこは人間社会のことだから「トップから慰労の言葉」を貰って嬉しくないわけでもなかろう。だから私は言葉を尽くして、慰労した。「心情」もそのようであったのである。

・ ところが教職員の中には「お礼を言われて当たり前」だと思うような輩がいるとすれば「これは論争」しなければなるまい。「アッ、理事長ちゃんと分かって呉れている」のだと思ってくれれば良いが中には「理事長が褒めれば舞い上がる」のもいるのが始末に悪い。
・ そういう連中に限って「対価を要求する」ものだ。「ここまで頑張ったのだから、何がしかの物を出せ」という考えである。「そう、朝読書持ち時間減要望事件と同じ心象風景」なのである。
・ 私は時々本当に考え込むことがある。「教員って、どうしてこのような考えになるのだろうかって」。とにかく「義務、責任を果たすという気概」の前に「取れるものは先に取っておこう」という考えである。とにかく「権利意識」が強い。
・ 「貰うものは大好きだが出すのは嫌い」となる。まあ人間のことだから一般的には分かるがそれも「程度の問題」である。一般企業のサラリーマンは一概には言えないがこの点は教員と異なる「性向」を持つ。
・ 会社が苦しいいときとかは全員が「船を助ける気概」を持つ。交通事故で家父が死亡でもしたら養育中の子どもは「遺児育英奨学金」などを仲間内で互助会的に支援する組織をすぐ作ったりする。
・ 私は実業界から教育界に転じて「何が最初に面食らいましたか」という質問の答えに以上のようなことをあげることが多かった。上司が部下を呑みに連れて行って「コミニュケーション」を図るなどは当たり前のことでまず「割り勘」などはあり得ない会社で育った。
・ すなわち「気風の良さ」が「男の勲章」みたいな文化があったのである。しかしどうも教員社会には「気風の良さを誇るという文化」は感じられない。教育界以外の多くの人が口に出すことであるが「教員はお金に細かい」ということである。

・ 10日の試験当日は夕方に出入りの業者さんから教職員に「お茶のペットボトルと福もち」の差し入れがあった。もう何年も頂いてきているもので私が着任してからも3年経過した。常々「ウーン、どうかな?」とも思っていたが長い間続いているご好意と考え、今年も有難く頂くことにした。社長に直接電話してお礼を申し上げたのである。
・ しかしこの会社からは正々堂々と「施設利用協力金」名目で昨年から年に一度入学生徒に応じて「寄付金」を頂いており、「もう止めるべき時期」と判断して今朝の朝会で事務長に指示した。
・ その代わり学校法人が用意する。昨日の11日は「どら焼き」「ケーキ」と「ペットボトルのお茶」を準備した。学校と言っても教職員の親睦団体で「よさみ会」というのがあり、「こういう時のための積立金」である。「そこからの支出と法人からと折半」にしたのである。どこかの行政であったように公金で教職員のおやつを買うと言うわけには行かない。
・ それでは「弁当はどうなるの?」という問いには以下のように考えている。関係者以外立ち入り禁止であり、外部からそれぞれの教員が手配できないし、全員が時間に追われ正直休みなど無い状態であるから、生存、健康に関わるとして「社会通念上弁当の支給は許される」と私が判断したものである。
・ 府立高校は弁当もおやつも職員親睦会の積立金から流用していた。「この辺は立派」であったと思う。最も100%税金だから公金を使う理屈は立たない。我々は私学であり100%税金で経営しているわけではない。保護者からの納付金もある。
・ 要は「自分たちの飲み食いは自分の財布で賄え」ということである。自分たちの財布には「学校法人会計」も当然含まれる。理事会の承認を得て「教職員の慰労会、激励会,打ち上げ会、研究会」などには相応の費用支出を「学校法人会計予算に組み込まれている」。
・ 特にこれから修学旅行の下見や本番があるがくれぐれも「旅行会社からの接待など受けてはならない」と常日頃私は言明している。アルバム製作会社、制服会社なども然りである。

・ もう一つ気になることがあって「兼職兼業」の問題である。これは幅広く教育に携わるものとして幅広く法令の定める処となっているが、教育公務員を含めて「極めて厳格な適用」がなされている。
・ 典型的な法令文は「教職員が承認権者の承認を得ずして兼職兼業を行い、あるいはその本務に照らして適正とは認めがたい兼職兼業に従事し保護者等の批判や不信を招いたりすることが無いようにすべき」とある。
・ 一言で言えば教職に在る者に対しては「職務専念義務」が厳しく求められており、「有休だから」「休日だから」、「何をしても自由」とはならないのである」。社会は生徒に向き合ってくれている教員に対して高い給与処遇と尊敬の念を与えているのであってそこは「踏み外してはならない一線」である。
・ 私は気になって本日他件もあったので「臨時職員会議」を開いて先生方に注意を喚起したのである。「教員が休日や夜にアルバイトに精を出すようになったら学校も教育もお仕舞」である。これだけは「厳しく処分する」と伝達したのである。