2010年2月14日日曜日

2月14日(日)学校行事は「総合教育科目」











・ 高校入試が始まった先週は「緊張感」と本校で言えば「躍動感」に満ちた一週であったといえる。忙しいといっても年に一度の「ビッグイベント」だから、「忙しいことに文句を言う教員は居ない」ことが私の幸せであった。
・ そりゃ、そうだろう。これが700人くらいの受験生でどう考えても200とか240とかの「入学者予想値」では元気も出るまい。それが何とか「500人の攻防」と言えるくらいの数だから、私学の教員は「ああ、これで今年も生きていける、食べていける」と思って貰わないと困る。「当たり前の話」だ。
・ 「私立高校の経営の根幹である入試業務」に文句をいう教職員は「退場」してもらわないといけない。ところで入試の始まる前日の9日から来て貰っている「校務員」さんはさぞかし「忙しさに驚いた」と思うが見事に先週を乗り切ってくれた。
・ 一人の校務員さんを募集したところ40名近い応募者があり、事務長が面談して決めたお方であるが、元工務店の棟梁さんで大工さんであったという。不況で仕事をたたみ、仕事を探しておられたという。私もお会いしたが「本当に仕事が無かった」といわれていた。
・ 今ようやく「やりがいのある仕事」を得て「学校勤務が楽しい」と張り切って仕事をしてくれている。随分前には一日目の午後から帰った人、たった4日間で来なくなった人など「様々、散々」だっただけに、私は今度の校務員さんが長く勤まってくれることを祈念しているのである。
・ 毎朝、事務長に「今日も来られているか?」と聞くのが日課になってしまった。事務長に3ヵ月後に「時間単価のアップ」を考えるように指示したのである。大体「目の輝きと立ち振る舞い」に品がある。それにどちらかというと「寡黙」な方である。「男は黙ってサッポロビール」という感じが素敵である。

・ 学校の校務員さんと同じく学校の教職員も「時間との勝負」で、これほど忙しい職業は世の中に無いと思っていたら、それは「嘘」である。特定の教員やグループや団体は「世界で最も忙しい職業は教師の仕事」というが、「とんでもない話」である。
・ 大企業、中小業、スーパーのパートさん、交通整理の人々、マスコミ、警察官、どのような職業でも「忙しくないと思っている人」はいないはずである。ただ企業や行政などは言ってみれば「だらだらと延々と続く業務の連続」であり、この点は学校社会に比べていささか趣きが異なる。
・ 「時間管理」の厳しさは学校のほうがあると私は思っている。とにかく学校は1年を通じて「行事・イベントの連続体」で「これは完了しなかったから、残しておこうとかこれで打ち切り」とはならないのである。学校行事ほど重要なものはない。これは「総合教科」である。ある面数学や英語などの教科以上に重要なものである。ところがこれが疲れるのである。
・ 時間までに「ぴったし仕事を終えて、又次の仕事にかかる」という構図が一般社会に比べて「幾分濃い」のだと私は思っている。この「行事の消化」に「疲労感」を感じるのである。言い換えれば「小緊張の繰り返しバイオリズム」が余計に疲れさせるのである。
・ そこに加えて「保守的な学校」は「やり方を変えようとはしない性向」がある。やり方を変えれば「一からの出直し」となるからそこに投入するエネルギーに「退く」のであろう。
・ だから「新しいことは敬遠」して10年前、5年前、そして今年も「全く同じようなことを繰り返していく」のである。学校の教師は四季の折々を街路樹や庭の草木で感じるのではなくて「学校行事」で感じるのだと思う。悲しい話だ。
・ 毎年同じ事の繰り返しは個人及び集団に刺激を与えない。刺激が無いから頭では理解していても失敗したり忘れたりすることがある。すなわち「緊張感が薄れている」のではないかと私は思っている。
・ 着任以来全ての学校行事を見直してきた。そして「新しいことにチャレンジ」してきた。これらは「組織を活性化」させるからである。例えば昨日のように「ネットでの合格発表」を2年連続で試みた。
・ 来週はこれまた忙しい週になる15日は「関西大学竹内教授による英語教育指導会」である。今年になって始めたもので今回が2回目となる。英語を「特別強化科目」に設定しその一環として「英語の先生方への刺激と支援」が必要と考え開始したものである。
・ 翌16日は「中学生耐寒行事金剛山登山」がある。昨年から始めたもので「PTAとの連携」である。中学生が山から下山して「多聞尚学館」にたどり着いたときにPTA役員手作りの温かい「ぜんざい」が待っている。この行事は保護者の学校行事への参画を狙ったのである。
・ 「17日が高校1.5次入試」である。当初は「もうたくさん」とか「やるにしても理数科、Ⅰ類のみ」という意見が教員からあったが私は「蹴飛ばした」のである。「高校授業料無償化」という全く例の無い事態に「受験生動向を把握するため」にも「全ての門戸を開いておく」という考えに彼らは至らないのである。「教員性向の典型的」なものである。来年は止めても今年はしておかねばならない。
・ そうしていたら90校余りの私立高校のうちで72校が1.5次募集をかけていた。その中には「専願で溢れかえっている学校」もあるのである。受験生が居る、居ないは関係ない。「どうなるか」という関心が私にはあるのである。ところが管理職でもこのような考えに立ち入っていかない。「悲しい教員の性(さが)」である。
・ 18日は高校耐寒行事「生駒山ろく踏破」である。これは今年から始める新しい行事である。「まだ見ぬ景色」「まだ経験のない行事」ほど興奮するものはない。1500人の高校生が石切から枚岡神社まで山の峰を歩くのである。「果たしてどういう結果を招くか」、楽しみである。
・ 教員の仕事が忙しくないとは言わない。どちらかというと忙しいほうかも知れない。しかし世の中で「ゆっくりじっくり」仕事をして給料が貰えるような職業は無いということである。私は何時でも全教員の勤務時間を出すことが出来る。それを見れば「一目瞭然」として実態が分かるのである。「居残りと残業は根本的に異なるのである。」