2010年2月18日木曜日

2月18日(木)生駒山登山その1






















「第1回浪速高等学校耐寒訓練生駒山登山」の日が無事に終わった。今年から始めたもので従来の長距離走を置き換えたものである。2年連続で経験したが「ただ外部の公園を時間差で走らせるだけ」で訓練にはなるだろうが、「もう一つ何かを」と考えていた結果が生駒登山であった。
・ 心と体の忍耐力や精神力、仲間と助け合ったり励ましあったりする喜び、そして「成し遂げる喜び」、何より「自然に親しみ、自然を感じる理解する感性」のためには学校外の方が良い。それも「緑の多いところ」が。計画書にはそのように書いている。
・ 16日には中学生耐寒訓練「金剛山登山」があった。そして高校生には生駒山である。私は金剛山にも登り、一日置いて今日も生駒登山である。「大丈夫?」「無理しないで」とアドバイスは頂いているが「自分のことは自分が一番知っている。」
・ 大体私が無理を言って今年から始めた生駒登山である。1100名もの生徒を連れ出しておいて「校長が校長室に居る」では形にならない。「トップは何時でも戦場の最前線で指揮を取る」ものである。それが私の「信条」である。
・ それに体の方は汗だくで熱など無いからどちらかというと「すっきり」感で登りの苦しい道を過ぎてなだらかな尾根を歩くと「心地良い疲労感」が何とも言えない。下界の汚辱が洗われていく感じである。
・ 元々「歩くのは好きだから足腰は全く大丈夫」である。帰宅後風呂に入ってこのブログを書いているが「次から次と文章が浮かんできて」快調そのものである。考えてみれば私は出張しないからこういう時でもなければ外部に出かけるチャンスはない。
・ やはり外部に出ることは「人間に落ち着き」を与えるのだと思う。「人間を優しくする」のかも知れない。学校に居れば「次から次と,あれもこれも」と仕事のことばかりだから教職員も大変だが、一日このようにして外へ出ると「ゆとり」や「一息」が入れられるのかも知れない。
・ 3時前に全ての生徒が無事下山してから私は全教員に「感謝と慰労」の気持ちをお伝えし、「宅着」を許可した。直接自宅に帰ることを許可したのである。こういうことが実は大切ではっきりしていないと「ルーズ」になるのである。
・ まだ勤務時間内であるから教員が許可無く勝手に自宅に帰る訳には行かない。「元来の出張は学校発、学校着」であるから、出張先からの直接帰宅は「許可事項」であることを知らない教員もいる。

・ コースは正式には「生駒山麓くさかコース~摂河泉展望コース」と言い約6キロの道のりである。私はこの6キロが少し「不満」で高校生だからもう少し長くても良いと思っていたのだが先生方が「良い顔」をしないから今日はこのルートとしたが結果は「まあ、こんなものかな」と変わってきた。
・ 近鉄石切駅を出発しくさかコース~くさか園地~生駒縦断コース~ぬかた園地~摂河泉展望コース~枚岡公園~枚岡神社のコースとなっており、高校1年と2年生が直接自宅から近鉄石切駅に向かう。
・ 高校3年生はもう学校に来ていないから総勢1123名である。この人数が石切駅に集まるので準備が大変だったろう。クラス単位、5ないし6人の班別にして生徒は集まり乗車する電車まで規定して「タイムスケジュール」を決めているのいである。
・ 最も早い組は8時20分難波発の電車となる。私もこの電車に乗った。それぞれ好きな服装はしているがひと目で本校の生徒と分かるもので、教員は「目を光らして」監視している。まあ本校ではアホなことをするような生徒はいないが。教員総数で50人は超える。
・ 電車の改札で混雑しないように1000円のカードを全生徒に既に渡しており、石切駅と枚岡駅にはすでにご挨拶を済ませている。「トイレの位置」など「至れり尽くせり」の冊子も用意され、この辺は教師の仕事の特色が大変よく出ているのである。「完成品に近い」のである。
・ 仕切ったのは保健体育科の科長と保健体育部長でとにかく「学校行事は体育科の教員」である。この学校の体育の先生は「素晴しいチームワーク」で、どちらかというと「アナログ人間の集まり」であるが、こういう場合は「アナログ手法」が確実なのである。
・ それに部活動の指導者ばかりだからある面「生徒を抑えている」のである。本日も最終ポイント枚岡神社の本部と基点の石切駅、頂上など要所要所に体育科の教員が配置されトランシーバーで連絡を取り合いながら状況を確認している。詳細に書けないが「学校行事はアナログのシステムが完成」されている。それを担っているのが体育科の教員だ。
・ それを学年団がサポートするのだから私は今の浪速の教職員団は「こと学校行事に関する限り、無敵艦隊」であると言って良い。残った大きな課題は各教科単位の「教科指導力の実践」である。「教材研究と研究授業」しかない。これは来年度の大きなテーマである。
・ 天候が危ぶまれていたが朝から日差しが結構強い「格好の登山日和」になった。下山後私は枚岡神社の宮司さんにご挨拶した。本校の卒業生である。前から存じ上げていたが「大層にこの地域でも浪速の評判が良い」とお褒めに預かったのである。しかし河内一ノ宮であるこの神社は立派な格式ある神社である。
・ 今日は初めて副校長が参加してくれた。学校には高校教頭が1.5次高校入試の合格発表で居残っているし中学は教頭がいるので、元々「山好き」と聞いていたから参加してくれたのである。
・ その副校長が帰りの電車でしみじみと言われるのである。「先生、良い学校になりました」と。昔は行事一つとっても「教員間がばらばら」で「サボリ人間も居たりして」どうしようもない時期もあったが「現在の姿が信じられないくらい」だと。私はその口調から副校長の思いが分かるような気がするのである。
・ 「学校改革」とは実は「学校長改革」であり「教育改革」とは「教員改革」のことだと昔から私は言ってきているが当に「教員の意識改革が教育の中身を変える」のである。そのために学校長は教職員が理解し納得し、協力できる「ビジョン」を明示して「ベクトルの方向を指し示す」ことが仕事である。
・ こういう「学校行事を見事に終了させる教員の力」を見ると私は言いようも無く感激し、教員に無性に優しくなるのである。まだまだ「」はいるし、課題はあるが「本当に良い学校になった」と正直に思うのである。