2010年2月26日金曜日

2月26日(金)その1:卒業式前夜
















・ 民主党の目玉政策である「高校実質無償化のための法案」が25日の衆議院本会議で審議入りとなった。私は「政治と金」の問題で自民党が本会議出席をボイコットしている事態を心配していた。もし年度内に間に合わないような事態になれば反乱が起きたよと言いたい。
・ 自民党も3日間のボイコットで会議に戻ったが与野党でこのような「高校授業料無償化の議論を議員諸侯に深めて貰いたい」のである。このテーマは単に授業料を無償にする、軽減するとは違って「今日的高校生の実態を直視する絶好の機会」と思うからだ。
・ 学力、日常生活、家庭、高校の教員、公立と私立、あらゆる教育問題がこの問題には凝縮されている。この高校問題をえぐることはそのまま「小中の義務教育の抱える問題」に直結する話なのである。
・ 又高校問題はそのまま「大学問題」になる。「分数の出来ない大学生」「遊びほうけている大学生」一方では「就職難にあえぐ大学生」。高校はこれらの義務教育と大学教育に「サンドイッチ」された極めて難しいポジションなのである。
・ 26日の各紙は高校無償化の審議入りを軽く記事にしていたが産経は扱いが大きく、「朝鮮学級の無償化」について報道している。どうも首相は「無償化除外を示唆」しているという。2010年度予算では無償化関連予算は3933億円に上っており国民の税金であり納得できる使い方を期待致したい。
・ これに対して「朝鮮高級学校にも差別なき無償化を」と朝鮮学校の幹部らが産経を除くマスコミ各社を招待して気勢を上げていたと記事にはある。講堂に金正日総書記の肖像画を掲げて同胞教育を推し進める朝鮮学校が「無償化に相応しいキャリクラムなのかどうか」と官房長官はコメントしている。
・ 一方読売の見出しは「公私の格差を問題視」として「やむを得ず私立に通うことになった場合の負担がまだ重い」として公立との格差を指摘する声が自民党から出ていると言う。「私立への拡充」を求めるとしているが、これは大歓迎である。

・ 昨日の午後は中高連で総会があり、大阪府私学課の幹部より「高校就学セーフティネットと私学助成」について纏まった報告があり、橋下知事の「当初予算記者会見」骨子なども配布されて府の進める私学助成と「来年度以降の方針」なども概略説明があったと今朝報告を受けた。
・ 一言で言えば「保護者負担の公正化ではなくて私学経営側の協力を得ての公私間格差」であり、私学側とすれば「言いたいことはある」が「千里の道も一歩から」とすれば画期的なことであり私としては大いに評価したいし、感謝申し上げたい。
・ 特に今後の助成の視点が「頑張っている私立への支援」と言われているそうだが「その線で間違いない」ことであり、従来のような「護送船団方式」による「弱者救済の視点」では結局は「生徒の為にはなっていない」ということである。
・ 今までの「保護行政」から脱却して「メリハリをつけた競争論理」を幾分なりとも持ち込まないと私学と言えども今後の存在価値はあるまい。延命策は不用である。その意味から私は「橋下知事の方針に全面的に賛成」する。

・ 久しぶりに高校3年生が登校してきた。ホームルームで「卒業アルバム」を配ったり、進路結果を調査したりしてその後は明日の「卒業式の予行」である。大筋の確認をする必要がある。特に今年から全生徒の氏名を読み上げるからその時間配分などもポイントであった。

・ その後同じ講堂で「高校2年生の修学旅行」の最終準備と「結団式」となった。最終準備と言っても荷物を航空会社差し回しの宅配便トラックに載せるだけである。今や高校の修学旅行ともなれば大きな荷物を「えっちら、えっちら」運ばずに宅配業者が集荷し生徒の到着までにホテルに届けてくれているという寸法なのである。便利な世の中になったものだ。
・ 期末試験は終わり、来週は修学旅行だから生徒は「嬉しいだけ」でどの顔も喜びに満ち溢れていた。良い顔ばかりであった。結団式では私は「良い思い出になるよう」等々激励と注意事項を述べたのである。

・ その後私は「大阪府神社庁」に出張した。今日は重要な行事があって「平成21年度神宮大麻暦頒布終了奉告祭」というものである。来賓としての出席である。長たらしい名前であるが一言で言えば神宮大麻とは「伊勢神宮のご神札」である。大麻とは紛らわしいが薬物の大麻ではない。
・ 大麻とは、古くは「おおぬさ」と読み、祈りがこめられるお神札の大切な部分(麻串・ぬさくし)に由来する歴史のある言葉であり、昔から、「お伊勢さん」「お祓(はら)いさん」とも呼ばれていた。
・ 「天照皇大神宮」の神号に神さまの印と大神宮司の印が押され、清浄を第一に数々のお祭りを経て伊勢の神宮で奉製され、毎年暮に全国の氏神さまを通じて各家庭に配られる神宮大麻は、氏神さまや他の崇敬する神社のお神札と共に神棚にお祀りするもので戦前戦後では大体「どの家庭でも見られた日本文化の一光景」であったと思う。
・ 神宮大麻の起源は、平安時代末期にまでさかのぼり、御師(おんし)・大夫(たゆう)と言われる人々が全国の「崇敬者」に、「御祓大麻(おはらいおおぬさ)」「御祓いさん」などの名称で頒布していたお神札に求めることができ、江戸後期の安永年間には、全国世帯の約九割が大麻を受けていたという記録もある。
・ その後数度の変遷を経て、現在神宮大麻は、昭和21年に設立された「神社本庁が神宮司庁」から全面委託を受け、全国約八万の神社の神職・総代等によって各家庭に頒布されている。今日はそれの終了式なのである。