2010年4月8日木曜日

4月8日(木)22年度1学期始業式
















・ 「始業式」。やっとこさと言うか、ようやくと言うか今日は始業式。これで「学校は平常状態」になる。とにかく1月以来「目白押し」の、それも重要な学校行事の連続で「気の休まる暇も無い」状態から今日からは「普通の学校のペース」に戻るのである。
・ 校長職が8年にもなると「生徒の歓声で気が落ち着く」から不思議だ。学校はやはり「生徒が居てナンボの世界」で生徒の居ない学校は面白くも何ともない。確かに生徒がいれば「あちこち問題は発生する」がこれは成長過程の子どもたちを預かっているのだから「騒々しいのが当たり前」である。返ってないほうがおかしい。
・ 教員の中には「教職と言う仕事は好きだが教えると言うのはどうも面倒くさい」とか無茶苦茶なことを考えている者もいるらしいが「とんでもない話」である。即ち「先生という職業は格好良いが生徒との触れ合いは面倒くさい」という輩である。
・ 教員を見る場合、「担任を望むかどうか」を私は一つの判断基準にしている。「どうしても担任になりたい。是非お願いします」というのは「まず良い先生の資質を有している」と言って間違いは無いだろう。
・ 「出来れば担任は外れて教科指導一本で行きたい」とかいうのは「まがい物」だと私は思っている。子どもとの触れ合いを「面倒くさい、ウザイ」とか感じる教員は直ぐ辞表を出した方が良い。
・ 「生徒は教員を一番良く知っている」。厳しい先生でも「その言葉、態度の中に自分たちを思ってくれている先生だ」ということを直感的に生徒は見抜いている。担任業務が見事に出来て「初めて学校の先生」である。やはり学校の教師はプロ野球と違って指名打者DHでは駄目だと言うことではないか。
・ スターティングメンバーに名を連ね、守備や攻撃、即ち攻守に秀でた者が教師である。本校は私学であり、目の前の生徒の後ろに控えて、学校に期待してくれている「保護者の存在」を忘れてはいけない。「私学は教職員と保護者が学校を作っていく」ものである。
・ 私立学校の教員は保護者との関係も重要で、これが「上手い人、下手な人」と分かれる。教員の年齢にも拠るが上手な先生というのはやはり「気配り心配りが出来る先生」である。保護者は「我が子可愛さの一念」であり「教師に救いを求めて来ている」と分かっている先生は「対応が上手い」。
・ 最近府教委が「保護者対応の手引き」とかを作って配布したと新聞記事にあったが「思わず笑ってしまった」。自動車免許でもあるまいし、保護者の対応にマニュアルが必要か。「普通の社会的常識」を有していたら、普通に出来なければおかしい。 それまでの蓄積だろう。
・ 「いや、それは違う。こちらが普通でもあのお母さんが普通ではない」という発想では何時まで経っても保護者から頼りになる先生とはならないだろう。まして本校は「私立学校」である。公立以上の「気配り心配り」が必要である。まず相手の言うことを「じっくりと何回も聞く事」である。これで大体納まることが多いものだ。そしてその場では結論を出さない。日を置くのである。
・ 特に本年4月以降その考えは重要である。「公立高校は授業料が無償化」になった。一こま一こまの授業コストは国と府が負担し、保護者の直接負担はなくなった。ところがまだ私立高校は「高い授業料を頂いている」のである。
・ 即ち今日以降一方では無償で一方は有償と言う極めて「際立った違い」となるのである。今までは公立にも少ないとは言え、授業料は存在した。それが消えたのである。まず「私立高校に勤務する教職員はこの原点をい忘れてはならない」
・ 始業式の私の講話はまずこのことから切り出したのである。「授業を大切にすること」。これは「お金のかかっていること」を生徒に訴えたのである。そして国と大阪府の「私立高校就学支援制度」についてある程度詳しく生徒にも話しをした。
・ もう高校生である。この意味を分からせねばならない。きっと分かると思う。「社会全体で高校教育を支えており」、その中でも私立高校の生徒は「家庭の負担を考えよ」と言うことである。
・ 次に私は「いじめ」「薬物・喫煙」「髪染め」「スカート丈」「公共マナー」について「自覚」を促し、「厳しい生徒指導と処分が待っていると宣告」した。そして私は「仲良く、明るく、元気に」「浪速生としての誇り」を持って何事にも全力で頑張るように「激励」したのである。
・ 特に部活動については「奨励」し、「支援を惜しまないと明言」した。この数年この方針でやってきたが「22年度を集大成の年」と位置づけており、そのために「新武道館、堺の校外多目的グラウンドが完成する」と説明した。
・ そして「雅楽部」「茶道部」「ボーイスカウト部」「剣道部」を特別支援クラブとして思い切った支援を約束したのである。果たしてこれらのクラブの入部状況はどうなるのか。
・ そして「土曜スペシャル」と「月曜スペシャル」について概要を話し、「自らを直視し長所を伸ばし弱点を克服する努力を惜しむな」と訓示したのである。生徒は真剣に聞いてくれていたがどこまで伝わったか。「親の心子知らず」となってはならない。

・ 急遽昨日「堺の校外グラウンドのこと」で関西大学第一高等学校の野球場を見学して確かめたかったものがあり教員二人を連れて北千里山まで出向いたのである。ここに素晴らしいものがあるというので「現物を確認」するためであった。
・ 物は「ピッチャーズマウンド」で輸入品だというが「高価」でもあり、購入したが使い物にならないでは責任問題だからそのチェックに行ったのである。堺のグラウンドは「多目的グラウンド」だからサッカーやラグビー場と兼用だから難しい問題があるのである。

・ 関一髙からとんぼ返りで難波に戻り、今日は教員3人を招待して夕食会であった。昨年本校の専任教諭に採用され無事1年間の「試用期間」が満了し、この4月から「名実共に私のスタッフになった人たち」である。3人とも優秀である。
・ 今日は韓国料理とした。石焼ビビンバとチヂミが評判の店であるが「旨かった」のである。メンバーが面白い。非常勤から6年も頑張って専任になれたI先生は「苦労人」であり、最も若い常勤1年で専任になれたI先生は「エリート的」であり好対照である。それぞれ31歳と28歳である。
・ もう一人は公立中学の現役教諭をスカウトした先生で5ヶ月の常勤講師で専任に採用し直ぐ中学校の教務部長に抜擢した人材である。39歳。私は楽しいひと時を過ごしながら「これら3人の教師を選んだ自分の目の確かさを確信」したのである。
・ この3人は後26年、34年、37年本校で働いて貰わないといけない。私は当然「あの世」に行っているがこの3人は本校のために頑張ってくれる。今日も私は教師にとって最も大切なことは「人間としての品格、品性」であり、専任教諭の採用に関してはこれを重要視すると話したのである。
・ 特に独身の二人には「良い結婚」を早くするように勧めたのである。しかしどうも二人ともお相手の候補はいないようだ。「仕事、仕事」で困ったものだ。本校は優秀な独身の男性、女性の先生が多い。何とかしなければならないがこればかりは「学校改革」と違って思うようにはいかない。