2010年4月11日日曜日

4月11日(日)吹奏楽部と夜の多聞尚学館





































・ 「狙いは成功したのか?」今から3年前着任同時に「共学化の発展戦略」として私は「女生徒部活動を支援」することは間違いない方法の一つとして考えた。まずターゲットを「吹奏楽部」においたのである。
・ 当時は部員も少なく楽器もなく、クラブとしてはあるにはあったが当に「立ち枯れ」状態であった。私は入学式で「吹奏楽部」に入ってくれたら「楽器をプレゼント」するとまで言って「校長の姿勢を示した」のである。
・ あれからかっちり年毎に300万円以上の楽器を3年間買い続けてきたのである。今年で4年間合計1200万円となった。実際は「サービス価格」だから定価は1200万円どころではない。
・ 実は学校から歩いて5分くらいのところに「松本楽器」という楽器販売会社があってここの社長さんは本校のOBであり、「母校を愛して止まないお人」であった。お嬢さんも本校に入れてくれた。彼が本気で吹奏学部を支援してくれたのである。
・ 一応今年を節目として「特別強化クラブ」から外れるというので部員たちが私のために今年の「楽器の贈呈式」を企画してくれたというので昨日午後クラブに赴いたのである。
・ 特に今年の楽器の中には「バリトンサックス」という100万円以上の楽器もあるというのでそれは「一体どのような楽器?」との興味もあったのである。定価は130万円以上らしい。グランドピアノが買える値段だ。
・ 部屋に入ると生徒が居並び、主将などが「感謝の言葉」を述べてくれた。私は彼女たちの言葉を聞きながら「支援して良かった」とつくづく思ったのである。お陰でクラブは堂々と大会に出場できるところまで実力を挙げてくれた。
・ 過日は「第一回定期演奏会」を開くまでポテンシャルを高めてくれたのである。入学者の中の女生徒比率も30%を超えるようになってきた。「浪速といえばガチガチの男子校」のイメージが強かったがこれも徐々に変化してきているのではないか。狙いは成功である。
・ この間吹奏楽部を指導してくれてきたN先生には感謝、感謝だ。温厚な人格者で今度人事異動で高校2年生の学年主任となった英語の先生である。今後とも宜しくお願いしたい。
・ このクラブの良いところは「入試説明会や入学式」などで積極的に中庭で演奏してくれて「ムード」を盛り上げてくれていることである。一応区切りであるが今後とも必要な楽器があれば購入してやりたいと思ったのである。「私は生徒には弱い」。
・ それにしても校長支援が強すぎて「女生徒ばかり入部」して今や「浪速女子吹奏楽部」みたいになっていることである。以前部の代表が部屋に来て「校長先生、男子生徒にも入るよういって下さい」と言われて苦笑したことがあった。
・ 同じような現象は「雅楽部」にも起きている。このクラブは吹奏楽部に遅れること1年でやはり特別強化クラブと位置づけて支援してきたのだが今や完全に女生徒クラブになりつつある。私は危機感を有しているがこれだけは思うようにはいかない。何か「男子生徒に入って貰う良い手は無いのか腐心」しているのである。

・ 昨日は新高校1年生の「多聞学習合宿」が始まった日であった。入学式が6日で1週間も経たないのに多聞だから「その気概や良し!」だろう。」私は大満足である。生徒もアンケートでは「張り切っている」とのことであった。
・ 最初の「週末スペシャル」であるから今回は「特別なカリキュラム」とするように多聞の副館長である今回の引率責任者の理数科長に指示した。すなわち再度「実力を測る」ように「本格的な試験問題」を用意させたのである。英語、国語、数学の3教科について70分の長い試験を課し、翌日その成績発表と答案解析を行うように言ったのである。
・ 通常であれば私は夕方多聞尚学館を視察するのであるが昨日は初めて「夜遅く行く」と言って一旦自宅に戻り夕食を済ませてまた学校に行き、そこから自分で運転する学校車で多聞に赴いたのである。夜は8時をであった。
・ 多聞に着いたときは生徒は遅い夕食を済ませ、風呂を使っているところであった。8時35分理数科とⅠ類1組の二クラスを私は回って「多聞尚学館の歴史」を語り、生徒たちに「この施設は君たちのもの」、大切にして「今後3年間頑張って行きたい大学を目指す」ように「激励」したのである。
・ 夜の9時過ぎに夕食を準備してくれた給食会社の社員さん2名が一生懸命食器を洗っておられ、前から依頼されていた「自動食器洗い機」について私から「今段取りしているから」というと大変に喜んで貰ったのである。
・ しかし夜の多聞尚学館は「静寂を通り越している」感じである。不要な照明も無いため当に「金剛山が眠りに入る」様子でただ一つ多聞尚学館の明かりが「幻想的」なのである。
・ 私のカメラはコンパクトカメラで良いものではないが「遠く窓ガラス越しに伺える生徒」が試験問題に立ち向かっている「一枚のショットが感激もの」である。是非この写真をご覧頂きたいものだ。
・ そして講師の先生には「3科目の試験成績のトップ10名の氏名を張り出し」生徒たちに現実を知らしめるように言ったのである。それを私宛に翌朝メールして欲しいともお願いした。
・ 漆黒の闇に輝く多聞尚学館の明かりは浪速の将来を暗示するように「明るく、頼もしく、幸せに満ち溢れている感じ」がしたのである。私は今の自分の「充足感にしみじみと幸せを感じ」ながら多聞を後にした。
・ 今朝早速メールが届いた。私はこの結果を見て大満足であった。英語は89点から76点、国語は76点から72点、数学は70点から60点で大体「設定通り以上の出来具合」となっているのではないか。明日、先生から詳しく聞かねばならない。
・ 嬉しいのは3科目合計でトップ10のうち理数科が5名とR1組が5名であった。「総合トップは浪速中学校からの内部生で女生徒」である。「雅楽部の生徒で特待生」であるが京都大学志望である。中々夢のある新一年の学年であることが分かったのである。